【ユーロドル (EURUSD)】今日の見通しとチャートポイント
米債市場では、利回りが上昇基調を維持している。国際商品市況では、中東情勢の緊迫化を受け原油先物価格が底堅さを維持している。これら市場の動きは、ユーロドル(EURUSD)の下落要因となろう。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・複数の要因が重なり、米長期金利は2007年7月以来の高水準へと上昇した
・米金融引き締め長期化の観測で、2年債利回りは連日5.2%台へ上昇した
・中東情勢の緊迫化はユーロ売りの要因に、ユーロドルは下値トライを警戒
・ユーロドル、今日の見通しとチャートポイントについて
米長期金利が2007年7月以来の高水準へ上昇
9月の小売売上高は、アメリカの個人消費の底堅さを示した。堅調な個人消費は、アメリカ景気の底堅さを支える土台である。
経済指標で景気の底堅さが確認されたことで、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策の長期化観測が高まっている。また、中東情勢の緊迫化を受けた原油先物価格も上昇基調にあり、この日の10年債利回り(長期金利)は、2007年7月以来となる4.92%台まで上昇する局面が見られた。
上で述べた金融引き締め政策の長期化観測が意識されていることは、2年債利回りの動きが示唆している。2年債利回りは連日、5.2%台の水準へ到達する状況にある。
米金利の上昇を受け、この日の主要な米株価指数は大幅下落で終えた。
米金利の上昇と米株安が同時に発生したことで、この日の外為市場は米ドル高優勢の展開となった。
米金利のチャート:日足 2005年以降
ユーロドル、今日の見通しとチャートポイント
中東情勢にらみの状況に
IG為替レポートでは、今夏以降の「ユーロ安と原油高」について取り上げている。
パレスチナ自治区ガザの病院の爆発、そして中東を訪問したバイデン米大統領とアラブ諸国首脳らとの会談が延期されたことを受け、中東情勢が再び緊迫している。
中東リスクが意識され、原油先物価格は上昇基調にある。原油高が進行すれば米金利の高止まり、そして上昇の要因となろう。
また、原油高の進行は、エネルギー問題に直面している欧州経済の下押し要因でもある。この点は、米欧の景況感格差を外為市場の参加者に意識させるだろう。
ゆえに中東情勢の緊迫化は、ユーロ売りの要因として意識しておきたい。
ユーロドルと原油先物価格のチャート:日足 年初来
下値トライを警戒
直近のユーロドル(EUR/USD)は反発を挟みながら、下落基調を象徴するトレンドチャネルの上限で戻りが止められる状況にある。
今日の米経済指標、特に新規失業保険申請件数が労働市場の底堅さを示す場合は米金利の高まり、またはさらなる上昇が予想される。パウエルFRB議長の発言も米金利の上昇要因となる可能性がある。今日のユーロドルは、下値トライを意識したい。
注目のチャートポイント
ユーロドル(EUR/USD)が下値をトライする場合、目先の焦点は1.05レベルの攻防となろう。
ユーロドルがこの水準(1.05レベル)を一気に下方ブレイクする場合は、1.04ミドルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。また、1.05ブレイク後にユーロドルが反発する場合は、この水準(1.05前後)が相場の上昇を止めるかどうか?この点も確認したい。
一方、ユーロドルが1.05台を維持して反発する場合は、トレンドチャネルの上限の突破が最初の焦点となろう。このラインは今日現在、1.0570レベルで推移している。21日線(今日現在1.0557レベル)の上方ブレイクは、トレンドチャネルの上限をトライするシグナルと想定しておきたい。
しかし、ユーロドルがトレンドチャネルの上限を突破しても、上値の水準として意識されるムードが出始めている1.06レベル、そしてレジスタンスへの転換が想定される1.0635レベルでの反落を警戒したい。
ユーロドルのチャート:日足
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