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NY金、最高値を更新 勢い増す強気相場 ゴールド今日の見通し

強気相場の勢いが増しているNY金。30日の市場では先物価格とスポット価格がともに過去最高値を更新した。今日の見通しは?

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記事の概要

NY金の先物価格(4月物)は30日、中心限月として24年10月末以来、3カ月ぶりに過去最高値を更新した。スポット価格も過去最高値を更新し2,800ドル台が視野に入る。
米連邦準備制度理事会(FRB)は堅調な経済状況とインフレ再燃を考慮し、利下げをいったん停止した。10-12月期の米GDP(速報値)は前四半期から鈍化したが、個人消費は前期比年率で4.2%と底堅さを維持した。コアPCEも前期比年率で2.5%へ上昇した。しかし米長期金利の上昇が抑制された。トランプ関税を巡る不透明感が意識されていることも考えるならば、NY金相場は新たな上値の水準を見極める局面にある。

NY金が過去最高値を更新

NY金の先物価格(4月物)は30日、前日比51.7ドル(1.9%)高と大幅に上昇し2,845.2ドルで取引を終えた。一時2,853.2ドルまで上昇し、中心限月として2024年10月末以来、3ヶ月ぶりに過去最高値を更新した。

スポット価格も2,798ドルまで上昇し最高値を更新。今朝に2,799ドルまで上昇する局面が見られた。2,800ドル台への上昇を意識する状況にある。

スポット金価格のチャート

スポット金価格のチャート

出所:TradingView

上昇止まる米金利、トランプ関税の不透明感、PCEで連日の最高値更新も

10-12月期のアメリカGDP(速報値)の伸び率は前期比年率で2.3%と、前四半期の3.1%から鈍化した。しかし個人消費の伸び率は前期比年率で4.2%と前四半期の3.7%から拡大した。同期のコアPCE(速報値)も 前期比年率で2.5%と、前四半期の2.2%から上昇した。

本来であれば堅調な個人消費と根強いインフレ圧力は、10年債利回り(長期金利)の上昇要因である。しかしその長期金利は現在、4.5%台で上昇が抑制されている。

今日は2024年12月のアメリカ個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)が発表される。インフレ再燃の懸念が後退すれば、長期金利は4.5%を割り込むことが予想される。トランプ関税の不透明感が意識されている状況下での金利低下は、金価格の最高値更新を促す要因となろう。

米国 個人消費支出価格指数(PCEデフレーター):2023年12月以降

アメリカ個人消費支出価格指数(PCEデフレーター):2023年12月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:24年12月の予想

強気の見通しに傾く市場

ブルームバーグがまとめた12月PCEデフレーターの市場予想は、前年同月比のコア指数を除きインフレ圧力の根強さが示される見込みである。コアPCEデフレーターが市場の予想を超える場合は、米長期金利の上昇を想定したい。このケースでは、金価格に売りの圧力が高まることが予想される。

しかし、現在は金価格に対する市場の見通しが強気に傾いている。この点を先物の動向(カーブ分析)で確認すると、1ヶ月前と比べて水準が上昇している。この状況を考えるならば、本日金価格が下落してもその幅は限定的となることが予想される。昨日のように経済指標に対する米金利の反応が薄い場合、スポット価格は2,800ドル台の攻防シフトを想定したい。

金価格の見通し

金価格の見通し

ブルームバーグのデータで筆者が作成


金価格、今日の見通しと注目のテクニカルライン

2,800ドル台への上昇を想定
今日もNY金相場の上昇を想定したい。スポット価格(以下では金価格)は2,800ドル台の攻防を意識する状況にある。以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

・目先の焦点は2,800ドルの突破となろう

・金価格が2,800ドル台の攻防となる場合、今日は2つのレジスタンスラインに注目したい。最初の水準はフィボナッチ・エクステンション261.8%の水準2,827ドルである(1時間足を参照)。このテクニカルラインを一気に突破する場合は、2,850ドルを視野に上昇幅の拡大を予想する。テクニカルの面では、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準2,853ドルの攻防に注目したい(週足チャートを参照)。今日は上で述べた米経済指標が、金価格の上昇を促すきっかけになり得る

レジスタンスライン
・2,853:フィボナッチ・エクステンション61.8%(週足)
・2,827:フィボナッチ・エクステンション261.8%(1時間足)
・2,800:レジスタンスライン(1時間足)

反落の局面では10ドルのレンジで下値を探る展開に
最高値を更新した後は調整売りが入りやすい。金価格の反落局面では、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。いずれも「サポート転換」を意識する水準である。

・2024年の最高値2,790がサポートラインへ転換する場合は、地合いの強さを市場参加者に意識させよう。このケースでは、来週も金価格の上昇を想定したい

・2,790ドルを下方ブレイクする場合は、10ドルのレンジで下値の水準を見極めたい。2,780ドルと2,770ドルはいずれもサポートラインへ転換する可能性がある

・時間足のストキャスティクスとRSIで相場の過熱感を確認したい。1時間足ではともに買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じている。2,800ドルが目先のレジスタンスラインとして意識される可能性がある

・「山高ければ谷深し」。調整売りが加速し2,770ドルをも下方ブレイクする場合は、2,760ドルまでの下落を想定しておきたい。だが上で述べたとおり、今の市場では強気の見通しが高まっている。よって、反落の局面では押し目買いを考えたい

サポートライン
・2,790:2024年の最高値(週足)
・2,780:サポートライン(1時間足)
・2,770:サポートライン(1時間足)
・2,760:サポートライン(1時間足)


金価格のチャート

1時間足:1月24日以降

1時間足:1月24日以降

出所:TradingView

週足:2024年以降

週足:2024年以降

出所:TradingView


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