【ユーロ円 (EUR/JPY)】今週の見通しと注目のチャートポイント
ドル円(USD/JPY)と同じく今週のユーロ円(EURJPY)も米国の経済指標で上下に振れる展開が予想される。ユーロ円を取り巻く今の状況を考えるならば、下値トライを警戒したい。21日線を下方ブレイクする場合は、下落幅の拡大を警戒したい。注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・今週のユーロ円は下値のトライを警戒したい
・変動要因は米国の重要な経済指標、特に雇用関連指標となろう
・21日線の下方ブレイクは、短期サポートラインをトライするサインに
・反発の局面では、3つのチャートポイントの攻防に注目したい
下値トライを意識する状況にある
円安の状況を把握するうで、今週もクロス円の動向に注目したい。
主要なクロス円の一角であるユーロ円(EUR/JPY)は現在、じりじりと水準を切り下げ調整の反落ムードが漂っている。
ユーロ円のリスクリバーサルを確認すると、1週間と1か月のそれらがユーロプットへ傾く状況にある(下のチャート、赤矢印を参照)。
予想変動率は低い水準での推移が続いているが、ユーロドル(EUR/USD)の緩やかな下落基調や下で述べるモメンタムとストキャスティクスの低下トレンドも考えるならば、今週のユーロ円は下値トライを意識しておきたい。
ユーロ円のリスクリバーサルと予想変動率:日足23年10月以降
焦点は21日線、162.00そして50日線の攻防
日足のモメンタムは、ゼロラインを目指し低下のトレンドにある。RSIに明確な方向感は見られないが、ストキャスティクスはデッドクロスを形成した後、モメンタムと同じく低下基調にある(いずれも下のチャート、赤矢印を参照)。
そして直近のユーロドル(EUR/USD)は、米ドル高を受け緩やかな下落基調にある。また、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが意識され米金利の上昇が抑制されても、相場の戻りが弱い。
この状況で今週のドル円(USD/JPY)が調整(反落)相場となれば、ユーロ円は21日線を下方ブレイクしよう。
今週、ドル円の反落要因として注目したいのが、こちらのIG為替レポートで取り上げた米国の雇用関連指標である。
今日現在、162.86レベルで推移している21日線をユーロ円が下方ブレイクする場合、次の焦点は50日線のトライとなろう。この移動平均線は今日現在、161.88レベルで推移している。
162.00レベルがサポート転換に失敗する場合は、50日線をトライするシグナルと想定しておきたい。
昨年12月の安値を起点とした短期サポートラインが現在、50日線と並んで推移している。この短期サポートラインは、現在の上昇トレンドを象徴している。ゆえに50日線の攻防は、ユーロ円が上昇トレンドを維持できるかどうか?を見極めるための攻防と意識しておきたい。
ユーロ円のチャート:日足23年11月以降
反発の局面では3つのレジスタンスポイントの攻防が焦点に
一方、ドル円(USD/JPY)が152円を目指す局面では、ユーロ円(EUR/JPY)の反発相場を想定しておきたい。
今週、ユーロ円が反発する局面で注目しておきたい水準が3つある。これらはいずれも、レジスタンスポイントへ転換する可能性のある水準である。
ひとつめの水準は、163.50レベルである。週明けの市場では、この水準の手前で反発が止められる状況にある。
ふたつめの水準は、163.90レベルである。すぐ下の水準163.84レベルは、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%にあたる。レジスタンスの水準へ転換する可能性があり、かつ164.00手前の水準であることも考えるならば、163.90レベルで相場の反発が止められる展開を想定しておきたい。
最後の水準は、164.50レベルである。同じくこのチャートポイントも、レジスタンスの水準へ転換する可能性がある。そしてすぐ下の164.42レベルは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。164円ミドルの上方ブレイクは、165.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
だが、ドル円が152円をトライする過程では、米ドル高の圧力が高まっている可能性が高い。ゆえにユーロドル(EUR/USD)の下落がユーロ円の上昇圧力を相殺する展開が予想される。現時点では164.50レベルまでの反発を想定しておきたい。
分足や時間足のストキャスティクスとRSIでトレンドを追い、これらオシレーター指標が買われ過ぎの水準付近まで上昇し、かつデッドクロスの状況が確認される局面で、ユーロ円が上の各レジスタンス水準をトライする場合は、ユーロ円の反落を警戒したい。
ユーロ円のチャート:1時間足3月13日
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