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【ドル円(USD/JPY)】今週の見通しとチャートポイント

ドル円(USD/JPY)は10日線すら突破できずに上値の重い状況にある。外為市場で米ドル安がじわりと進行していることも考えるならば、今週のドル円は下値のトライを意識しておきたい。現在の地合いを考えるならば、ドル円が反発してもその幅は限定的となることが予想される。詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・現在の地合いを考えるならば、今週のドル円は下値トライを意識しておきたい
・目先の下値の焦点は、141.00-30レベルの維持となろう
・一方、反発の局面では、2つの移動平均線の攻防に注目したい
・米ドル安がじわりと進行している状況は、ドル円の反発を抑制するだろう


ドル円、今週の見通しとチャートポイント

下値のトライを意識する状況にある
25日は日本や中国など一部を除き、クリスマスで主要な市場が休場となった。今日も欧州を中心に休場する市場が多くある。また、外為市場を大きく動かす材料もない。今週の外為市場は小動きの展開が予想される。

ドル円(USD/JPY)は、じわりと進行する米ドル安の影響を受け上値の重い状況が続いている。

通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月/3ヶ月)の動向を確認すると、11月の中旬以降、ドルプットへ傾く状況が続いている。

直近は上下に振れる局面があったが、ドルプットの流れに変化は見られない(下のチャート、赤矢印を参照)。

ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降

ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降 ブルームバーグのデータで作成


一方、テクニカルの面では、10日線(今日現在142.59レベル)がレジスタンスのラインとなり相場を圧迫している。そして本日、200日線(今日現在142.82レベル)とデッドクロスの状況へ転じた。

上で述べたリスクリバーサルの動向、そしてテクニカルでの攻防や状況も考えるならば、今日以降のドル円の焦点は、年内にどの水準まで下値をトライするのか?この点を確認することにある。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


下値トライの局面では141.00-30レベルの攻防が焦点に
日足のRSIやストキャスティクスは、売られ過ぎの水準まで低下する局面が見られている(上の日足チャートを参照)。

ドル円(USD/JPY)の地合いは弱く、142円割れを意識する状況にはある。

しかし、今週は外為市場、特に米ドル相場を大きく動かす重要な経済指標や連邦準備制度理事会(FRB)高官らの講演などは予定されていない。材料不足である状況は、さらなる米ドル安の進行を促す新たな材料が出てこないことになるため、ドル円のサポート要因になり得る。

ドル円が141円台の攻防へシフトしても、ドル円の下落を促す材料が不足していること、そして上で述べたオシレーター指標の動向も考えるならば、ドル円が下値をトライしても、目先のサポート水準であるフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準141.33前後で反転する可能性を意識しておきたい。

ドル円がこのテクニカルポイント(141.33レベル)を下方ブレイクしても、今月14日の下落を下支えしたように、141.00前後が再びサポートの水準として意識される展開が予想される(上の日足チャート、赤矢印を参照)。



反発局面での焦点は?
今週は外為市場を動かす材料が不足している。しかし今週は、1550億ドル規模の入札(26日に2年債、27日に5年債、28日に7年債)の入札が予定されている。米国債の入札結果は、今週の米ドル相場とドル円(USD/JPY)の変動要因となる可能性がある。

米国債の入札結果が米ドルの買い戻し要因となれば、ドル円は上で述べた2つの移動平均線の攻防-10日線(今日現在142.59レベル)と200日線(今日現在142.82レベル)の攻防に注目したい。

ドル円がこれら移動平均線を完全に上方ブレイクする場合は、143円台への再上昇が次の焦点として浮上しよう。

143.04レベルは、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。

目先のレジスタンスポイントとして意識されている142.60レベルを完全に上方ブレイクする場合は、同時に10日線を突破することになる(下の1時間足チャート、青ラインを参照)。レジスタンスラインとして意識されている10日線の突破は、ドル円の反発相場が進行するシグナルとなろう。

ドル円が142.80台で推移している200日線をも難なく突破する場合は、143.00レベル(フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準)をトライするシグナルと想定しておきたい。(下の1時間足チャート、赤ラインを参照)。

直近高安の半値戻しの水準143.40レベルは、今月21日の市場で相場の反発を止めた経緯がある。レジスタンスへ転換する可能性のあるチャートポイントとして意識しておきたい。

ドル円のチャート:1時間足 12月19日以降

ドル円のチャート:1時間足 12月19日以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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