上昇幅が拡大するユーロ円、今後の見通しについて
欧州の景気懸念が後退している。日欧の金融政策スタンスの差も意識されユーロ円は2014年12月以来の高値水準へ上昇している。今後の見通しは?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ユーロドルの見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・良好な内容が続く欧州の経済指標、ドイツIFOは予想を上回り改善傾向を維持
・日欧の金融政策スタンスの差が意識され、ユーロ円の上昇ムードがさらに高まる
・ユーロ円、目先の焦点は148.40レベルの突破とこの水準のサポート転換
・ユーロ円の新たなレジスタンスポイントとして注目しておきたい水準
良好な経済指標が続く
24日の外為市場では、ユーロが米ドルや円などの主要通貨に対して上昇した。
4月のドイツIFO企業景況感指数は93.6と、3月の93.2から改善した。期待指数も92.2と前月から1.2ポイント改善し、昨年11月以降からの回復基調を維持している。
また、先週21日の4月購買担当者景気指数(PMI)速報値ではサービス業の回復が寄与し(55.0 → 56.6)、総合PMIが54.4と前月の53.7からさらに回復した。直近の経済指標ではユーロ圏の景気懸念を後退させる内容が続いている。
ドイツIFO企業景況感指数の推移
ユーロ円は14年12月9日以来の高値水準へ
強い経済指標が続いていることに加えて、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続期待もユーロ相場の下支え要因となっている。シュナーベルECB理事は米政治専門サイトのポリティコとのインタビューで、ユーロ圏のコアインフレ率がすぐにはピークを付けない可能性があること、データ次第で0.5%利上げの可能性が排除されない考えを述べた。
一方、植田日銀総裁は24日の衆院決算行政監視委員会第1分科会で、現在は物価の基調が2%を下回っているため金融緩和の継続方針を改めて示した。また、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の正常化の時期については「半年先や1年先、1年半先の物価見通しが2%前後になり、見通しの確度が高まっていると認識できるとき」との考えを示した。
植田総裁の就任会見以降(4月10日以降)、日欧の金融政策スタンスの差が意識され、ユーロ円(EURJPY)の上昇幅がさらに拡大している。昨日は、IG為替レポートで取り上げた重要レジスタンスの水準148.40(2022年10月21日高値)を一時突破し、2014年12月以来の水準まで上昇する局面が見られた(IG為替レートの高値148.476レベル)。
ユーロ相場の動向:4月24日
ユーロ円の見通しとテクニカル分析
どこまで上昇するのか?が焦点に
24日のIG為替レポートでは、ユーロ円(EURJPY)の反落相場について述べた。しかし、昨日のユーロ円は上で述べたとおり、2022年10月21日の高値148.40レベルを突破し、2014年12月9日の高値水準へ上昇する局面が見られた。10日MA(147.23レベル)でサポートされる状況が続き、かつ横ばい推移のムードが出ていたMACDは地合いの強さを示唆する状況が続いている。
一方、重要レジスタンスポイント148.40レベルを試す状況で、RSIでは短期的な相場の過熱感を示唆する状況にある。調整の反落相場を意識すべき局面にあるが、実際にそのような展開となっても、日欧の金融政策スタンスの差が意識されている状況やドル円(USDJPY)が3月高安の61.8%戻しの水準134.75および135.00レベルをトライする状況が続いていること、さらに日米欧の株式市場が堅調地合いを維持している状況も考えるならば、今のユーロ円の焦点はどこまで上昇するのか?この点にある。
ユーロ円のチャート
上下のチャートポイント
ユーロ円(EURJPY)が続伸する場合、目先の焦点は2つある。ひとつは148.40レベルを日足ローソク足の実体ベースで突破すること、もうひとつは148.40レベルの突破後にこの水準がサポートポイントへ転換することである。特に後者の状況が確認される場合は、相場の地合いの強さを示すシグナルとなる。ゆえに、ユーロ円のさらなる上昇期待が高まろう。
ユーロ円の上昇幅が拡大する場合は、2014年12月の高値149.78レベル(2014年12月12日に付けた高値)のトライおよびブレイクが目先の焦点となろう。この水準をも難なく突破する場合は、節目の150.00のトライを意識する展開を想定しておきたい。
ユーロ円が150円台の攻防へシフトする場合、テクニカルの面では2008年7月の高値169.97レベルと2012年7月の安値94.12レベルの76.4%戻しの水準152.07レベルのトライが焦点として浮上する可能性が出てくる。
ユーロ円のチャート
一方、ユーロ円の反落局面では、10日MA(147.23前後)を下限と想定し、この移動平均線を目指して下落幅が拡大するかどうか?この点をフィボナッチ・リトレースメントでの攻防で見極めたい(下の15分足を参照)。
目先は、23.6%戻しの水準148.00レベルの攻防が焦点となろう。レジスタンスからサポートへ転換の兆しがある147.85レベルでの攻防にも注目したい。この水準(147.85レベル)を下方ブレイクする場合は、38.2%戻しの水準147.67レベルのサポート転換が次の焦点となろう。
直近高安の半値戻し147.43レベルをも下方ブレイクする場合は、10日MAをトライする展開を想定しておきたい。
ユーロ円のチャート
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