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ドル円の見通しとテクニカル分析

ドル円は現在、10日MAと21日MAの間で売り買いが交錯している。今日は1-3月期のGDPが発表される。ドル円の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※ユーロ相場とユーロ円の展望についてはこちらのレポートをご覧ください


下値トライを警戒する局面にある

ドル円(USDJPY)は昨日、21日MA(133.22レベル)を下方ブレイクする局面が見られた(安値133.01レベル)。また、買戻しの局面では10日MA(134.01レベル)で上値が止められ、上昇圧力が後退していることを示唆する展開となった。MACDではデッドクロスが示現するムードにある。

一方、通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月(1M)と3ヶ月(3M)のそれらが急速にドルプットへと傾いている。これらの動向を総合的に考えるならば、今日のドル円も下値トライを想定しておきたい。

ドル円とリスクリバーサルのチャート

ドル円とリスクリバーサルのチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:年初来

どちらの移動平均線をブレイクするのか?が焦点に

予想どおりドル円(USDJPY)が下値トライとなる場合は、21日MAの攻防が焦点となろう。

日足ローソク足の実体ベースでこの移動平均線(21日MA)を完全に下方ブレイクする場合は、株安と米金利の低下が同時に発生するリスク回避相場の状況にあることが予想される。ゆえに反発の局面で21日MAがレジスタンスへ転換すれば、テクニカルの面でもドル円の地合いの弱さを市場参加者に印象付けるだろう。このケースが確認される場合(21日MAの “レジスタンス転換” が確認される場合)は、反発相場を象徴している短期サポートラインを視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。

一方、ドル円の反発局面では、10日MAの攻防が焦点となろう。連日でこの移動平均線が相場の戻りを止める展開となれば、ドル円の地合いの弱さを市場参加者に印象付けるだろう。

そしてこのケースが確認される場合は、常に21日MAのトライと下方ブレイクを想定しておきたい。

ドル円が10日MAの上方ブレイクに成功しても、強固なレジスタンスであることが確認されているフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準134.75レベルや135.10レベルの突破に成功しない限り、ドル円の下値トライを意識する状況が続くと予想する。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingViewの日足:年初来

今日の売買材料も米国の経済指標

今日は1-3月期の実質国内総生産(GDP)、個人消費そしてコアPCEが発表される(すべて速報値)。

GDPの数値(予想は前期比年率で2.0%増)は重要だが、景気の減速が意識されている状況を考えるならば、より注目したいのが個人消費の動向と米国市場(米債市場と株式市場)の反応である。個人消費が予想(前期比年率4.2%増)を下回る場合は、米金利の低下要因になりうる。景気の先行きリスクが意識され米国株も下落で反応する場合は、21日MAのトライおよびブレイクを警戒しておきたい。

コアPCEの予想(前期比年率)は4.6%となっている。明日に3月個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)の発表が控えているため、予想の範囲内ならば材料視される可能性は低い。だが、個人消費の落ち込みとコアPCEが予想以上に低下する場合は、米金利が低下で反応する可能性がある。このケースでも米ドル売りとドル円の下落を想定しておきたい。下落幅は米国株の反応次第となろう。

一方、個人消費が予想以上に伸びコアPCEも予想以上となれば、米金利の反発と米ドル買いが予想される。米金利の上昇は米国株の下落要因となる可能性がある。このケースでは、米ドル買いの圧力が外為市場で高まりやすい。ゆえにドル円は134.03レベルで推移している10日MAをトライする展開が予想される。

ドル円が10日MA(134.00レベル)をトライするシグナルとして直近高安の38.2%戻し133.81レベルを完全に突破するかどうか?この点を確認したい。昨日の欧米タイムは、このテクニカルポイントの突破に失敗し続けた。

直近高安の半値戻しは10日MAの少し上の水準134.07レベルにあたる。また、NYタイムに短期レジスタンスラインとクロスする。ゆえに134.00-10レベルは、テクニカルの面でドル円のレジスタンスとして意識される可能性がある。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingViewの1時間足:4月18日以降

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