【米ドル相場】ドル円とユーロドル、今日の見通しとチャートポイント

サマリー

・米長期金利は4.6％台へ上昇し、外為市場では米ドル高がさらに進行している
・ドル円、今日の見通しとチャートポイントについて
・ユーロドル、今日の見通しとチャートポイントについて

米金利の上昇と米ドル高の進行が続く

27日の米債市場では10年債利回り（長期金利）が4.64％と、2007年10月以来の高水準まで上昇した。一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは、5.1％台で高止まりしている。

米金利が上昇基調を維持していることで、外為市場では米ドル高の相場がさらに加速している。

米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス（DXY）は昨日、上昇基調のトレンドチャネル上限をトライする展開となった。そして、高値106.84レベルまで上昇する局面が見られた。

ドルインデックスのチャート：日足 23年2月以降

ドル円、今日の見通しとチャートポイント

焦点は150円のトライと国内サイドの動き
「米金利の上昇→米ドル高」のトレンドを受け、27日のドル円（ USD/JPY）は、昨日のIG為替レポートで取り上げた昨年10月24日の高値149.71レベルまで上昇した。

二度同じ水準で上昇が止められたことを考えるならば、ドル円がこの水準（149.71レベル）を完全に突破する場合は、節目の150.00トライを想定しておきたい。

ドル円が上値をトライする局面で警戒すべきは、政府・日銀の対応である。これまで通り口先介入のみで円安をけん制する場合、ドル円は調整の反落を挟みながら150円台への上昇、そして151.00レベルを視野に上昇幅の拡大が予想される。

一方、円買い介入で円安阻止の意志を明確に示す場合（150円以上の円安は許容できないとの意識を示す場合）は、昨日のIG為替レポートで指摘したサポート水準を視野に、瞬間的な円高を警戒しておきたい。

下値のチャートポイント
一方、円買い介入以外でドル円（ USD/JPY）が反落する場合は、以下の1時間足チャートで示したサポート水準の攻防に注目したい。

148.70－80ゾーンは、昨日のIG為替レポートで取り上げたフィボナッチ・リトレースメント23.6％の水準（148.74レベル）にあたる。

サポートへの転換を意識する水準148.50レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2％の水準（148.47レベル）にあたる。

まずは短期サポートラインの攻防に注目し、ドル円がこのラインを完全に下方ブレイクする場合は149円割れ、そして上で述べたサポート水準を視野に入れた反落相場を想定しておきたい。

なお、IG為替レポートで注目している21日線は今日現在、147.67レベルまで上昇している。

ドル円のチャート：1時間足 9月21日以降

ユーロドル、今日の見通しとチャートポイント

年初来安値の更新が視野に
「米金利の上昇→米ドル高」のトレンドを受け、ユーロドル（EUR/USD）は27日、重要サポートポイントの1.05レベルを大陰線で下方ブレイクし、安値1.0488レベルまで下落した。

現時点での今年安値である1月6日の安値1.04829レベルは維持した。しかし、米欧の景況感とそれに伴う金融政策スタンスの差が意識されやすい状況にあることを考えるならば、今のユーロドルは年初来安値の更新を意識する状況にある（下チャートの赤矢印を参照）。

ユーロドルのチャート：日足 年初来

通貨オプション市場では、1ヶ月と3ヶ月のリスクリバーサル（ユーロドル）はともにユーロ・プットへ傾く状況にある。ユーロドルの下落相場を警戒した動きといえる。

ユーロドルとリスクリバーサルのチャート：日足 23年5月以降

1.04台の維持が焦点に
今日もユーロドル（EUR/USD）が下値をトライする場合、目先の焦点は上で述べた年初来安値の更新となろう。

実際にユーロドルが1.04829レベルを完全に下方ブレイクする場合は、1.04ミドルの攻防に注目したい。昨年12月7日に1.0443レベルで相場がサポートされた経緯がある。

だが、テクニカルの面で注目すべきは1.04レベルとなろう。この点を週足チャートで確認すると、昨年9月の安値と今年7月の高値の半値戻しの水準が1.0406レベルにあたる。

上で述べたリスクリバーサルの動向に加えて、10日線がレジスタンスラインとして意識されていること（上の日足チャート、オレンジラインを参照）、そしてMACDの低下トレンドがさらに進行している状況も考えるならば（上の日足チャートを参照）、ユーロドルの1.04トライを想定しておきたい。

一方、ユーロドルが反発する場合は、1.06台への再上昇が目先の焦点となろう。昨日の高値1.0574レベルの突破は、1.06トライのシグナルと想定しておきたい。

しかし、ユーロドルが1.06台へ上昇しても10日線が引き続き相場の戻りを止める展開が予想される。この移動平均線は今日現在、1.0616レベルで推移している。

ユーロドルのチャート：週足 22年9月以降