OPECプラスは減産拡大できず? 閣僚会合を延期 原油価格は続落
産油国の減産をめぐる足並みの乱れが原油価格を下落させた。30日に延期された閣僚会合の結果やサウジの動きが焦点だ。
原油相場の緊張感が増している。ニューヨーク商品取引所(NYMEX)の23日の代表的な原油先物価格は前日比0.97%安。産油国で作る石油輸出国機構(OPEC)プラスの閣僚会合の延期が22日に発表されたためで、産油国間の足並みの乱れが原油価格引き上げに向けた行動を難しくするとの見方が出ているからだ。前回6月の閣僚会合に際してはOPECの盟主であるサウジアラビアが自主減産を表明して価格上昇へ布石を打ったが、今回もサウジの動きが原油相場の行方を左右しそうだ。
WTI先物価格は2日続落で76.35ドル
LSEGデータ&アナリティクスによると、NYMEXでの原油指標価格であるWTIの先物価格(翌月渡し、WTI)の23日の終値は1バレル=76.35ドル。前日の0.86%安に続く値下がりとなった。WTIはイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃とその後の戦闘激化を背景に9月27日には93.68ドルをつけていた。しかしその後は戦闘が原油生産に悪影響を与えるとの見方が後退したことや、アメリカ経済の過熱感の和らぎが出たことなどから下落。11月16日には約4か月半ぶりの安値となる72.90ドルまで値下がりしていた。
OPECプラス参加国の足並みに乱れ
一方、ここ数日の値下がりのきっかけは、OPECプラスが22日に閣僚会合の開催日を26日から30日に延期すると発表したことだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、参加国のうちナイジェリアとアンゴラが、協議が続けられている閣僚会合での合意内容に反対しているという。
OPECプラスが30日に延期された閣僚会合で減産規模拡大で一致できなければ、原油相場には下落圧力がかかる可能性がある。この場合、サウジが単独での減産拡大を表明するかどうかが焦点となりそうだ。
サウジは6月の閣僚会合に際しては自主減産を表明
6月の閣僚会合では2024年の参加国の生産規模を日量4046万バレルとし、当時の生産量からほぼ横ばいとすることで合意。閣僚会合前には100万バレルの追加減産が議論されると報じられていたが、実際には合意に至らなかった形だ。一方、サウジは単独で100万バレルの自主減産を7月から行うと発表し、当時70ドル程度だった原油価格が上向く下地を作った。
OPECプラスの発表資料によると、ナイジェリアとアンゴラはアフリカからの8つのOPECプラス加盟国のうち、それぞれ1位と2位の生産量を割り当てられている。6月の合意では両国ともに2024年からの生産量の削減を求められており、生産計画について第三者機関による検証が必要だとされていた。
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