持続的な米利上げが意識される状況に / ドルインデックスの展望とチャートポイント
1月米CPIはインフレの鈍化傾向とその根強さの両方を意識させる内容となった。米金利は反発基調を維持している。そして3月以降もFRBが利上げを続ける可能性が意識され始めている状況を考えるならば、目先の外為市場は米ドル高を想定しておきたい。詳細はIG為替レポートをご覧ください。
FRBの持続的な利上げが意識される状況に
【サマリー】
・1月米CPIではインフレの鈍化傾向が確認されたが、その根強さも示唆する内容となった
・短期金融市場と米債市場では3月以降の持続的な利上げを意識する状況にある
・ドル円は133円台の上昇に成功、次は134円のトライが焦点に
・目先の外為市場は米ドル高を意識する展開に、ドルインデックスの展望は?
インフレの鈍化傾向とその根強さの両方を意識させる内容
各市場の参加者の関心を集めた1月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比で0.5%の上昇となった。コア(エネルギーと食品を除くインフレ率)は同比0.4%の上昇となり、ともに市場予想と一致した。一方、前年同月比の上昇率は6.4%と、予想の6.2%を上回った。コアも同比で5.6%上昇し、予想の5.5%を上回った。
1月CPIではインフレの鈍化傾向が確認された。しかし、前年同月比で予想を上回るなどインフレの根強さも示唆された。
アメリカ消費者物価指数の推移
3月以降の持続的な利上げが意識される状況に
短期金融市場(OIS市場)では、1月米雇用統計前の甘い見通し-3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げサイクルが一旦終了し、23年の後半に利下げに転じるという見通しが急速に修正されている。この点について直近の動向を確認すると、予想されるターミナルレートが23年末の予想中央値「5.1%」を超え、5.2%台へ到達することを織り込む動きが見られる。
アメリカ政策金利(FFレート)の予想推移
そして米債市場では、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが、昨年の11月上旬以来となる4.6%台へ上昇してきた。この動きは、3月の会合以降も連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために持続的な利上げを行うことを米債市場の参加者が強く意識し始めていることを示唆している。
なお、10年債利回り(長期金利)も3.7%台の水準をしっかりと維持する状況が続いている。
米金利のチャート
米ドル相場の反応と目先の焦点
1月米CPI発表後の米ドル相場は下落で反応した。しかし、すぐに米ドルを買い戻す展開となった。米ドル相場の方向性を示すドルインデックス(DXY)は21日MAでサポートされ、50日MAを意識する動きが続いている。
上で述べたとおり、米債市場では利回りの上昇トレンドが続いている。この状況を考えるならば、目先は米ドル高(米ドルのショートカバー)を意識する状況が続くと予想する。
テクニカルの面では、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準103.73レベルのブレイクが焦点となろう。これを達成する場合は、38.2%の水準105.53レベルを視野に上昇幅の拡大が予想される。
上で述べたレジスタンスポイントをドルインデックスが突破する局面では、対円やユーロなどの主要通貨で米ドル高が加速していることが予想される。
ドルインデックスのチャート
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