ユーロドルの見通しとチャートポイント
欧州中央銀行(ECB)の追加利上げに対する期待が徐々に後退している。このタイミングで、26日に連邦公開市場委員会(FOMC)、27日に欧州中央銀行(ECB)理事会を迎える。ユーロドルの展望は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・ユーロドルは節目の1.10を視野に下落トレンドを形成している
・米欧中銀イベントの動向次第で上下どちらにも振れる展開が予想される
・ECBの追加利上げ期待が後退、1.10ブレイクなら下落幅の拡大を警戒
・一方、反発の局面では1.1150レベルのトライおよびブレイクが焦点に
・ユーロドルのチャートポイントについて
下落局面でのチャートポイント
まずは1.10の攻防が焦点に
米欧中銀イベントを前に、ユーロドル(EUR/USD)は下落トレンドを形成している。昨日は、安値1.1020レベルまで下落する局面が見られた。
目先の焦点は、節目の1.10をトライそして下方ブレイクするかどうか?この点にある。
ユーロドルを大きく動かす材料として、今日の海外時間では7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の動向が注目される。
今回の焦点は、連邦準備制度理事会(FRB)を率いるパウエル議長が定例会見で、インフレと金融政策の動向についてどのような見解を示すのか?この点にある。
ユーロドルが下落トレンドの最中にあるタイミングで、パウエルFRB議長がインフレの根強さと、そのリスクが再燃することを完全に阻止するために追加利上げの可能性をあらためて主張する場合、ユーロドルは1.10の水準を下方ブレイクすることが予想される。
ユーロドルが1.10以下の攻防へシフトすることは、このレベルがサポートの転換に失敗したことを意味する。
同時に、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準(下チャートの緑ライン参照)を下方ブレイクするすることにもなる。
ゆえに、ユーロドルのさらなる下落を警戒する必要がある。
ユーロドルのチャート:日足
後退する追加利上げの思惑
今週27日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。すでに0.25%の利上げは織り込まれている。よって、今回の焦点は追加利上げの可能性を探ることにある。
短期金融市場が織り込む9月理事会での利上げ確率を確認すると、50%を下回っている。1週間前の利上げ確率は60%を超えていた。
さえない経済指標が確認された後に追加利上げの確率が低下している状況を考えるならば、域内の景気減速懸念がラガルドECBの利上げ政策の足かせになることを短期金融市場の参加者が意識する状況へ転じつつある。
短期金融市場が織り込む政策金利の推移
1.08台への下落を警戒しておきたい
今回の理事会が、市場参加者の追加利上げ期待をさらに後退させるイベントとなれば、ユーロドル(EUR/USD)の下落幅が拡大する展開を予想する。
このケースでは、1.09ミドル前後の攻防に注目したい。この水準を挟んで半値戻しの水準1.0955レベル(青ライン)とフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0938(緑ライン)が展開している。
ユーロドルが1.09ミドルを難なく下方ブレイクする場合は、1.08台への下落を予想する。
1.08台の攻防で注目すべきは、6月の下旬以降、何度か相場をサポートした1.0830-50ゾーンの維持である。
このゾーンの攻防では6月23日と30日、そして7月6日と3回連続で長い下ヒゲが示現し相場が反転した経緯がある。
ユーロドルのチャート:日足(再掲)
反発局面では1.1150レベルの突破が焦点に
焦点は1.1150レベルのトライ
一方、FOMCイベントが米ドル売りの要因となる場合やECBイベントがユーロドル(EUR/USD)の反発要因となる場合は、1.1150レベルの突破が焦点となろう。
この水準(1.1150レベル)は、直近高安の半値戻しにあたる(下チャートの緑ラインを参照)。テクニカルの面でも1.1150レベルは、レジスタンスの水準として意識されやすい状況にある。
1.11と短期レジスタンスラインの攻防
ユーロドル(EUR/USD)が1.1150レベルをトライするシグナルとして、目先はフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1.1081レベルを完全に突破できるかどうか?まずはこの点を確認したい。
ユーロドルがこれを達成する場合は、1.11台への上昇が次の焦点となろう。
FOMCが開催される時間帯に、短期レジスタンスラインが1.11レベルと交錯する。
FOMCが米ドル売りのイベントになり、1.11レベル(短期レジスタンスライン)を難なく上方ブレイクする場合は、1.1150レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:1時間足
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。