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【ユーロドル (EURUSD)】今週の見通しと注目のチャートポイント

欧州中央銀行(ECB)は14日、今年最後の理事会を開催する。今回の焦点は、最新のインフレ見通しとラガルド総裁の言動にあろう。ひとまず下落が一服しているユーロドル(EURUSD)だが、上値は重く下値トライを意識する状況が続いている。今週、注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・今週のユーロドルの変動要因は、欧州中央銀行(ECB)理事会となろう
・ECBイベントがユーロ買いの要因となっても、その幅は限定的となることが予想される
・ユーロドルの反発局面では、200日線と10日線の攻防に注目したい
・ユーロドルの下落局面では、1.07台の維持が焦点となろう


鈍化傾向のインフレ率

欧州中央銀行(ECB)は14日、今年最後の理事会を開く。

ユーロ圏のインフレは鈍化の傾向にある。ラガルドECBは情勢次第での利上げの可能性を残してはいるが、景気の先行きリスクを重視し、政策金利を現在の高水準で長い間維持することで2%の物価目標の達成につながるかどうか?を見極める姿勢へ転換している。

ユーロ圏 消費者物価指数(HICP)の動向:月次 22年11月以降

ユーロ圏 消費者物価指数(HICP)の動向:月次 22年11月以降 ブルームバーグのデータで作成 / 前年同月比

ユーロドルの反発要因と上値の焦点

短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)による利上げサイクルの終了が完全に織り込まれている。そして3月利下げの確率が50%前後で推移している。

しかし、こちらのIG為替レポートで指摘したとおり、短期金融市場で織り込まれている現在の早期利下げ観測は行き過ぎの感がある。

直近のキーマン達の言動も考えるならば、ラガルドECBが利上げサイクルを終了させた後すぐに、利下げ政策へ転換する可能性は現時点では低い。

よって、ラガルド総裁が記者会見で早期の利下げを強く否定する場合は、はやる市場の利下げ期待が後退することで、短期的なユーロ買いの要因となる可能性がある。

ユーロドル(EUR/USD)のストキャスティクス(日足)は現在、売られ過ぎの水準から反発のムードにある(下のチャート、赤矢印を参照)。このタイミングでラガルド総裁の言動がユーロ買いの要因となれば、ユーロドルの反発相場を想定しておきたい。

ユーロドルが反発する局面で最初に注目したいのが、200日線の攻防である。この移動平均線は今日現在、1.0822レベルで推移している。1.08レベルが相場の反発を止めている経緯も考えるならば、1.0800-20レベルをレジスタンスゾーンと想定しておきたい。

このレジスタンスゾーンをユーロドルが完全に突破する場合、次の焦点は10日線の攻防となろう。この移動平均線は今日現在、1.0844レベルまで低下している。

ユーロドルのチャート:日足 23年6月以降

ユーロドルのチャート:日足 23年6月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

レジスタンスゾーンを突破する場合の焦点は?

なお、直近のユーロドル(EUR/USD)のトレンドを4時間チャートで確認すると、200日線が推移している1.0820レベルがサポートからレジスタンスの水準へ転換する可能性が示唆されている。

すぐ上の1.0835レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。そして、このテクニカルポイントのすぐ上には10日線が低下しつつある。

先週5日以降、これらテクニカルポイントがレジスタンスゾーンとして相場の反発を止めた経緯があることも考えるならば、200日線と10日線の攻防ではユーロドルの反落を警戒しておきたい(下のチャート、紫ゾーンを参照)。

一方、ユーロドルがこのレジスタンスゾーンの突破に成功する場合は、新たな上値の水準を探ることが焦点となろう。

このケースでは、現在レジスタンスの水準として意識されている1.10レベルのトライが焦点となろう(上の日足チャートを参照)。

ユーロドルが1.10レベルをトライするシグナルとして、4時間足にプロットした半値戻しの水準およびフィボナッチ・リトレースメントの各水準(61.8%と76.4%)での攻防に注目したい。

ユーロドルのチャート:4時間足 11月28日以降

ユーロドルのチャート:4時間足 11月28日以降 TradingViewが提供するチャートで作成

ユーロドルの下落要因と下値の焦点

欧州中央銀行(ECB)は最新の経済予想を公表する。この点について9月時点では24年が3.2%、25年が2.1%と予想されている。そして最新の予想では、26年の見通しが加わる。

上で述べたとおり、ユーロ圏のインフレは鈍化の傾向にある。この状況で24年と25年の見通しが下方修正され、26年もインフレの鈍化が進む予想が示される場合は、ラガルドECB総裁が早期の利下げを否定しそれがユーロドル(EUR/USD)の反発要因となっても、その動きは短期で終息する展開-例えば、上で述べた2つの移動平均線やレジスタンスゾーンでユーロドルが反落する展開が予想される。

日足のMACDは地合いの弱さを示唆するトレンドにある。この点も、ユーロドルの反発局面では、その動きが短期で終息する可能性を示唆している。

ECBイベントや今週の米国イベントの内容を受け、ユーロドルが下値をトライする場合は、10月3日の安値と11月29日の高値の半値戻しの水準1.0733レベルを日足ローソク足の実体ベースで下方ブレイクするかどうか?まずはこの点が焦点となろう。

ユーロドルが1.0733レベルを完全に下方ブレイクすれば、1.07の維持が次の焦点として浮上しよう。

今日現在、1.0710手前まで50日線が上昇している。この移動平均線の下方ブレイクは、ユーロドルが1.07を完全に下方ブレイクするシグナルになり得る。

ユーロドルのチャート:日足 23年10月以降

ユーロドルのチャート:日足 23年10月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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