メガチップスがストップ安、協業先の米インテルが5G通信半導体から撤退
・メガチップス、値下がり率が東証首位
・インテル決断の背景にアップルとクアルコムの和解
17日の東京株式市場でメガチップス<6875>が前日比400円の値幅制限の下限(ストップ安)で売り気配のまま引けた。米インテル<INTC>が16日、次世代の高速通信規格「5G」に対応するスマホ用通信半導体の開発から撤退すると発表。メガチップスの米子会社SiTimeがインテルと5G分野での協業を発表していたことで、先行きに対する警戒感から売りが膨らんだ。
終値は前日比400円(20.64%)安の1538円。値下がり率は東証の全市場を通じて首位だった。
アップル<AAPL>が16日、クアルコム<QCOM>と知財係争で和解し、クアルコムからの製品調達の再開を決めたことがインテルの決断の背景にある。
2020年モデルの「iPhone」の5Gモデムにはクアルコムのチップが使用される可能性が高まり、メガチップスの製品が同モデルに使用される可能性が遠ざかった。
翻弄されたインテル
アップルとクアルコムの知財係争は約2年に及んだ。特許使用料を過大に請求しているとして、17年1月にアップルがクアルコムを提訴し、これに対し、クアルコムもアップルが公正な特許使用料を支払っていないとして、同年4月にアップルを提訴していた。
5Gの規格策定で中心的な役割を果たしてきたクアルコムとの和解により、アップルは競合他社に出遅れていた「iPhone」の5G対応を強化することが可能になる。アップルはこれまでiPhoneの5G対応時期を明示していなかった。
昨年9月に発表したiPhone「XS」など最新モデル3機種でクアルコムの通信半導体の採用を見送ったアップルは今後、同社からの調達を再開する。クアルコムが保有するスマホ関連特許の使用料などの条件を定めた6年間のライセンス契約をアップルは新規に締結する。
一方、最新モデル3機種で単独サプライヤーになったインテルは、アップルとクアルコムの知財係争が激しさを増すなか、16年からiPhone向けに通信半導体を供給していた。
アップルはクアルコムとの和解前、5G対応のスマホ用通信半導体についてもインテルから調達する予定でいた。インテルは20年の発売を目指して開発を進めていた最中に撤退を発表した。
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