【ドル円 (USD/JPY)】151.90台の攻防が続く、ブレイクアウト後のチャートポイントは?
現在の外為市場では根強い米ドル高と円安が続いている。ドル円(USD/JPY)の焦点は引き続き151.90台の攻防にある。ブレイクアウト後の注目ポイントは?反落の局面で注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・他の中央銀行の利下げ姿勢が米ドル相場のサポート要因に
・ドル円は地合いの強さを維持、5日線でサポートされる展開に
・目先の焦点は、151.90台のブレイクアウトとサポート転換の確認
・ドル円が152円台へ上昇する場合は、153.28レベルのトライを意識したい
外為市場の動向:根強い米ドル高
21日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。
この日発表された新規失業保険申請件数が予想以下となった。
米債市場では利回りが上昇で反応した。米金利の上昇は米ドル買いの圧力を高めた(下のチャートを参照)。
米金利とドルインデックスのチャート:5分足 21日の欧州タイム以降
強い雇用関連指標以外で米ドル買いの圧力を高めた要因が、英中銀(BoE)とスイス中銀の政策姿勢だった。
この日、英中銀は金融政策委員会(MPC)開き、5会合連続で政策金利の据え置きを決定した。
しかし、前回のMPCまで利上げを主張していたマン委員とハスケル委員の両氏が据え置きに転じたことで、英中銀がハト派スタンスへ傾いているとの印象を市場参加者に与えた。
一方、スイスの中央銀行「スイス国立銀行」は現在1.75%にある政策金利を0.25%引き下げ、1.5%とした。2015年以来、9年ぶりの利下げとなった。
これら両中銀の決定を受け、この日の米ドル相場はG10 通貨の中でも特に対英ポンドとスイスフランで上昇幅が拡大した(下のチャート、黒棒グラフを参照)。
米ドル相場の動向:3月21日
ドル円:今日の見通しとチャートポイント
151.90台の攻防を意識する状況が続く
現在のドル円(USD/JPY)は5日線にサポートされる状況にある(下の日足チャート、青ラインを参照)。短期の移動平均線で下支えされる状況は、今のドル円の地合いの強さを示唆している。この点については、ゼロラインを一気に上回り、上昇幅が拡大しているモメンタムも示唆している(下の日足チャート、緑矢印を参照)。
日足のストキャスティクスは買われ過ぎの水準にある(下の日足チャート、赤矢印を参照)。しかしデッドクロスは確認されていない。一方、RSIも同様の状況にある。これらオシレーター指標でデッドクロスが確認される場合は調整の反落を警戒したい。
しかし、現在の根強い米ドル高と円安の状況を考えるならば、ドル円が反落しても、その幅は限定的となる可能性が高いだろう。
ゆえに今のドル円は、151.90台を完全にブレイクアウトするかどうか?この点に注目したい。
ドル円のチャート:日足23年11月以降
151.90台のブレイクアウトとサポート転換の確認
ドル円(USD/JPY)が151.90台を完全に上方ブレイクする場合は、152円台の攻防へシフトする展開を想定しておきたい。
この状況で注目すべきことは、IG為替レポートで常に指摘している重要レジスタンスポイントのサポート転換である。
上で述べたモメンタムは強気相場に勢いが出ていることを示唆している。しかし、その一方で年初の上昇幅が拡大した水準付近まで上昇している。
日足のストキャスティクスとRSIが短期的な相場の過熱感を示唆する水準にあることも考えるならば、ドル円が152円台へ上昇した後は、調整の反落相場を想定しておきたい。
反落の局面でドル円が151.90前後でサポートされる状況が続く場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。152円台を維持する場合は、なおさらその印象を強めよう。
ドル円のサポート転換が確認される場合、次の上値ターゲットは、23年以降の主要な高安から算出されたNT計算値の水準153.28レベルとなる可能性がある。この水準をトライするかどうか?を見極める観点からも、上で述べたサポート転換の確認が重要となろう。
ドル円のチャート:週足 22年7月以降
反落の局面では5日線の攻防が焦点に
一方、今日も151.90前後でドル円(USD/JPY)の上値が止められる場合は、反落相場を意識したい。
しかし、上で述べたとおり現在の地合い(根強い米ドル高と円安の地合い)を考えるならば、反落してもその幅は限定的となろう。
目先の焦点は5日線の攻防にある(上の日足チャート、青ラインを参照)。この移動平均線は今日現在、150.80台で推移している。
ドル円が5日線をトライするシグナルとして注目したいのが、フィボナッチ・エクステンションの水準である(下の15分足チャートを参照)。
23.6%の水準151.41レベルはサポート転換を意識する水準である。
半値戻しの水準は151.00レベルにあたる。151円台の維持を見極める水準として注目したい。
そして61.8%の水準150.85レベルは5日線と重なる。この観点からも、5日線で相場が反発する展開を想定しておきたい。
分足や時間足のストキャスティクスとRSIを軸に相場のトレンドを追い、これらオシレーター指標が売られ過ぎの水準にある時にドル円が上で述べたフィボナッチ・エクステンションの各水準や5日線をトライする局面にある場合は、相場の反発を想定しておきたい。
ドル円のチャート:15分足 20日の欧州タイム以降
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