コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

輝きを増すゴールド、輝きを失う米ドル、金価格目先の見通し

先週16日、ゴールドのスポット価格が初めて2,500ドルを突破し過去最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが意識され、外為市場では米ドル安が進行している。この状況は、金価格のサポート要因となろう。次の上値目途は?反落局面で注目のチャート水準は?

Source: Adobe images Source: Adobe images

記事のポイント

・金先物価格に続き、スポット価格も2,500ドルの攻防へシフトしている
・FRBの利下げが意識され外為市場では米ドル安が進行している
・スポット金価格、目先の見通しと注目のチャート水準について
・米FRBの利下げ以外の要因にも注目


輝きを増すゴールド

ゴールド(以下では金価格)が騰勢を強めている。19日のNY金先物価格(12月物)は前週末比3.5ドル(0.1%)高の1トロイオンス2,541.3ドルと3日続伸した。一時2,549.9ドルまで上昇し、中心限月としての過去最高値を更新した。

そして、スポットの金価格(XAU)も先週16日に初めて2,500ドルを突破し最高値を更新した。昨日は上値の重い展開となったが2,500ドルを維持し、地合いの底堅さを印象付けた。

NY金価格(スポット):日足 23年12月以降

NY金価格(スポット):日足 23年12月以降

出所:TradingView

輝きを失う米ドル

金価格の上昇要因となっているのが、米ドル安である。

ドル指数(DXY)は昨日、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準102ポイントを完全に下方ブレイクし、今年1月上旬以来となる101.85レベルまで米ドル安が進行した。ゴールドとは対照的に、米ドルは輝きを失う状況にある。

ドル指数:日足 23年12月以降

ドル指数:日足 23年12月以降

出所:TradingView

FRBの緩和サイクルが下支え要因に

7月以降、ドル指数(DXY)は下降トレンドへ転じている(上の日足チャートを参照)。この動きに連動するように、金スポット価格の上昇幅が拡大していることが分かる(下のラインチャートを参照)。

米ドル安の主因は、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)を境に、緩和サイクルへ転じる可能性が高まっていることにある。

過去、FRBが利下げ政策へ転じるタイミング、またはその後にアメリカ経済が景気後退に陥るパターンが見られる。ゆえに、今後アメリカは景気の減速、または景気の後退局面入りの可能性がある。情勢次第でFRBは、連続利下げに追い込まれる可能性も否定できない。

いずれにせよ、パウエルFRBは利下げ政策への転換を模索している。米大統領選挙の結果にもよるが、現時点でのFRBの政策スタンスを考えるならば、目先の米債市場では利回りが緩やかに低下していくことが予想される。反発しても、その幅は限定的となる可能性が高い。

そして外為市場では、米ドル安のトレンドがさらに進行することが予想される。これらの状況は、金価格のサポート要因となろう。

ドル指数と金価格:日足 24年5月以降

ドル指数:日足 23年12月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

金価格の見通しとチャート分析

さらなる上値のトライ

スポット金価格(XAU)のトレンドを日足チャートで確認すると、MACDは金価格の地合いの強さを示唆している。RSIは70%手前で頭打ち感が漂うが、デッドクロスは確認されていない。2,500ドルを維持する状況にあることも考えるならば、金価格は調整の反落を挟みながら、さらなる上値トライを意識する状況にある。

金価格が上昇トレンドを維持する場合、次の上値目途として注目したいのが、フィボナッチ・エクステンション100%水準の2,543レベルである。直近の高値2,510レベルを完全に上方ブレイクする場合は、2,543レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

反落の局面で注目したいサポート水準

一方、金価格(XAU)の反落局面では2,480台の維持が焦点となろう。昨日の反落局面では、7月17日の高値2,484レベルがサポート水準として意識された。かつて相場の上昇を止めた水準がサポートの水準へ転換する場合は、金価格の強気地合いを市場参加者に印象付けよう。

また、本日5日線が2,484レベルまで上昇している(下のチャート、緑矢印を参照)。テクニカルの面でも2,480台の維持は、強気地合いの度合いを考えるうえで重要な水準となろう。

金価格が2,480を下方ブレイクする場合、次の焦点は10日線の攻防となろう(下のチャート、青ラインを参照)。この移動平均線は今日現在、2,460台まで上昇している。

今週、金価格の下落要因として注目したいのが、こちらのIG米国株レポートで取り上げた8月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値と週間の新規失業保険申請件数である。これらの経済指標がアメリカ経済の底堅さを示唆する場合は、「米ドルの買戻し→金の調整売り」を想定しておきたい。

NY金価格(スポット):日足 24年6月以降

ドル指数:日足 23年12月以降

出所:TradingView

NY金、注目のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・2,543:エクステンション100%水準
・2,510:直近の高値水準

下値の水準(サポート)

・2,484:7月17日高値、5日線
・2,460:10日線

米利下げ以外のサポート要因にも注目

パウエルFRBの利下げ政策以外にも、目先、金価格(XAU)の上昇要因として2つのことに注目したい。

一つは、中東情勢である。アメリカなどが仲介役となり、ガザ地区での停戦と人質解放に向けた協議が進められている。協議進展の期待が高まり、19日のNY原油先物価格(WTI)は下落した。

しかし、イスラエル軍によるガザ地区への攻撃は激しさを増している。停戦協議の最中でもイスラエルが強硬姿勢を維持している状況を考えるならば、中東の緊張が緩和へ向かっても、地政学リスクが再燃する可能性が常にくすぶるだろう。中東リスクは、安全資産としての金の投資妙味を高める要因として注目しておきたい。

もう一つ注目したいのが、中国人民銀行(中央銀行)の動きである。中国人民銀行は外貨準備の一部としての金購入を7月まで3カ月連続で見送っている。しかし今月より、中国人民銀行(中央銀行)から複数の国内銀行に新たな金輸入枠を割り当てられたことが報じられた(16日 ロイター 中国人民銀、市中銀行への金輸入枠割り当てを再開=消息筋)。金の需要が再び盛り上がるとの見込みが背景にあるという。中国勢による金購入が回復すれば、金価格の押し上げ要因になり得る。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の商品(コモディティ)トレード

  • 約70種類の商品が取引可能
  • 原油や金など主要な商品の円建て銘柄
  • 金・銀、原油はバイナリーでも

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。