【外為市場の週間展望】ドル円の見通しとチャートポイントについて

※今週の外為市場の展望とユーロドルの見通しについては、こちらのレポートをご覧ください

サマリー

・今週のドル円の焦点は、調整相場の動向を見極めることにある
・ドル円の下落局面では、147円の維持が焦点となろう
・ドル円の上昇局面では、50日線の突破と150円台への上昇が焦点となろう

焦点は調整相場が行方

11月の中旬以降、ドル円（USD/JPY）は米ドル高・円安のトレンドが一服し、調整ムードにある。

11月に入り米長期金利（以下では米金利）の上昇が抑制されている。米金利の低下は、外為市場で米ドル安の圧力を高める要因となっている。

これらの動向を受け、ドル円は現在、50日線（今日現在149.60前後で推移）で上昇が止められている。また、日足のMACDはゼロラインを下回り低下基調にある。

「米金利の低下→米ドル安」の状況に加えて、テクニカル指標での攻防やトレンドも考えるならば、今週のドル円の焦点は、調整相場がさらに進行するかどうか？この点を見極めることにある。

下落の局面では147円の維持が焦点に

今週も50日線がレジスタンスラインとして意識される場合は、ドル円（USD/JPY）の下値トライを想定しておきたい。その要因となり得るのが、こちらのIG為替レポートで取り上げた米国の経済指標である。

ドル円の下落局面で注目したいのが、147円の維持である。この水準は、11月下旬の反落相場を止めたほか、10月3日の円高を止めた経緯もある。下の日足チャートをみると、いずれの下落局面でも長い下ヒゲが示現している（黒矢印を参照）。147.00レベルでの底堅さを示唆する動きである。

また、100日線が今日現在で146.80付近まで上昇している。過去の経緯（下ヒゲの示現）と100日線の存在を考えるならば、目先の重要サポートポイントを147.00レベルと想定しておきたい。148.00の下方ブレイクは147.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

ドル円が147.00レベルを完全に下方ブレイクする場合は、調整相場がさらに進行するシグナルとなろう。100日線をも下抜ける場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2％の水準146.62レベルまでの反落を想定しておきたい。

一方、ドル円が147円以上の水準を維持する状況が続く場合は、上で述べた50日線や150.00を上方ブレイクし、下で述べるレジスタンスの水準を目指す展開を意識する状況が続くだろう。

ドル円のチャート：日足 23年7月以降

上昇の局面では21日線のブレイクが焦点に

一方、米国の強い経済指標やリスク選好相場による円安を受け、ドル円（USD/JPY）が50日線を完全に突破すれば、150円台の攻防を意識する展開となろう。

テクニカルの面では、21日線の上方ブレイクが最初の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、150.16レベルで推移している（一番下の日足チャート、青ラインを参照）。

ドル円が21日線の突破にも成功すれば、今月17日の高値150.77レベルのトライおよびブレイクが次の焦点として浮上しよう。

この水準（150.77レベル）は、直近高安の76.4％の水準（150.78レベル）にあたる（下の4時間足チャートを参照）。過去の経緯とテクニカルの面で、150.77レベルは151円を再びトライするかどうか？を見極めるための水準として意識しておきたい。

ドル円のチャート：4時間足 今月13日以降

151.40レベルの攻防

ドル円（USD/JPY）が150.77レベルをも突破する場合は、151円台への攻防シフトを想定しておきたい。

このケースでは、今月の中旬に相場の反発を止めた経緯のある151.40台をトライするかどうか？この点が焦点となろう（下の日足チャートを参照）。

実際にドル円がこの水準をトライする場合は、再び相場の反発を止めるかどうか？この点を見極めることが重要な焦点となろう。

ドル円が151.40台で再び反落する場合は、新たなレジスタンスの水準として意識される可能性が高まる。

一方、ドル円がこの水準をも突破する場合は、現時点での今年最高値151.91レベルのトライおよびブレイクアウトを意識することになろう。

ドル円のチャート：日足 23年9月以降