景気の先行きリスクと円高の進行
さえない経済指標が続きアメリカ経済の先行きリスクが各市場で意識されている。株式市場の動向次第では、円高の進行を意識する必要がある。その理由は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今日のドル円の見通しとテクニカル分析についてはこちらのレポートをご覧ください
サマリー
・さえない経済指標が続き米国市場は景気の先行きリスクを意識する状況に
・米金利が低下しても株安ならば外為市場での円高の進行を想定しておきたい
・ドル円の見通しとテクニカル分析について
さえない米経済指標が続く
3月の米ISM非製造業景気指数は51.2と前月の55.1から低下した。市場予想の54.5も下回った。同指数は景気の拡大と後退の分岐点にあたる「50」を上回る水準を維持してはいるが、低下の基調にある。
3月のISM製造業景気指数が5か月連続で「50」を下回った状況や2月JOLTS求人件数および3月ADP雇用統計などの雇用関連指標で予想以下の内容が続いたこと、そして急ピッチで進められてきた利上げの影響がこれから実体経済に波及していくことも考えるならば、今後米国の市場では景気の先行きリスクを意識する状況-債券市場では利回りのさらなる低下、株式市場では短期的に金融引き締めリスクの後退と景気リスクのせめぎ合いで上下に振れる不安定な展開、そして中長期では下落を警戒する状況が予想される。
ISM非製造業景気指数の推移
米国市場は景気の先行きリスクを意識する動き
米ドル相場のトレンドに大きな影響を与える米債市場では、くすぶり続ける金融システム不安とさえない米国の経済指標が続いたことで、利回りは低下のトレンドにある。
金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは昨日、一時3.64%付近まで低下する局面が見られた。一方、10年債利回り(長期金利)は、昨年9月以来となる3.26%付近まで低下する局面が見られた。
米金利のチャート
一方、5日の米国株式市場では景気の動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄が買われ、ダウ平均(DJI)を下支えした。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は続落した。
ディフェンシブ銘柄の買い、そして米金利が低下してもナスダック総合指数(ハイテク株)が下落した状況は、市場参加者が景気の先行きリスクを強く意識していることを示唆している。
ダウ平均とナスダック総合指数のチャート
株安の局面では円高の進行を警戒
5日のIG為替レポートでは米ドル安の進行だけでなく、これからは円高の進行にも注目する必要があると指摘した。
昨日の外為市場では、米金利の低下と欧米株式市場の軟調地合いが重なり、円買い優勢の展開となった。スイスフランに対しても円高となった状況は、米金利の低下と株安が同時に発生する局面では円買いの圧力が最も高まりやすいことを示唆している。
上で述べたとおり、今後は金融引き締めの影響による景気の先行きリスクを意識する状況が米国の市場(債券市場と株式市場)で多く散見されることが予想される。米金利の低下が株高要因となれば米ドル安がサポート要因となり、ユーロ円(EURJPY)やポンド円(GBPJPY)などの主要なクロス円の下支え要因となろう。
しかし、ここ数日のように景気リスクが米金利の低下と株安を同時に発生させる場合は、円高の進行を常に警戒しておきたい。
円相場の動向:4月5日
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