JDIが続伸、台中連合から800億円融資 出来高膨らむ
・INCJ議決権は12.7%に低下へ
・国内拠点の統廃合視野に
15日後場の東京株式市場でジャパンディスプレイ(JDI)<6740>が続伸。12日に台湾の電子部品メーカーなどで構成する台中コンソーシアムから最大800億円の金融支援を受けると発表したことで、財務懸念が和らぐとの見方が広がった。
午後2時15分現在、前週末比2円(2.53%)高の81円で取引されている。出来高は現時点で4184万9200株で、東証1部で2位。
JDIは12日の取締役会で、台湾の電子部品メーカーの宸鴻光電科技(TPK)や中国のファンドの嘉実基金管理グループなどで構成するSuwaコンソーシアムからの支援の受け入れを決定した。
JDIはコンソーシアムに対し、普通株420億円、新株予約権付社債180億円の第三者割当増資を実施する。さらに資金需要に応じ、新株予約権付社債200億円を割り当てる。
この結果、コンソーシアムの議決権比率は49.8%になる一方、現在の筆頭株主である官民ファンドのINCJの議決権比率は25.3%から12.7%に低下する。INCJはJDI向けの1520億円の債権をシニアローン(770億円)と優先株(750億円)に条件変更し、支援を継続する。
JDIの資本増強額は合計1170億円(コンソーシアムから420億円、INCJから750億円)になる。
調達資金は、運転資金や設備投資などに充当する。
JDIの月崎義幸社長は12日の記者会見で、中国での有機EL工場の建設に意欲を示すとともに、国内拠点の統廃合を視野に入れていると述べた。
米CFIUSの判断
当面の資金は調達したものの、懸念材料はまだある。米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が、中国企業によるJDIへの出資を問題視しないかどうかは不透明だ。
2018年にLIXILグループ<5938>がイタリア建材子会社を中国企業に売却しようと試みた際、CFIUSはこれを承認しなかった。
また今月11日には、東芝<6502>が、米液化天然ガス(LNG)事業を売却する予定だった中国の民間ガス会社から契約解除を求められたと発表。米中当局の審査の遅れなどが影響を及ぼしたとみられている。
JDIは12年、日立製作所<6501>、東芝、ソニーグループ<6758>の液晶事業を政府主導で統合し、「日の丸液晶連合」として発足した。中台傘下入りにより、当初の構想はとん挫する。
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