ユーロドル (EURUSD):今日の見通しとチャートポイント
ユーロドルは米独の長期債利回りの動向に影響を受けている。現在の米独長期金利は、経済指標で上下に振れる展開が予想される。よって、ユーロドルも経済指標にらみの展開が予想される。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ドル円の見通しとテクニカル分析についてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・ユーロドルは米独長期金利の動きに影響を受けている
・その米独利回りは現在、経済指標にらみの状況にある
・今日は8月の米ADP雇用統計とドイツCPIが材料視される可能性があろう
・短期的な反発ムードにあるユーロドルは、21日MAの攻防が焦点となろう
・しかし米独経済指標の内容次第では、反落相場を警戒したい
高まる反発のムード
ユーロドル(EUR/USD)は昨日、「さえない米経済指標→米金利の低下→米独利回り格差の縮小」にサポートされ、10日MA(今日現在1.0850前後)を大陽線で上方ブレイクした。
先週25日の下ヒゲ示現で新たに形成されたサポートラインを維持したこと、そしてフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準(1.0786レベル)がサポートポイントとして意識されている状況も考えるならば、短期的な反発のムードが高まっている。
ユーロドルが続伸する場合、次の焦点は21日MA(今日現在1.0902前後)の攻防となろう。先月28日以降、ユーロドルはこの移動平均線を突破できずにいる。また、今月10日の上昇を止め、日足ローソク足で長い上ヒゲが示現した経緯がある。
ユーロドルのチャート:日足 23年3月以降
ユーロドルと米独の利回りの動向
今は反発のムードにあるユーロドル(EUR/USD)だが、そのトレンドは引き続き米経済指標の内容に左右されるだろう。ユーロドルは、米独の長期金利の動き(格差)に影響を受けやすいからだ。その米独の長期金利は現在、経済指標にらみの状況にある。
ユーロドルと米独長期金利の格差の動きを下のラインチャートで確認すると、米独利回り格差が縮小する局面でユーロドルが上昇していることが分かる(下チャートの紫ゾーンを参照)。
ユーロドルと米独長期債利回り格差のチャート:日足 年初来
トレンドは米独の経済指標次第
8月の米ADP雇用統計
現在の米独利回りは経済指標にらみの状況にある。今日は8月の米ADP雇用統計が発表される。昨日の7月雇用動態調査(JOLTS)に続き労働市場の軟化が確認される場合は、「追加利上げ観測の後退→米金利の低下→米独利回り格差の縮小→ユーロドルの続伸」が予想される。
このケースでは、上で述べた21日MAのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。ユーロドルがこの移動平均線(21日MA)を突破する場合は、今月22日の高値1.0930レベルのトライが次の焦点となろう(上の日足テクニカルチャートを参照)。
8月のドイツ消費者物価指数
今日は8月のドイツ消費者物価指数(CPI)が発表される。EU基準のCPIは前月の6.5%から6.3%へ低下する見通しである。一方、国内基準のCPIも同比で6.0%と、前月の6.2%から低下する見通しとなっている。
ドイツのインフレ率低下は欧州中央銀行(ECB)による追加利上げの観測を後退させると同時に、同国経済の減速リスクも市場参加者に意識させる要因になり得る。ゆえに同国のインフレ率が予想どおりかそれ以上に低下する場合は、ユーロ売りの要因になり得る。
ドイツのインフレ率低下に加えて、米ADP雇用統計でアメリカ労働市場の堅調な状況が確認される場合は、ユーロドルの下落幅が拡大することが予想される。
ドイツ消費者物価指数の推移
反落局面でのチャートポイント
米独の経済指標を受けてユーロドル(EUR/USD)が再び下値をトライする場合は、短期サポートラインの攻防となるかどうか?この点が焦点となろう。このラインは今日現在、1.0775 レベルで推移している(一番上の日足テクニカルチャートを参照)。
ユーロドルがこのラインをトライするシグナルとして、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい(下の15分足チャートを参照)。
1.0860レベルは、サポートポイントとして意識されるムードがある。本レポートを掲載した時点では、すぐ上の水準1.0865レベルのリトレースメント23.6%の水準が、サポートポイントとして意識されている。
一方、1.0840レベルでは、レジスタンスからサポートへ転換するムードが出ている。すぐ下は半値戻しの水準(1.0836レベル)である。ユーロドルの反落局面では、これらの2つの水準付近での攻防をより注目しておきたい。
本レポート掲載時点で15分足のRSIは、低下のトレンドにある。他のオシレーター系指標の動向も確認しながら、上で述べたサポートポイントをトライするタイミングでRSIが売られ過ぎの水準にある場合は、短期的な反発相場(ユーロの買戻し/米ドル売り)を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:15分足 8月29日以降
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