FRBの追加利上げが意識される状況に / 今日のドル円の展望について
連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げの可能性が意識されている。米債市場では利回りの反発が続き、外為市場では根強い米ドル買いが続いている。今日の注目材料は?米ドル相場(ドルインデックス)とドル円の展望は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・追加利上げの可能性が意識され反発基調を維持する米金利
・米金利の動向にサポートされ外為市場では根強い米ドル買いが続く
・ドルインデックスは21日MAのブレイクと103.00レベルのトライが焦点に
・ドル円、今日の見通しとテクニカル分析について
反発基調を維持する米金利
19日の外為市場では、米ドル買い優勢の展開となった。米ドル相場のトレンド示すドルインデックス(DXY)は、21日MA(102.14レベル)を一時ブレイクする局面が見られた。
米ドル相場のサポート要因となっているのが米金利の反発基調である。金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは昨日、4.28%まで上昇する局面が見られた。また、5年債利回りおよび10年債利回りも小幅に上昇し反発基調を維持している。
米金利のチャート
揺れる米利上げ政策の思惑
CMEのFedWatchツールで連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ確率の動向を確認すると、次回の連邦公開市場委員会(FOMC、5月2~3日開催)での0.25%利上げについては80%以上の確率で織り込まれている。
よって各市場参加者の関心は、6月会合の動向に向いている。現時点では、5月の利上げを最後に政策金利が5.00~5.25%で据え置かれる予想が大勢となっている。
だが、追加の0.25%利上げの確率が20%台までジワリと上昇してきた。レポート執筆時点の予想確率は、30%付近まで上昇している。
また、短期金融市場(OIS市場)の織り込み度合いを確認すると、金融システム不安が強く意識された状況では、6月もしくは今夏の利下げが織り込まれていた。
しかし現在では、今秋の利下げを織り込む状況にある。
FOMCの利上げ確率
経済指標とFRB要人の言動
今日は4月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数と3月の景気先行総合指数が発表される。インフレ懸念が完全に後退していない状況で景気の先行きを見極める上で重要なこれら経済指標が総じて強い内容となれば、6月会合での追加利上げの思惑を高める要因になり得る。ゆえに強い経済指標は、米金利の上昇要因となろう。
米金利の上昇は、米国株の下落要因でもある。米金利の上昇と米国株の下落が同時に発生する場合、現在の外為市場では米ドル買いの圧力が最も高まりやすい。
強い経済指標に米金利が上昇で反応する場合、ドルインデックス(DXY)は21日MA(102.14レベル)を完全に上方ブレイクし、“レジスタンスの転換” が確認されている103.00レベルを視野に上昇幅の拡大が予想される。
また、本日はウォラーFRB理事、メスター・クリーブランド地区連銀総裁、ボスティック・アトランタ地区連銀総裁らFRB要人の講演等が相次ぐ。
どの要人の言動が市場で材料視されるか?は、それらの内容次第となろう。追加利上げの思惑がジワリと高まり、かつ米金利が反発基調を維持する状況にあることも考えるならば、より注視すべきはタカ派の発言がある場合の米金利の反応である。タカ派の言動に米金利が上昇で反応すれば、米ドル買いがさらに進行するだろう。
ドルインデックスのチャート
ドル円の見通しとテクニカル分析
焦点は134.75と135.00のサポート転換
上で述べた米金利の反発基調にサポートされ、ドル円(USDJPY)は昨日、高値135.13レベルまで上昇する局面が見られた。
今日のドル円は、引き続き3月高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準134.75レベル、および3月の中旬に ”レジスタンスの転換” が確認された135.00レベルの突破が焦点となろう。
上昇局面でより注目したいのが、上で述べたレジスタンスポイントを突破した後の動きである。調整の反落局面で134.75もしくは135.00の各水準がサポートポイントとして意識される場合は、ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。この展開が確認される場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準135.96レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。
一方、上で述べた水準がサポート転換に失敗する場合は、3月高安の半値戻し133.77(133.80レベル)の "サポートの転換" が焦点となろう。今月17日以降の動きと10日MAがすぐ下の水準(今日現在133.66レベル)まで上昇している状況を考えるならば、133.80レベルが新たなサポートとして意識される可能性があろう。
ドル円のチャート
135.00のレジスタンス転換
今日の米債市場とドル円(USDJPY)は、上で述べた経済指標の内容とFRB要人の言動でトレンドが左右されることが予想される。
強い米経済指標が相次いで確認される場合は、「米金利の上昇→ドル円の135円台上昇」を想定しておきたい。FRB要人から金融政策についてのタカ派的な言動が確認され、これに米金利が上昇で反応する場合もドル円の135円台上昇を想定しておきたい。
一方、上で述べた売買材料(経済指標とFRB要人の言動)が米金利の低下要因となる場合は、ドル円の反落を想定しておきたい。
ドル円の反落局面で注目すべきは、135.00レベルの "レジスタンス転換" である。すでに3月中旬にこの状況が確認されいる。同じ状況が発生すれば、135.00レベルが新たなレジスタンスの水準として意識される可能性が出てくる。このケースでは、上で述べた半値戻しの水準133.80レベルおよび10日MAで相場がサポートされるかどうか?この点が焦点となろう。
なお、リスクリバーサルの動向を確認すると、再びドルプットへ傾くムードが見られる(下のチャート青ラインを参照)。2月の中旬から下旬にかけても同じ状況が見られた。そして3月上旬に発生した金融システム不安を受けてドル円は下落した。直近は実際のトレンドとかい離しているが、リスクリバーサルでドルプットの傾きがさらに進行する場合は、ドル円の反落を警戒したい。
ドル円とリスクリバーサルのチャート
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