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ドル円は143円台へ上昇、今日の見通しとチャートポイントについて

ドル円は上昇トレンドを維持し、143円台へ難なく上昇している。調整の反落を警戒しつつも、焦点は引き続き新たなレジスタンスの水準を見極めることにある。今日の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・1日の外為市場は米金利の上昇を受けて米ドル買い優勢の展開となった
・米長期金利の変動要因として原油先物価格の動きにも注目したい
・ドル円、次の上値ポイントは144.00および144.34レベル
・ドル円の反落局面では142.00レベルのサポート転換が焦点に


1日の外為市場は米ドル高優勢の展開に

1日の外為市場は、米ドル高優勢の展開となった。この日の米債市場で長期金利は英国や欧州の利回りの上昇に連動し、一時4.05%まで上昇する局面が見られた。米財務省による国債発行増額の思惑も米長期金利の上昇要因になったとの見方があった。

米長期金利の上昇にサポートされ、米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、102ポイント台へ上昇する局面が見られた(高値102.43レベル)。

米長期金利とドルインデックスのチャート

米長期金利とドルインデックスのチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:23年5月以降

米長期金利と原油先物価格の動向

米経済指標の内容や国債発行に関する報道は、現在の米債市場の変動要因となっている。

米債市場を動かすその他の要因として筆者は、原油先物価格の動きにも注目している。

6月の下旬以降、原油先物価格は反発の基調にある。この動きに連動するように米長期金利も3.7%台で反発し、昨日は4.05%まで上昇する局面が見られた(下のラインチャートを参照)。

中国の景気回復の遅れや欧州の景気減速を考えるならば、原油先物価格が長期に渡って上昇トレンドを維持する可能性は低いだろう。

しかし、現在の原油先物市場では、産油国の協調減産やサウジアラビアによる自主減産継続の思惑などで需給の引き締まりが意識されやすい状況にある。

この点が短期的な注目材料となり、NY原油先物価格(WTI)は4月17日以来となる1バレル=82ドル台の水準まで上昇する状況にある。

米長期金利と原油先物価格のチャート

米長期金利と原油先物価格のチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:23年5月以降

ドル円の見通しとチャートポイント

次の焦点は144.00レベルのトライ

ドル円(USD/JPY)の上昇が止まらない。昨日は、IG為替レポートで取り上げたレジスタンスの候補143.00レベルを難なく突破し、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準143.22レベルをも上方ブレイクする局面が見られた(高値143.54レベル)。

今年の3月安値129.64レベルを起点とした短期サポートラインを維持していること、上で述べたとおり米金利が反発の基調にあること、そして7月31日の臨時国債買い入れのオペで日銀の根強い緩和スタンスが海外の市場参加者に意識されている状況も考えるならば、ドル円の焦点は引き続き、新たなレジスタンスの水準を探ることにある。

今日もドル円が上昇トレンドを維持する場合、目先の上値ポイントは144.00レベルの攻防となろう。昨日の高値143.54レベルの上方ブレイクは、144.00を目指すシグナルと想定しておきたい。

ドル円が144円台の攻防へシフトする場合は、先月7日に示現した大陰線(日足ローソク足)の高値144.34レベルのトライとなるか?この点に注目したい。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 IGチャート:23年3月以降

反落の局面では142.00レベルのサポート転換を確認したい

先月28日の日銀イベント以降、ドル円(USD/JPY)は高安ベース(7月28日安値138.06レベル、8月1日高値143.54レベル)で4%近く上昇している。

上で述べたとおり今のドル円の焦点は、新たなレジスタンスの水準を探ることにある。しかし短期間で上昇幅が拡大している状況を考えるならば、日米株高の調整相場などを受けてドル円が反落する展開も警戒する局面にある。

ドル円の反落局面では、142.00レベルがレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点を確認することが目先の焦点となろう。

今日現在、5日EMAが142.06前後で推移している。この移動平均線は、6月下旬から7月上旬の上昇局面で相場をサポートした経緯がある。

また142.12レベルは、現時点での今週高安の半値戻しの水準にあたる(下の15分足チャートを参照)。テクニカルの面でも142.00レベルを目先の重要なサポートポイントと想定しておきたい。

ドル円が142.00レベルを目指すシグナルとして、142.40台の攻防に注目したい。この水準には2つのフィボナッチ・リトレースメント(38.2%の142.45レベルと23.6%の142.44レベル)が重なっている(下の15分足チャートを参照)。

ドル円の調整相場(反落)が進行し、142.00レベルがサポートへの転換に失敗する場合は、141.75前後で反発する可能性を意識したい。この水準でも2つのフィボナッチ・リトレースメント(61.8%の141.78レベルと38.2%の141.75レベル)が重なっている(下の15分足チャートを参照)。

ドル円のチャート:15分足

ドル円のチャート:15分足 IGチャート:7月28日以降

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