米国市場の状況とドル円への影響 / ドル円のチャートポイント
20日の米債市場で利回りは低下。しかし主要な米株価指数は下落して引けた。今の米国市場の動きがドル円に与える影響とは?FOMC前までの展望は?そしてチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米国市場の状況とドル円への影響
【サマリー】
・米金利が低下しても米国株は下落 金利の上昇リスクを意識した動きが続いている
・目先の円相場は円高優勢の局面を想定しておきたい
・チャートからもドル円の地合いの弱さが見て取れる
・米国市場の動きとドル円への影響
20日の米債市場では、米金融政策の指針と連動しやすい2年債利回りが小幅に低下した。10年債利回り(長期金利)も同様の展開となった。
一方、米国株は序盤こそ上昇スタートとなったが、取引終盤に失速し下げ幅を拡大。ダウ平均の下げ幅は300ドル超となり、ナスダック総合指数は調整局面入りが意識される状況となっている(昨年11月22日の最高値から12%超下落)。
米金利のチャート
ナスダック総合指数のチャート
米国市場の動きを受け、この日のドル円(USDJPY)は一時114円を割り込む局面が見られた。すぐに114円台を回復したが、現在の米国市場の状況-「米金利の上昇(米ドル買い要因)→米国株の下落(円買い要因)」、「米金利の低下(米ドル売り要因)→米国株の反発(円売り要因)」の状況に陥っていることを考えるならば、双方の買いの圧力もしくは売りの圧力がぶつかり合うことで、ドル円はFOMCまで方向感のない相場が続く展開を想定しておきたい。
また、昨日のように米国株の下落に米金利が低下で反応する場合は、円高が最も進行しやすい状況となろう。
・短期的な円高を警戒
ドル円(USDJPY)を含め、昨日の円相場は総じて円高優勢となった。米国株の下落に合わせるように円買いの圧力が高まった状況を考えるならば、円高の一因は米株安にあると考えられる。
上述したとおり、昨日の米債市場では金利の上昇が一服した。しかし、ハイテクグロース株や景気敏感株が売られ、主要3指数は下落して引けた。NY金先物の上昇も続かず、昨日は反落して終えた。これらは、米金利の上昇リスクを意識した動きと考えられる。
来週25~26日に今年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれることを考えるならば、米国株は金利の上昇リスクを意識した不安定な状況が続く可能性があろう。
米株安(リスク回避相場)は米ドル買いと円買いの要因である。しかし、今のドル円の状況を考えるならば、米ドル買いの圧力以上に円買いの圧力が勝っている。
また、米株安に米金利が低下で反応する地合いが続く可能性もあることを考えるならば、今日以降も米国株の下落が続く場合は、短期的な円高を想定しておきたい。
円相場のパフォーマンス
ドル円のチャートポイント
米国市場の動向を受け、チャート上からもドル円(USDJPY)の地合いの弱さが見て取れる。
今週18日以降10日線(SMA)で相場の戻りが止められ、昨日は50日線(EMA)を完全に下方ブレイクした。そして一時114円割れの展開に。リスクリスクリバーサル(1週間)がドルプットに傾いている状況も考えるならば、今日は113円台への攻防シフトを想定しておきたい。
ドル円が113円台へ下落する場合、まずは先週14日の安値113.47レベルのトライおよび維持が焦点となろう。この水準を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準113.34レベルの攻防に注目したい。
一方、今日の米国株が反発する場合は、113円台へ下落してもすぐに114円台を回復する展開を予想する。しかし、上昇幅は米金利の動向次第とみる。米国株の反発に追随し米金利も上昇すれば、50日線の突破と10日線のトライを想定したい。
一方、米金利の上昇が抑制される場合は、50日線がサポートからレジスタンスへ転換する可能性を意識したい。後者の展開となれば、ドル円は少なくともFOMCの結果が判明するまで軟調地合いが続く可能性が出てくる。
ドル円のチャート
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