【ユーロドル (EUR/USD)】今週の見通しとチャートポイント
米ドル安にサポートされ、ユーロドル(EUR/USD)は次第に上値をトライするムードが高まっている。ユーロドルの上昇幅がさらに拡大するのかどうか?この点を考えるうえで、目先は2つのことに注目しておきたい。詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・来年早々の利下げ観測を受け、外為市場ではユーロ安優勢の状況にある
・しかしユーロドルは、米ドル安にサポートされ上値をトライする状況にある
・ユーロドルの反落局面では、1.10レベルの “サポート転換” が焦点となろう
・ユーロドルの上昇局面では、1.1080レベルの攻防に注目したい
外為市場はユーロ安優勢の状況に
短期金融市場では現在、欧州中央銀行(ECB)が来年の3月にも利下げ政策へ転換する可能性を意識する状況にある。
この利下げ観測は、ユーロ相場の重石となっている。この点について月初来のユーロ相場の動向で確認すると、総じてユーロ安優勢の状況にあることが分かる。
しかし、一部の通貨ではユーロが上昇している。その一つが米ドルである。
ゆえに直近のユーロドル(EUR/USD)の上昇は、米ドル安が軸となっていることが分かる。
ユーロ相場の動向:月初来
焦点は新たな上値水準の見極め
上で述べたとおり、ユーロドル(EUR/USD)は現在、米ドル安の進行にサポートされ、上値をトライするムードにある。長短の移動平均線がゴールデンクロスの状況にあることも、ユーロドルが強気の地合いに転じていることを示唆している。ゆえに目先のユーロドルは、新たな上値の水準の見極めが焦点となろう。
ユーロドルがさらに上値をトライするのかどうか?この点を考えるうえで、目先は2つの点に注目したい。
1.10レベルの “サポート転換” と1.1080レベルのトライ
ひとつめの注目ポイントは、1.10レベルの “サポート転換” である。
11月の下旬以降、1.10前後はレジスタンスの水準として意識されてきた。しかし、今月21日に日足ローソク足の実体ベースでこの水準を上方ブレイクして以降、反落の局面で相場を下支えする状況が見られる(下の日足チャート、右の赤矢印を参照)。
1.10レベルがレジスタンスからサポートの水準へ転換する場合は、ユーロドルの地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
もうひとつ注目しておきたいのが、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1080レベルのトライおよびブレイクである。ユーロドルがこの水準(1.1080レベル)を完全に突破する場合は、テクニカルの面でさらなる上値トライのシグナルが点灯することになる。
7月の下旬から8月の上旬にかけて相場の戻りを止めた1.1050レベルを完全に上方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1080レベルを目指すシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:日足 23年7月以降
短期的な相場の過熱感が意識されやすい状況に
現在のユーロドル(EUR/USD)の焦点は、上値トライにある。
しかし、日足のストキャスティクスは、短期的な相場の過熱感(買われ過ぎ)を示唆する状況にある。短期間で上昇幅が拡大している状況を考えるならば、上で述べたレジスタンスの水準(1.1050レベル / 1.1080レベル)では反落相場を警戒しておきたい。
ユーロドルの反落局面では、1.10レベルの “サポート転換” の見極めが焦点となろう。
1.10レベルが ”サポート転換“ に失敗する場合は、10日線を視野に調整相場(反落)の進行を想定しておきたい。この移動平均線は今日現在、1.0964レベルで推移している(上の日足チャート、青ラインを参照)。
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