【ユーロドル (EURUSD)】今週の展望と注目のチャートポイント
今週のユーロドル(EURUSD)の焦点は、ドル円(USDJPY)と同じく新たなサポート水準の見極めとなろう。今週のユーロドルは、アメリカの雇用関連指標で上下に振れる展開が予想される。注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週のドル円の展望については、こちらのレポートをご覧ください。
サマリー
・ドル円と同じく、今週のユーロドルの焦点も新たなサポート水準の見極めにある
・今週のユーロドルの動向は、米雇用関連指標の内容に左右されるだろう
・ユーロドルが下値をトライする場合は、サポートゾーンの維持が焦点となろう
・ユーロドルの反発局面では、1.10と1.1050レベルのトライに注目したい
・直近はユーロ売り優勢のムードにあることに注目しておきたい
今週の焦点は新たなサポート水準の見極め
上で述べたとおり、ドル円(USD/JPY)の焦点は、新たなサポート水準の見極めにある。
そしてユーロドル(EUR/USD)も、今週はこの点が焦点となろう。
今週のユーロドルのトレンドは、こちらのIG為替レポートで取り上げたアメリカ雇用関連の経済指標に左右されることが予想される。
日足チャートで直近のユーロドルのトレンドを確認すると、先週1日の下落局面では、21日線(今日現在1.0848レベル)がサポートラインとして意識された。しかも長い下ヒゲが示現しての反発となった。
先月の中旬以降、21日線のすぐ下の水準1.0830前後で相場がサポートされる状況が見られる。また、200日線が1.0820手前で推移している状況も考えるならば、今週、ユーロドルが下値をトライする局面では、1.0820-50ゾーンの攻防に注目したい。
ユーロドルがこのゾーンでサポートされる状況が続く場合は、新たな下値の水準となる可能性が高まろう。
ユーロドルのチャート:日足 23年6月以降
反発の局面では1.10の突破と1.1050のトライが焦点に
短期的な相場の過熱感を示していた日足のストキャスティクスだが、現在は売られ過ぎの水準付近まで低下している。
この状況を考えるならば、上で述べたサポートの水準でユーロドル(EUR/USD)が反発する可能性がある。サポート水準をトライすることなく、反発する展開も予想される。
今週の雇用関連指標でアメリカの雇用市場が軟化の傾向にあることが確認される場合は、「米長期金利のさらなる低下→米ドル安の進行」にサポートされ、ユーロドルは反発することが予想される。
このケースでは、レジスタンスの水準として意識され始めている1.10レベルの攻防が焦点となろう(上の日足チャート、黒矢印を参照)。
ユーロドルが1.10台へしっかりと上昇する場合は、7月下旬から8月上旬にかけて相場の反発を止めた経緯のある1.1050レベルのトライが次の焦点として浮上しよう(上の日足チャート、赤ラインを参照)。
ユーロドルが1.10台を目指すシグナルとして、以下の1時間足にプロットした2つの水準-1.0910レベルと1.0950-60ゾーンの攻防に注目したい。
前者は、レジスタンスの水準へ転換する可能性がある。後者は、レジスタンスゾーンとして意識される可能性がある。
ユーロドルのチャート:1時間足 11月28日以降
直近の外為市場はユーロ売り優勢のムードに
なお、ユーロドル(EUR/USD)のトレンドだけを追っていると、ユーロ買いの圧力が高まっているように見える。
しかし、10月の消費者物価指数(CPI)でアメリカ国内のインフレが鈍化の傾向にあることが確認されたことで米ドル安が進行し始めた先月14日以降の状況を確認すると、対主要国の通貨でのユーロ相場のパフォーマンスにはバラつきが見られる。
そして直近の状況を確認すると、むしろユーロ売り優勢の状況が見られる。さらに、先月30日に発表された11月の消費者物価指数(HICP)でユーロ圏のインフレが鈍化の傾向にあることが確認されたことで、ユーロ売りのムードが高まる状況にある。
こちらのIG為替レポートで指摘したとおり、米債市場では長期ゾーンの利回りが低下の基調へ転じている。ゆえに短期スパンで米独の長期金利格差は、縮小の傾向を辿る可能性がある。
米独利回り格差の縮小は、ユーロドルのサポート要因である。ゆえに、目先のユーロドルは、上で述べたレジスタンスの水準-1.10レベルそして1.1050レベルをトライする展開が予想される。
しかし、中長期のスパンでは、米長期ゾーン利回りのサポート水準が決まってくるだろう。この局面で、ユーロドルは米欧の景況感格差がメインテーマとして浮上することが予想される。
景況感の勝負では、現時点で米国に分がある。ゆえに「米長期ゾーン利回りのサポート水準が明確になる → ユーロドルの新たな上値水準が明確になる」場合は、ユーロドルのトレンド転換を意識したい。
ユーロ相場の動向:11月14日以降
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