さえない経済指標でユーロ売り / ユーロ円の焦点とチャートポイント
24日の外為市場は、さえない経済指標でユーロ安の展開となった。ユーロ円は158.00レベルが強固なレジスタンスの水準として意識されている。そして昨日は大陰線が示現した。重要イベントを控え不安定な状況にあるユーロ円の焦点は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・24日の外為市場はさえない経済指標でユーロ売りの展開となった
・158.00レベルが強固なレジスタンスとして意識されるユーロ円
・ユーロ円の下落幅が拡大する場合はダブルトップ形成を意識する状況に
・ユーロ円の下落局面では153.40-50レベルの攻防に注目したい
さえない経済指標でユーロ売り
さえない経済指標
24日の外為市場は、ユーロ売り優勢の展開となった。ユーロ売りの要因となったのが、さえない経済指標だった。
この日発表されたドイツとフランスの7月購買担当者景気指数(PMI)速報値は、いずれも予想以下の内容となった。
ユーロ圏全体では、これまで改善傾向にあったサービス業が3ヶ月連続で低下した(51.1)。そして総合指数は48.9と、景気判断の分かれ目となる50を2か月連続で下回り、8か月ぶりの低水準まで落ち込んだ。
ユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)の推移
総崩れのユーロ相場
7月の各種PMI速報値のさえない内容は、ユーロ圏経済の先行きリスクを外為市場の参加者に意識させた。この日のユーロ相場は、主要な通貨で下落する展開となった。
ユーロ相場の動向:7月24日
ユーロ円の焦点とチャートポイント
ダブルトップ形成の可能性
昨日のユーロは、日銀の政策修正に対する思惑が後退している日本円に対しても下落した(上のパフォーマンスチャートを参照)。
日足チャートでユーロ円(EUR/JPY)の直近のトレンドを確認すると、158.00レベルが強固なレジスタンスポイントとして意識されていることが分かる。昨日の大陰線示現により、このレベル(158.00前後)がレジスタンスの水準としてより鮮明となった。
そしてテクニカルの面では、ダブルトップを形成する可能性が浮上しつつある。
昨日の下落は21日MA(今日現在156.39レベル)で止められた。また今月の17日以降、21日EMA(今日現在155.80レベル)がサポートラインとして意識される状況にある。
日銀の政策修正に対する思惑が後退していること(日本株が再び上昇していること)、そして欧州中央銀行(ECB)がインフレ抑制のために利上げの姿勢を維持する可能性があることも考えるならば、昨日の下落は、さえない経済指標を受けた一過性の動きと考えることができる。
本日、上で述べた2つの21日線で相場がサポートされる場合はダブルトップ形成の可能性がひとまず後退し、158.00レベルを意識する状況が続くだろう。
ユーロ円のチャート:日足
153.40-50レベルの攻防
しかし、通貨オプション市場のリスクリバーサルの動きを確認すると、ユーロ円のそれは再びユーロプットへ傾くムードにある。
日米の中銀イベントを前にした株高の調整や27日のECBイベントがユーロ売りの要因(例えば追加の利上げ観測が後退することによるユーロ売り)となる場合は、ネックラインの153.40レベルを視野にユーロ円の下落幅が拡大する可能性がある(上の日足チャートを参照)。
153.40レベルのすぐ上の水準153.50レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(上の日足チャートを参照)。
6月下旬以降、何度か相場をサポートした経緯のあるフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準155.24レベルの下方ブレイクは、153.40ー50ゾーンをトライするシグナルと想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。
そしてユーロ円がこのゾーンを視野に下落する場合は、ダブルトップ形成の可能性を意識したい。
一方、ユーロ円が21日線やフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準(155.24レベル)で反発する場合は、上で述べたとおり158.00レベルを意識する状況が続くだろう。
ユーロ円が158.00レベルを突破する場合は、調整の反落局面でこの水準がレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点を確認したい。
ユーロ円とリスクリバーサルのチャート
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