カナダ中銀が予想外の利上げ / カナダ円とドル円の展望について
カナダ中銀(BOC)が予想外の利上げに踏み切った。次回の7月会合でも追加利上げの可能性が浮上していることでカナダ円は上値をトライする展開が予想される。一方、豪準備銀行(RBA)やカナダ中銀(BOC)の利上げを受けても6月FOMCでの利上げ見送り観測は根強い。今日のドル円の展望は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・豪準備銀行(RBA)に続きカナダ中銀(BOC)も利上げに踏み切った
・RBAとBOCの利上げを受けても6月FOMCの利上げ見送り観測は根強い
・カナダ円は中銀の政策スタンスの差が意識され上昇トレンドを維持するだろう
・ドル円、今日の展望とテクニカルポイントについて
カナダ中銀が予想外の利上げ
カナダ中銀(BOC)は7日、0.25%の利上げを決定し主要政策金利の翌日物金利を22年ぶりの高水準となる4.75%へと引き上げた。
カナダ中銀による予想外の利上げを受け、外為市場では主要通貨でカナダドルが上昇した。
短期金融市場では、次回の7月会合でもカナダ中銀による追加の利上げを織り込む状況にある。このためカナダ円(CADJPY)は、金融緩和政策を維持する日銀との政策スタンスの差が意識されやすい状況へ転じている。
カナダ円のトレンドを日足チャートで確認すると、3月24日の安値94.07レベルで底打ちした後に上昇トレンドへ転じている。
昨日はカナダ中銀の利上げを受け22年11月23日以来となる104.88レベルまで上昇し、105.00レベルをトライする可能性が高まってきた(高値104.88レベル)。
テクニカルの面では上昇のトレンドチャネルを形成し、そのチャネル内に10日MAと21日MAが推移している。カナダ円が反落する局面では、チャネルの下限とともに相場をサポートする可能性があろう。
しかし上で述べたとおり、目先のカナダ円は日銀とカナダ中銀の政策スタンスの差が意識されやすい状況にある。調整の反落は見られるだろうが、基調は上値トライを想定しておきたい。
カナダ円が105.00レベルをブレイクアウトする場合は、昨年の11月中旬から下旬に相場の戻りを止めた105.80レベルの突破が次の焦点となろう。
カナダ円が105.80レベルをもブレイクアウトすれば、106円台への攻防シフトを予想する。
カナダ円のチャート
連邦公開市場委員会(FOMC)への影響
豪準備銀行(RBA)に続きカナダ中銀(BOC)も利上げに踏み切ったことで、注目されるのが来週の連邦公開市場委員会(FOMC)への影響である。
8日 7時時点での利上げ確率をFEDウォッチツールで確認すると20%台で推移しており、金利据え置きの観測は根強い。
しかし短期金融市場では、7月会合での利上げを織り込む状況にある。また、利下げの観測は11月または12月へと後退している。
パウエルFRBがインフレ抑制重視のスタンスを崩していないことを考えるならば、6月会合で利上げを見送っても、7月以降の会合での追加利上げや利上げサイクルを終了しても高い水準で政策金利を維持する可能性がある。
ゆえに6月会合でパウエルFRBのタカ派スタンスを市場が感じ取る場合は、米ドル相場の底堅い地合いが続く可能性を高めるだろう。
6月FOMCの利上げ確率と政策金利の予想推移
ドル円の展望とテクニカルポイント
続伸ならば140.50レベルのトライが焦点に
ドル円(USDJPY)は昨日、「カナダ中銀の利上げ→米金利の上昇→日米利回り格差の拡大」を受け、140円台へ再び上昇した(高値140.25)。
今日は週間の米新規失業保険申請件数の発表が予定されている。豪準備銀行(RBA)に続きカナダ中銀(BOC)も予想外の利上げに踏み切ったタイミングで雇用市場の堅調さを示す内容となれば、IG為替レポートで何度か取り上げているレジスタンスポイントの140.50レベルをトライする展開が予想される。
ドル円が140.50レベルをブレイクアウトする場合は、5月30日の高値140.93レベルおよび141.00レベルをトライする可能性が高まろう。
一方、新規失業保険申請件数が予想以上に増加する場合は、米ドル売りの要因になり得る。だが、来週にFOMCを控えていること、そして短期金融市場で7月会合での利上げを急速に織り込む状況にあることを考えるならば、新規失業保険申請件数が米ドル売りの要因となっても、ドル円の下落幅は限定的になると予想する。
ドル円のチャート
反落局面でのチャートポイント
ドル円(USDJPY)が反落する場合は139.00レベルを目先の下限と想定し、まずは直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。
リトレースメント23.6%の水準139.96レベルは、昨日のNY時間に相場をサポートした経緯がある。この水準での攻防は、140円台の維持を見極める攻防でもある。
ドル円が23.6%の水準を完全に下方ブレイクする場合、次は38.2%の水準139.78レベルでの攻防に注目したい。今日現在、10日MAが38.2%水準のすぐ上の139.80レベルで推移している(上の日足チャートを参照)。
ドル円が38.2%の水準だけでなく、76.4%の水準まで難なく下方ブレイクする展開となれば、139.00のトライを想定しておきたい。
なお、6月1日のNY時間から翌2日の欧州時間にかけてサポートポイントとして意識される局面が見られた138.70レベルのすぐ下には、21日MA(今日現在138.64レベル)が上昇している(上の日足チャートを参照)。ドル円が139.00割れの展開となる場合は、138.70前後までの下落を警戒しておきたい。
ドル円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。