NY金利益確定売りで下落、NY原油70ドル台へ反発、中東リスク再来なら金価格を下支え
NY金の先物価格は31日、利益確定売りにより6営業日ぶりに反落した。スポット価格も最高値2,790ドルから下落した。イランがイスラエルに報復攻撃を準備しているとの報道を受け、NY原油先物価格(WTI)が70ドル台へ反発している。再び中東懸念が高まれば、金価格のサポート要因となろう。
記事のポイント
・31日の国際商品市況でNY金が大幅に下落した
・イラン報復報道を受け、NY原油(WTI)が70ドル台へ急反発している
・再び中東リスクが高まる場合は、金価格の押し上げ要因となろう
・金価格の下落局面では、引き続き押し目買いを狙いたい
スポット金価格、注目のチャート水準
レジスタンスポイント
・2,790:最高値の水準
・2,776:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・2,767:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・2,760:半値戻しの水準
サポートポイント
・2,746:10日線
・2,715:サポートポイント
・2,699:21日線
・2,685:短期サポートライン
利益確定売りでNY金が下落
31日の国際商品市況で、NY金の先物価格が6営業日ぶりに下落した。スポット価格(以下では金価格)も最高値2,790ドルから2,731ドルまで下落し、10日線を下方ブレイクする局面が見られた。
しかし、昨日金価格が下落した主因は利益確定売りによるものだった。金特有の下落要因があったわけではないことを考えるならば、強気相場が続くことが予想される。金価格の下落局面では、引き続き押し目買いのタイミングを考えたい。
金価格のサポートポイント
今日のIG為替レポート「ドル円の見通し 再びタカ派に傾く植田総裁、円高進行、米雇用統計と株式の動向次第でドル円はさらなる下落も」で述べたとおり、今日の米ドル相場は10月の雇用統計が材料視される可能性がある。雇用統計が米ドル買いの要因となれば、金価格は続落の展開が予想される。
このケースでは、10日線の完全な下方ブレイクと、21日線を視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。後者の移動平均線は今日現在、2,700ドルまで上昇している。ゆえに21日線の攻防では、2,700ドルを維持できるかどうか?が焦点となろう。
金価格が21日線をトライするサインとして、先月21日以降相場をサポートしている2,715レベルの攻防に注目したい。
来週以降、金価格が21日線を下方ブレイクしても、短期サポートラインより上の水準を維持する限りは、強気相場の継続を意識したい。
逆に金価格が短期サポートラインを下方ブレイクする場合は、調整の反落相場が進行するシグナルと捉えたい。
スポット金価格のチャート:日足 2024年7月以降
出所:TradingView
イランの報復報道でNY原油先物価格が70ドル台へ急反発
31日の国際商品市況でNY原油先物価格(WTI)は、通常取引が終了した後、70ドル台へ急反発した。イランがイスラエルに対して、数日以内に報復する可能性があるとの一部報道に反応した。
現状、NY原油先物価格は50日線の下で推移する状況にある。しかし、中東懸念が再び意識される状況となれば50日線のみならず、21日線をも突破する展開が予想される。
今の原油先物価格の動向は、市場参加者の中東リスクに対する警戒度合いを表す。ゆえに、原油先物価格の上昇幅が拡大する局面では、金価格も同時に上昇する展開が予想される(リスク回避の金買いが予想される)。
NY原油先物価格のチャート:日足 2024年6月以降
出所:TradingView
金価格のレジスタンスポイント
東京時間の金価格はじりじりと反発刷る状況にある。テクニカルの面ではフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準2,751ドルを突破し、半値戻しの水準2,760ドルが視野に入る
NY原油先物価格もじり高にある。上で述べた中東リスクの再燃が、再び国際商品市況のテーマに浮上しつつあることを匂わせる動きである。
このまま金価格の反発基調が続く場合、目先の焦点は2,770ドル台の突破となろう。フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準2,767レベルは、昨日のNY時間に相場の反発を止めた経緯がある。
金価格がフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準2,776レベルを突破する場合は、最高値2,790ドルをトライするサインと捉えたい(上の日足チャート、赤矢印を参照)。
なお来週以降、2,790ドルがレジスタンスからサポートラインへ転換する場合は、サポート転換した水準2,480を起点としたフィボナッチ・エクステンション100%の水準2,816レベルを視野に上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。
分足のRSIは買われ過ぎの水準へ上昇している。MACDとともにデッドクロスへ転じ、かつMACDがゼロラインを下回る場合は、10日線のトライを意識したい。
金価格が10日線をトライする局面で、MACDとRSIが一転してゴールデンクロスへ転じる場合は、押し目買いを考えたい。
スポット金価格のチャート:15分足 10月31日
出所:TradingView
再掲 スポット金、注目のチャート水準
レジスタンスポイント
・2,790:最高値の水準
・2,776:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・2,767:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・2,760:半値戻しの水準
サポートポイント
・2,746:10日線
・2,715:サポートポイント
・2,699:21日線
・2,685:短期サポートライン
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