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米国と欧州の景況感格差と米ドル高について

米国の労働市場は軟化の傾向にある。しかし経済指標によっては、労働市場の堅調さを示す内容が確認されている。堅調な労働市場は米国経済の下支え要因となろう。一方、ユーロ圏と英国では景気リスクが高まっている。米国と欧州の景況感格差は、米ドル高トレンドのサポート要因となろう。ドルインデックスの上値ターゲットは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・堅調さを維持する米国の雇用市場、データ次第では追加の利上げも
・今後は米英欧の景況感格差が米ドルと欧州通貨のトレンドを左右しよう
・拡大傾向にある景況感を考えるならば、米ドル高・欧州通貨安を想定しておきたい
・ドルインデックスは3月8日の高値105.88レベルのトライが焦点に


データ次第で追加の利上げを意識する状況に

7日に発表された週間の米新規失業保険申請件数は21.6万件と、2月以来の低水準となった。4週移動平均も23万件を下回り減少の傾向にある。失業保険継続受給者数も167.9万人と、予想の171.9万人を下回った。

また、23年4〜6月期の単位労働コストの改定値は速報値の1.6%から上方修正され、前期比2.2%と市場予想の1.9%を上回った。

米国の労働市場は軟化の傾向にある。しかし現状では、景気の後退を招くほど落ち込む可能性を意識する状況にはない。新規失業保険申請件数などデータによっては、労働市場の堅調さが示されている。

ゆえに、今後のデータで労働市場の堅調さを示す内容が続く場合は、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げの可能性が各市場で意識されよう。

実際に追加利上げが行われるならば、10月31日-11月1日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での可能性が高い。現状、短期金融市場では11月利上げの確率を40%前後と織り込んでいる。

米新規失業保険申請件数の推移:週次 22年以降

米新規失業保険申請件数の推移:週次 22年以降 米労働省とブルームバーグのデータをもとに作成

米英欧の景況感格差と米ドル高の進行

焦点は景気の動向
連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げの可能性はくすぶるが、利上げサイクル自体は最終局面にある。この点は、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(BOE)も同じである。

よって、今後の米ドルと欧州通貨のトレンドは、景気の動向で左右されることが予想される。

8月のISM製造業および非製造業景気指数は、ともに改善の傾向を示した。特にサービス業の動向を示すISM非製造業景気指数は、新規受注と雇用が伸びたことで6カ月ぶりの高水準となった。

一方、ISM製造業景気指数では底打ち感が出始めている。

ISM製造業・非製造業景気指数の推移:月次 20年以降

ISM製造業・非製造業景気指数の推移:月次 20年以降 全米供給管理協会とブルームバーグのデータをもとに作成


一方、欧州の景気動向を購買担当者景気指数(PMI)で確認すると、製造業は22年以降、一貫して低迷の傾向にある。

一方、サービス業は昨年の後半から改善の傾向が見られた。しかし、今年の4月を境に再び低迷し始め、現在は景気判断の分かれ目となる「50」を下回る状況にある。サービス業の低迷を受け、総合指数も「50」割れの状況にある。

不動産セクターの低迷や輸出の不振で中国の景気回復は遅れている。この状況は、中国依存度の高いドイツ企業の利益を圧迫しよう。IFO企業景況感指数は購買担当者景気指数(PMI)と同じく、今年4月を境に低迷の傾向へ転じている。ドイツ経済の低迷が続けば、その影響はユーロ圏経済に波及しよう。

9月14日に欧州中央銀行(ECB)は理事会を開く。短期金融市場での利上げ確率は30%台まで低下している。これは、ECBがインフレのリスクだけでなく景気の先行きリスクも意識せざるを得ない状況に追い込まれていることを短期金融市場の参加者が意識していることを示唆している。

ユーロ圏の購買担当者景気指数の推移:月次 22年以降

ユーロ圏の購買担当者景気指数の推移:月次 22年以降 S&Pグローバルとブルームバーグのデータをもとに作成


一方、英国の購買担当者景気指数(PMI)も今年の4月以降サービス業が低迷し、総合指数とともに景気判断の分かれ目である「50」を下回る状況にある。製造業は昨夏以降、「50」を下回る状況が続いている。

英国の購買担当者景気指数の推移:月次 22年以降

英国の購買担当者景気指数の推移:月次 22年以降 S&Pグローバルとブルームバーグのデータをもとに作成


米ドル高のさらなる進行
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)の動向を確認すると、5月31日の高値水準104.70レベルを完全に上方ブレイクしている。

上昇基調のトレンドチャネル内で推移し続けている状況は、米ドル相場の地合いの強さを示している。

今後、米英欧の経済指標で景況感の格差がより拡大する場合、対欧州通貨(ユーロ / ポンド)で米ドル高の進行が予想される。日銀が金融緩和政策を維持していることも考えるならば対円でも米ドル高のトレンドが続くことで、ドルインデックスは、3月8日の高値水準105.88レベルのトライとブレイクアウトの展開を意識する状況にある。

ドルインデックスのチャート:日足 3月以降

ドルインデックスのチャート:日足 3月以降 TradingView提供のチャートで作成

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