ユーロドル (EURUSD):今日の見通しとチャートポイント
現在の外為市場は、ユーロ売り優勢の状況にある。ユーロドル(EURUSD)はテクニカルの面で分岐点に差し掛かっている。今日の注目材料と見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今日のユーロ円の見通しとチャートポイントについてはこちらをご覧ください
サマリー
・外為市場はユーロ売り優勢の状況にある
・今日の注目材料は8月の購買担当者景気指数(PMI)となろう
・ユーロドルの下落局面では短期サポートラインと200日MAの攻防が焦点に
・一方、ユーロドルが反発する場合は100日MAの攻防に注目したい
下落トレンドにあるユーロ相場
22日の米ドル相場は対主要通貨で売り買いが交錯し、明確な方向感は見られなかった。
一方、ユーロ相場は対主要通貨で下落した。直近5日間の動向を確認すると、ユーロ売り優勢の状況にある。通貨別にみると、ユーロドル(EUR/USD)は昨日、100日MA(1.0929レベル)で上昇が止められ、日足ローソク足では上ヒゲが示現した。
一方、ユーロ円(EURJPY)は、レジスタンスポイントの159.20レベルがサポート転換に失敗し、陰線引けとなった。しかし、レンジの下限である158.00レベルを維持する状況が続いた(安値158.09レベル)。
ユーロ相場の動向:直近5日間
今日の注目材料は8月購買担当者景気指数(PMI)
景気の先行きリスクとそれに伴う欧州中央銀行(ECB)の利上げ停止の観測は、ユーロ相場の下落要因である。
7月27日に開かれた理事会後の会見でラガルドECB総裁は、データに依存する段階に移行していること、そしてデータ次第で利上げも利上げの一時停止もあり得ると述べた。
次回のECB理事会は、9月14日に開催される。短期金融市場では現状、9月の利上げについて五分五分の織り込み状況となっている。ゆえに、今後のデータ次第で市場参加者の観測は変化するだろう。
ラガルドECBの政策動向や市場参加者の観測に影響を与えるデータの一つとして注目されるのが、景気に関連した経済指標である。
今日は8月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。昨年以降の動向を確認すると、製造業PMIは一貫して低下の基調にあることが分かる。そして22年7月以降、景気判断の分かれ目である「50」を下回る状況が続いている。
一方、サービス業PMIは昨年11月を底に回復基調へ転じていた。しかし、今年の4月を境に3ヶ月連続で低下している。そしてサービス業PMIの動向に連動して総合PMIも低下基調へ転じ2か月連続で景気判断の分かれ目である「50」を下回る状況にある。
8月のサービス業PMIは50.5と、かろうじて「50」以上を維持する予想となっている。製造業の不振が続くなか、8月PMIでサービス業の落ち込みまでが確認される場合は、9月理事会での利上げ停止の観測が高まろう。ユーロ相場は下落することが予想される。
また、サービス業PMIが予想外に「50」を下回れば、ユーロ相場の下落幅が拡大する可能性がある。
ユーロ圏の購買担当者景気指数の推移
ユーロドル、今日の見通しとチャートポイント
短期サポートラインと200日MAの攻防
ユーロ相場の中でもユーロドル(EUR/USD)は、テクニカルの面で分岐点に差し掛かっている。その分岐点とは、短期サポートラインと200日MAである。
上で述べたとおり、昨日のユーロドルは100日MA(1.0929レベル)で上昇が止められた。日足ローソク足は、長い上ヒゲ付きの陰線引けとなった。
ラガルドECBによる利上げ停止の可能性が意識される一方、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はインフレ抑制重視のスタンスを維持している。そして必要であれば、追加の利上げも辞さない構えも見せている。
しかし、米欧中銀の利上げサイクルは最終局面にある。ゆえに、現在のユーロドルの下落トレンドは、米欧の景況感の格差を意識した動きと考えることができる。
上で述べた8月PMIでユーロ圏経済の先行き懸念が高まる場合は、100日MAの “レジスタンス転換” がより鮮明となろう。このケースでは、3月15日の安値1.0516レベルを起点とした短期サポートラインのトライを想定したい。このラインの下方ブレイクは、1.08レベルをトライするシグナルとなろう。
今日現在、200日MAが1.0798レベルまで上昇している。ゆえにユーロドルの1.08トライは、200日MAを維持できるかどうか?の攻防と捉えることができる。
7月下旬にデッドクロスが示現して以降、MACDは低下トレンドを形成し、現在はゼロラインを下回る状況にある。ユーロドルが200日MAをも下方ブレイクする場合は、市場参加者にユーロドルの地合いの弱さをさらに印象付けよう。
ユーロドルのチャート:日足 23年3月以降
反発局面の材料とチャートポイント
ユーロ圏の8月PMIが予想外に強い内容となる場合は、ユーロドル(EUR/USD)の反発材料となろう。
また今日は、米国の8月購買担当者景気指数(PMI)も発表される。総じて予想以下となれば、NYタイムでは「米金利の低下→米ドル安」の展開となる可能性がある。ゆえに、さえない8月米PMIもユーロドルの反発要因となろう。
ユーロドルが反発する場合は、上で述べた100日MA(1.0929レベル)のトライおよびブレイクとなるかどうか?この点が焦点となろう。
この移動平均線をトライするシグナルとして、直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。特に注目されるのが、23.6%の水準1.0855レベルである。この水準は、サポートからレジスタンスへ転換するムードが出ている。
ユーロドルが、1.0855レベルすら突破できない状況が続けば、上で述べた短期サポートラインと200日MA(1.08レベル)のトライを想定しておきたい。
1時間足のストキャスティクスは売られ過ぎの水準で推移している。上で述べた経済指標がユーロ買いや米ドル売りのきっかけとなれば、ユーロドルは短期的な反発相場が予想される。
ユーロドルのチャート:1時間 8月17日以降
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