今週も上下に大きく振れる相場を警戒
週明け早朝にFEDは金融緩和政策の強化を表明しました。外為市場は米ドル売りで反応、米株先物も下落で反応しています。FEDの決定が与える影響は?今週の焦点は?マーケットレポートをご参照ください。
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さらに強まる先行き懸念
今週の各市場は、先週に続き上下に大きく振れる不安定な展開を予想する。ベンチマークであるS&P500指数のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した値)を確認すると、70%台まで急上昇している。この水準は世界金融危機が発生した2008-2009年以来の高水準であり、多くの投資家が先行きについて明確な予測ができていない状態が続いていることを示唆している。
先行きに対する懸念の高まりを示唆しているもう一つの市場が、NY金先物である。3月9日以降、金価格は下落の一途を辿り、一時1,500ドルをトライする局面が見られた。本来であれば金が買われてもおかしくない相場環境であるにもかかわらず、逆に金売り圧力が高まっているということは、高値警戒感のみならず、一番流動性の高い現金、つまり米ドルを保有する流れが加速していることを示唆している。
S&P500指数の動向
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NY金先物相場
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視すべきはゼロ金利よりも資金供給の影響
先行きについて最も警戒している組織のひとつが、パウエルFRB(以下FED)である。週明け早朝にFEDは政策金利を一気に1%下げ0~0.25%にすると発表した。同時に今後数カ月にわたり米国債などを7000億ドル買い入れることも決定した。2015年12月以来となるゼロ金利政策の再導入と資金供給強化の合わせ技は、米国経済の先行きに対するFEDの警戒レベルが最も高い水準に達していることを示している。
今回のFEDの決定に外為市場は米ドル売りで反応している。このレポートを執筆している時点でのドル円は安値105.752、ユーロドルは高値1.12021を付ける局面が見られた(ともにIGレート)。昨年10月以降、FEDは米ドル資金の供給を開始。それ以降、米ドル安圧力が高まった経緯を考えるならば、今回のFEDの決定でより注視すべきは、利下げではなく資産購入の方である。後者の政策でさらに強化策を講じる場合、中長期的に米ドル相場は売り圧力に直面しよう。
ドル買いとドル売りがぶつかり合う1週間
今週の外為市場は、先行き不透明感を背景とした米ドル買いとFEDの資金供給(資産購入)強化を背景とした米ドル売りの圧力がぶつかり合う不安定な展開が予想される。ドル円のトレンドは引き続き株式の動向によって左右されよう。上値の焦点は、先週13日に付けた高値108.50レベルの再トライが焦点となろう。このレベルにはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は102円台の維持が焦点となろう。直近安値101.17を起点とした短期サポートラインの下方ブレイクは、102円を目指し下落幅が拡大するシグナルとして注視したい。105.00、104.00および103.00にはそれぞれビッドが観測されている。
ドル円のチャート
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