ユーロ円はさらなる上値トライを意識する状況に / 次のレジスタンスの水準は?
欧州中央銀行(ECB)理事会を前に、ユーロ円は短期のレジスタンスラインと151.00レベルを突破してきた。日米の株高加速や日欧中銀の政策スタンスの差が意識されやすい状況にあることを考えるならば、ユーロ円は調整の反落を挟みながら、さらなる上値トライを想定しておきたい。今後注目しておきたい上値の水準は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今日のドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・ECB理事会を前にユーロ円は重要なテクニカル(チャート)ポイントを突破してきた
・日米の株高に連動し1ヶ月のリスクリバーサルはユーロ・コールへ転じるムードにある
・ユーロ円が5月2日の高値151.61レベルを突破する場合、次のレジスタンス候補は?
焦点は151.61の突破
昨日のIG為替レポートで取り上げたユーロ円(EURJPY)は短期のレジスタンスラインのみならず、レジスタンスポイントの151.00レベルをも完全に突破した。
10日MAと21日MAに支えられてのブレイクアウトであること、そしてMACDでゴールデンクロスの兆しが見えていることも考えるならば、目先の焦点は、5月2日の高値151.61レベルのトライおよびブレイクアウトとなろう。
ユーロ円のチャート:日足
151.61突破後の焦点は?
通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月/3ヶ月)の動向を確認すると、ユーロ・プットの動きが後退し続け、1ヶ月のそれはついにユーロ・コールへ転じるムードにある(下チャートの緑ゾーンを参照)。
3月下旬以降に発生した日米の株高トレンドに連動しユーロ・プットの動きが後退している状況で、日米欧の中銀イベントがさらなる円安を促す要因となれば、ユーロ円(EURJPY)は上で述べた151.61レベルをブレイクアウトすることが予想される。
ユーロ円とリスクリバーサルのチャート
実際にユーロ円(EURJPY)が151.61レベル以上の攻防へシフトする場合、目先の焦点は152.07レベルの突となろう。
ユーロ円の月足チャートでトレンドを確認すると、152.07レベルは2008年7月の高値169.97レベルと2012年7月安値94.12レベルの76.4%水準にあたる。
2006年12月から2008年3月までのトレンドを確認すると、リトレースメント76.4%の水準(152.07)を下方ブレイクした後に買い戻されるトレンドパターンが見られる。
直近の高値は151.61レベル。2006年から2008年同時の状況を152.07レベルが相場をサポートしたと想定すると、ユーロ円が151.61レベルをブレイクアウトする場合は、152.07レベルの ”レジスタンス転換” を確認する局面にある。
一方、ユーロ円が152.07レベルをも難なく突破し152円台へしっかりと上昇してくる場合は、さらなる上値トライを想定しておきたい。
このケースでは、フィボナッチ・エクステンション161.8%の水準159.67レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。
ユーロ円のチャート:月足
反落局面での焦点は?
151.00レベルのサポート転換
14日の連邦公開市場委員会(FOMC)が米ドル買いのイベントとなれば、ユーロドル(EURUSD)の下落を受け、ユーロ円は反落することが予想される。
だが、現在の状況(日米株高 / 日欧中銀の政策スタンスの差)を考えるならば、ユーロ円の上値トライを意識する状況が続くだろう。ゆえに、ユーロ円の反落局面ではその幅が限定的となることが予想される。
ユーロ円の反落局面でまず注目したいのが、151.00レベルの “サポート転換” である。今日の東京時間はこの点を確認する状況にある。
151.00レベルのサポート転換が確認される場合は、ユーロ円が151.61レベル以上の水準を目指す展開を予想する。
2つの移動平均線の維持
一方、ユーロ円が151.00レベルを難なく下方ブレイクする場合は、サポートラインとして意識されている10日MA(今日現在149.97レベル)と21日MA(今日現在149.82レベル)の維持に成功するかどうか?この点を確認したい。
ユーロ円が上2つの移動平均線を下方ブレイクしても、5月11日の安値146.13レベルを起点とした短期サポートラインを維持する限り、ユーロ円の上値トライを意識する局面が続くと予想する。
短期サポートラインのブレイクはトレンド転換のシグナルに
短期的にユーロ円は上値トライを意識する状況にある。
しかし、植田日銀の政策転換や株高の調整が予想される中期スパンでは、ユーロ円のトレンド転換を常に想定しておきたい。
ユーロ円の下落幅が拡大し短期サポートラインを下方ブレイクする場合は、トレンド転換のシグナルになり得る。
このケースでは、直近高安の半値戻し148.60レベルを視野に下落幅が拡大する可能性が出てくる。この水準は今年の5月以降、サポートポイントとして意識されている。
ユーロ円のチャート:日足
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