さらに高まるボラティリティと加速する現金保有の動き
現在はリスク性の高い金融資産のみならず、安全資産とされる金や米債が売られる局面が見られます。これは先行き不透明感が急速に高まっていることにより現金を保有する動きが加速していることを示唆しています。このような状況の中、ドル円のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご参照ください。
加速する流動性確保の動き
16日の主要な株価指数は軒並み下落する展開となった。特に米国株式市場では今月に入って3度目となるサーキットブレーカーが発動し、ダウ平均は一時3,000ドルを超える過去最大の下げ幅を記録した。ベンチマークであるS&P500指数のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した値)はついに80%台へと到達(81.11%)。世界金融危機が発生した2008年11月の85.19%に迫る勢いとなっている。
外為市場では、今月9日以降米ドルを買う動きが見られるが、これは最も流動性の高い米ドルを確保しようとする動きであると筆者は考えている。その理由は2つの市場動向にある。ひとつはNY金先物価格が1,500ドルをあっさりと割り込み、一時1450.9まで低下したことである。もうひとつは、米国債券市場で米長期金利(=10年債利回り)が下げ止まり、且つ反発する局面(=米債売りの局面)が見られることだ。これら資産はリスク回避局面でその価値が上がるはずなのに、現在は逆の展開となっている。投資家のリスク許容度が極端に縮小すると、たとえリスク性の低い金融資産であっても、流動性確保の目的で現金を確保しようとする傾向は世界金融危機でも見られた現象だが、現在はそれが再来しているというわけである。
S&P500指数の動向
NY金先物と米金利の動向
ドル円は引き続き米株にらみ
現在の外為市場は、リスク回避を背景とした米ドル買いと円買いがぶつかり合う展開となっている。通貨オプション市場のリスクリスクリバーサルを確認すると、市場参加者は引き続きドル安/円高を予測していることがわかる。だが、ドル円のトレンド自体は株式動向-特に米株の動向によって左右される局面が続いていることを考えるならば、より注視すべきは米株の動向である。
目先のチャートポイントだが、下値は今月9日安値101.17を起点とした短期サポートラインの維持となろう。このラインは今日現在、106.00を挟んで推移している。このラインの維持に成功する場合(株式市場の反発によってサポートされる場合)、徐々に下値が切り上がっている状況も考えるならば、再び108円台をトライする可能性があろう。このケースでは、今月13日に上値をレジストした108.50の再トライが焦点となろう。一方、短期サポートラインを下方ブレイクするケースでは株式市場が続落している可能性が高い。このケースでは105円の下方ブレイクおよび104.50レベルもしくは103.00レベルまでの下落を警戒したい。
ドル円チャート
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