【ドル円 (USD/JPY)】今日の見通しとチャートポイント
3日の外為市場は、さえない経済指標で米ドル安優勢の展開となった。しかし、円安の圧力が米ドル安のそれを上回ったことで、ドル円(USD/JPY)は152.00レベルを意識する状況が続いている。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・さえない経済指標を受け、3日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった
・しかし米ドル安以上に円安の圧力が勝り、ドル円は152.00を意識する状況にある
・今日は米国の新規失業保険申請件数が材料視される可能性あり
・ドル円、今日の見通しとチャートポイントについて
外為市場の動向:さえない経済指標で米ドル安の展開に
3日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった。
この日発表された3月のISM非製造業景況指数が51.4と前月(52.6)から予想外に低下し、市場予想(52.8)も下回った。さえない経済指標を受け、この日の米債市場では利回りの上昇が抑制された。
外為市場では米ドル安の圧力が高まり、日本円以外の主要通貨で米ドル安の展開となった。
米ドル相場の動向:4月3日
今日の注目材料:米国の新規失業保険申請件数
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、利下げ政策への転換について慎重な姿勢を維持している。その理由の一つが、堅調な労働市場に支えられている経済の底堅さにある。
3月のISM非製造業景況指数は予想外に下振れたが、雇用指数は48.5と前月の48.0から小幅ながらも改善した。2月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数は、875.6万件と1月の874.8万件から小幅に増加し、かつ市場予想の873.0万件も上回った。
今日の新規失業保険申請件数で労働市場の底堅さが確認される場合は、利下げに対するパウエルFRBの慎重姿勢が長引くとの観測が高まり、外為市場は再び米ドル買いの展開となることが予想される。
一方、新規失業保険申請件数が予想(21.4万件)以上となる場合は、米ドル安の要因になり得る。
なお、直近のトレンドを4週移動平均で確認すると、申請件数の増加傾向が抑制気味にある(下のチャート、赤ラインを参照)。
米国 新規失業保険申請件数の動向:23年以降
ドル円:今日の見通しとチャートポイント
対米ドルでの円安は限定的
昨日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった。しかし、それ以上に円安の圧力が高まり、ドル円(USD/JPY)は152.00レベルをトライする状況を維持した。
だが、他の主要通貨と比べて対米ドルでの円安は限られた。この状況は、ドル円が152.00を突破する場合、政府・日銀による円買い介入の可能性を多くの市場参加者が意識している動きといえる。
円相場の動向:4月3日
152.00レベルでの神経戦
現在ドル円は、152.00レベルで円買い介入を意識した神経戦の様相を呈している。しかし調整の反落は限定的で、先月の下旬以降、151円台を維持する状況が続いている。そして現在は、10日線でサポートされる状況にある(下の日足チャート、今日現在151.46前後で推移、青ラインを参照)。この底堅さは、円買い介入の可能性が意識されながらも、それが今の上昇トレンドを変える要因とはならないことを多くの市場参加者が意識していることを示唆している。
ドル円のチャート:日足23年11月以降
強い米経済指標が152.00ブレイクのトリガーに
ドル円(USD/JPY)が152.00レベルをブレイクアウトするトリガーとして目先注目したいのが、米国の経済指標である。
上で述べた新規失業保険申請件数の他、明日は3月の米雇用統計が発表される。労働市場の堅調さが確認される場合、ドル円は米ドル高と根強い円安の圧力が重なることで、152.00レベルを突破することが予想される。
重要なレジスタンスの水準として意識されている152.00の突破は、ドル円が新たな上昇の局面へ入る可能性を高めよう。
一気に153円台を視野に上昇する可能性がある。しかし、ドル円の上昇幅が急速に拡大する場合は、円買い介入やそれを意識したボラティリティ相場の(短期的に上下に大きく振れる)展開を想定しておきたい。
なお、ドル円が153円を目指す場合は、IG為替レポートで注目しているNT計算値の水準153.28レベルのトライに注目したい。
ドル円のチャート:週足23年9月以降
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