ロシアーウクライナ情勢次第のユーロ相場 / トレンドの転換が鮮明となったユーロドル / ドル円のチャートポイント
今のユーロ相場は、ロシアーウクライナ情勢次第でトレンドが左右される状況にある。緊張状態が続く間はユーロ売りの継続を予想。逆に緊張緩和となれば、一時的なユーロ急伸を意識したい。ドル円は115円台で底堅い動き。米国株を注視する状況にある。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ロシアーウクライナ情勢次第のユーロ相場
【サマリー】
・ユーロ相場のトレンドを左右するロシアーウクライナ情勢
・ユーロドルは1.13割れの局面あり トレンド転換を意識
・米金融引き締めペースの加速もユーロドルの下落要因
・ドル円の短期的な展望と上下のチャートポイント
・今のユーロ相場はロシアーウクライナ情勢次第
14日の外為市場は、ロシアーウクライナ情勢が意識されユーロ売りが継続した。
興味深いのは、対ロシアルーブル(EURRUB)で最もユーロ売りとなったこと。ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が意識された11日は、「ユーロ買い/ルーブル売り」となった。しかし、この動きは一過性に終わり、週明けの14日は「ユーロ売り/ルーブル買い」の展開に。欧州の地政学リスクを高めている当事者(ロシア)の通貨が買われた状況は、エネルギー価格の上昇がサポート要因になっていると考えられる。
資源を持つ者と持たざる者との差、ともいえるこの状況を考えるならば、外交努力によりロシアーウクライナ情勢の緊張が緩和するまで、ユーロ相場は調整の反発を挟みながらも下落リスクを意識する状況が続くと予想する。
なお、ロシアのラブロフ外相が「緊張緩和に向け米国やNATOと協議を続けるべき」と、プーチン大統領に進言したとの報道が伝わっている。実際にロシアが緊張緩和に向けた動きを取れば、一時的にユーロ相場が急伸する可能性がある点は意識しておきたい。
ユーロ相場のパフォーマンス(2月14日)
トレンドの転換が鮮明となったユーロドル
・下落トレンドへ転換するユーロドル
昨日のレポートでは、「1.13割れでユーロドルが下落トレンドへ転換したと判断したい」と指摘した。昨日のNYタイムにユーロドル(EURUSD)は、安値1.1278レベルまで下落する局面が見られた。
50日線(EMA)で戻りが止められ、21日線(SMA)や直近高安の半値戻し(1.1307)レベルをあっさり下方ブレイクした状況を考えるならば、ユーロドルは下落トレンドへ転換したと判断したい。
・米利上げ 今年は7回?
今のユーロドル(EURUSD)にとってロシアーウクライナ情勢は重要だが、米金融引き締めペースも今後のトレンドに大きく影響してくることが予想される。
短期金融市場では、パウエルFRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに1.75-2.00%の利上げをする確率を30%まで織り込み始めている。今年に入りマーケット関係者からは、合計7回の利上げを予想する意見が聞かれているが、短期金融市場でもこの点を織り込み始めたということである
ラガルドECBも今年後半に利上げに踏み切らざるを得ない状況に陥っているが、パウエルFRBとの金融引き締めペースの差は歴然としている。よって、米国が利上げサイクル入りする3月以降は、米欧金融引き締めペースの差を意識した「ユーロ売り/米ドル買い」の圧力が高まる可能性を意識しておきたい。
・ユーロドルのチャートポイント
1.13を割り込んだことで、目先ユーロドル(EURUSD)の焦点はフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.1263レベルのトライとなろう。この水準は、今月2~3日にかけて相場をサポートした経緯がある。
このテクニカルポイントをも下方ブレイクする場合は、1.12トライが焦点として浮上しよう。1.1208はフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。
一方、ロシアーウクライナ情勢の緊張緩和でユーロドルが反発する場合は、1.14レベルがレジスタンスポイントとして意識されるかどうか?が注目される。
1.14トライのシグナルとして、上で述べた21日線および50日線の突破、および移動平均線がサポートポイントへ転換するかどうか?を確認したい。
ユーロドルのチャート
ドル円のチャートポイント
下落トレンドにあるユーロドル(EURUSD)とは対照的に、ドル円(USDJPY)は115円台で底堅い動きとなっている。
緊張状態が続くロシアーウクライナ情勢を受けてなお、昨日の米債市場では2年債や5年債の利回りが上昇した。利回りの上昇は、上で述べた米金融引き締めペースの加速を意識した動きと考えられる。
ドル円との相関性が高い5年債利回りが上昇トレンドを維持していることで、米国株が下落してもドル円は上で述べたとおり115円台の維持に成功している。米金利が上昇トレンドにあるタイミングで、ロシアがウクライナ情勢の緊張緩和に向けて動き出すならば、米国株は反発することが予想される。
今日以降、米金利と米国株の上昇が同時に発生する場合は、116円台への再上昇を予想する。このケースでの焦点は、2度上昇を止めた116.30台のトライおよび突破となろう。この水準で3度上昇が止められる展開となれば、ドル円は短期的なレンジ相場へシフトする可能性が高まろう。
一方、リスク回避のトレンドが続く場合は、115円割れを想定しておきたい。このケースでは、50日線(EMA)のトライと維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、フィボナッチ・リトレースメントの76.4%のレベル(114.65)で推移している。
ドル円のチャート
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