エヌビディア、株価が昨年末比で3倍に 強気相場が後押し AIに期待
エヌビディアの株価が20日に昨年末比で3倍になった。AI関連事業への期待とともに、株式市場全体への楽観が要因のようだ。
米半導体大手、NVIDIA(エヌビディア)の株価が昨年末比3倍の水準に達している。株価は5月の2023年2-4月期決算発表後に上昇が加速。人工知能(AI)開発向け半導体の成長性への期待が続いているとともに、株式市場全体の先行きへの強気な見立てがさらにエヌビディアの株価を後押ししているようだ。ただし株式市場の好調さがどこまで続くかは見通せず、エヌビディア株の行方は今後の業績にかかっているといえそうだ。
エヌビディア株は2日連続で年初来高値更新
エヌビディアの株価(チャート)の20日の終値は前日比2.6%高の438.08ドルで、2日連続で年初来高値を更新。金融情報会社リフィニティブのデータによると、2022年12月末の3倍にあたる水準となった。株価は2022年10月半ばまではゲーム部門の収益悪化が懸念されて下落傾向だったが、その後はAI開発向け半導体の成長性への評価が高まり、上昇が続いてきた。
エヌビディアの株価がさらに勢いづいたのは5月24日の2023年2-4月期決算発表に際し、5-7月期の総収入が大幅に増えるとの見通しを発表したことがきっかけ。翌日の株価は約24%上昇し、金融市場の注目を集めた。リフィニティブによると、アナリストの間ではこのところエヌビディアの目標株価を500ドル以上に引き上げる動きも出ている。
株式市場全体への強気さも背景に
また、米国の株式市場全体に対する強気な見方もエヌビディアの株価を後押ししているとみられる。2022年10月の底値から上昇が続いてきたS&P500種株価指数は、2023年6月8日に強気相場入り。この日から20日までの8営業日でエヌビディア株が下落したのは1日だけだ。
米国の個人投資家はS&P500種の強気相場入り直前から、株式市場の先行きに自信を深めている。米個人投資家協会(AAII)の週次調査によると、今後6か月間の見通しについて強気な投資家の割合は7日の段階で全体の44.5%となり、前週の29.1%から急増。14日の段階でも45.2%が強気な見通しで、2021年11月以来の高い水準にある。
米FRBの利上げで株価に下押し圧力も
ただ、米国の株式市場の好調さがどこまで続くかは不透明だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は14日に1年半ぶりとなる利上げ見送りを決める一方、年末までに2度の利上げを行うとの見通しも示している。米国の物価上昇率には落ち着きもみられているが、依然としてFRBが目標とする2%は大きく上回っている。FRBの利上げの長期化が改めて意識された場合、株価に下押しがかかる可能性がある。
個人投資家の強気度合いは逆張り指標としても知られ、投資家の行き過ぎた強気は上昇相場の終わりが近づいているとの見方も成り立つ。エヌビディアの株価が相場全体が下向いたときに上昇を続けられるかどうかは、8月に見込まれる5-7月期決算発表で結果を示せるかどうかにかかってきそうだ。
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