【ドル円】今週の見通しとチャートポイント
ドル円の焦点は上値のトライにある。しかし、148.00レベルが強固なレジスタンスとして意識され、かつ円買い介入の警戒感が次第に高まっている状況も考えるならば、今週は”不意打ち”の下落を警戒しておきたい。注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週のユーロドルの見通しについては、こちらのレポートをご覧ください。
サマリー
・週明けのドル円は窓を開けての円買いスタートとなった
・ドル円の下落リスクを警戒するいくつかのシグナルが点灯している
・ドル円の下落局面では、2つの移動平均線の攻防が焦点に
・ドル円の上昇局面では、148.00の突破に注目したい
週明けは円買いでスタート
週明け11日のドル円(USD/JPY)は、146.86-93レベルの円買いスタートとなった(IG為替レート)。一時146.65レベルまで円高が進行した。バイデン米大統領による中国の対台湾姿勢に関する発言に反応したとの報道がある(ブルームバーグ)。
ドル円のチャート:1分足 11日早朝の動向
不意打ちの下落相場を警戒
ドル円( USD/JPY)は現在、148.00レベルが強固なレジスタンスの水準として意識されている。
リスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月と3ヶ月のそれらは、ジワリとドル・プットへ傾くムードにある(下のラインチャートを参照)。また、日足のMACDはデッドクロスを形成するムードにある(一番下の日足チャートを参照)。
週明け早朝の円買いは投機的な動きと見られる。よって、ドル円の焦点は引き続き上値のトライにあろう。
しかし、148.00レベルがレジスタンスの水準として意識され、国内の長期金利が0.7%台へ到達する局面が見られ、そして政府・日銀による円買い介入への警戒感も次第に高まっている。
これらの状況を総合的に考えるならば、今週のドル円は不意打ちの下落相場を警戒しておきたい。
ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 5月以降
下値のチャートポイント
円買い介入の他に、今週ドル円(USD/JPY)の下落要因として注視すべきが、こちらのレポートで取り上げた米国の経済指標である。
8月CPIと小売売上高で総じて予想以下の内容が続けば、価格の妙味から米国債を買い戻す(米金利が低下する)展開が予想される。
米金利の低下は米株高の要因だが、ドル円と日米利回り格差の相関性の高さを考えるならば、さえない経済指標で米金利が低下する(日米利回り格差が縮小する)場合は、ドル円の下落要因となろう。
ドル円と日米利回り格差のチャート:日足 年初来
ドル円が下値をトライする場合、まずは10日線(今日現在146.75レベル)の下方ブレイクが焦点となろう。上で述べた週明け早朝の円買いで、早くもこの移動平均線を下方ブレイクする状況が見られた。
日足ローソク足の実体ベースで10日線を完全に下抜ける場合は、21日線が次の下値ターゲットとなろう。この移動平均線は今日現在、146.27レベルで推移している。
ドル円が21日線をも下方ブレイクする場合は、146.00のトライおよびブレイクアウトを警戒したい。
反発局面でのチャートポイント
一方、上で述べた米国の経済指標が米金利の上昇要因となる場合は、米ドル高がドル円の上昇基調をサポートしよう。このケースでは、レジスタンスの水準として意識されている148.00レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。
ドル円が148円台へしっかりと上昇(148.00レベルがサポートの水準へ転換)する場合は、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準149.00レベルを視野に上昇幅の拡大が予想される。
しかし、節目の150.00レベルが近づくにつれて、円買い介入の警戒感がさらに高まろう。よって、ドル円が上昇局面にあるなかでも不意打ちの下落相場を警戒しておきたい。
ドル円のチャート:日足 3月以降
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