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金価格が続伸、しかし強気相場へ転じたとはいえず、今は米ドルにらみ 今日の見通し

NY金の弱気地合いが後退している。しかし強気相場へ転じたとは判断するのはまだ早い。今日も上値を目指す場合は、3つの移動平均線に注目したい。一方、反落の局面では2,610ドルの維持が焦点となろう。今日の見通しについて。

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金価格が続伸し弱気地合いが後退、米ドルとの逆相関の関係が戻る

米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、NY金(以下では金価格)の弱気地合いが後退している。その主因は、米ドル高の一服にある。この点をスポット金価格とドル指数(DXY)の日次騰落率で確認すると、今月12日以降、米ドルと金価格が従来の逆相関の関係に戻っていることが分かる。

そして、米FOMCの翌日19日以降、米ドル高の圧力が後退するなかで金価格が底堅さを取り戻す状況にある(下のチャート黒枠を参照)。26日の市場ではウクライナとロシアを巡る地政学リスクも意識されたことで、金価格が上昇した。

ドル指数とスポット金価格の騰落率:日次 12月以降

ドル指数とスポット金価格の騰落率:日次 12月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

金価格が強気相場へ転じたとは言えず

しかし、金価格が強気相場へ転じたと判断するのは早い。この点を先物カーブのトレンドで確認すると、12月のFOMC以降、金価格の弱気見通しは確かに後退している。しかし、アメリカの大統領選挙が行われた11月5日時点(まだ結果が判明していない時点)での見通しと比べると、金価格が強気相場へ転じたとは言えない。

金価格の見通し

金価格の見通し

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 12月27日は午後12時時点の動向


上昇の局面では3つの移動平均線の攻防に注目

テクニカルの面でも、スポット金価格の反落を警戒する状況が続いている。本日、上値をトライする局面で注目したいのが、3つの移動平均線の攻防である。

・金価格の弱気地合いは後退している。しかし、サポートからレジスタンスのラインへ転換した21日線と75日線の手前では上値が重い

・21日線のすぐ下は、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準2,637ドルである。75日線は半値戻しの水準2,654ドルで推移している。重要なテクニカルラインが重なるこれら移動平均線で金価格の反発が止められる場合は、戻り売りを考えたい

・金価格が75日線を突破しても、2,665ドルには50日線が控えている。この移動平均線を完全に突破しない限り、金価格の反落を警戒する相場が続こう

レジスタンスラインまとめ

・2,665:50日線(日足)
・2,654:半値戻し、75日線(日足)
・2,641:21日線(日足)
・2,637:フィボナッチ・リトレースメント38.2%(日足)

下落の局面では2,610の維持が焦点に

日足のMACDは反発ムードにあるが、未だにゼロラインより下の水準で推移している。モメンタムも同じ状況にある。上で取り上げたレジスタンスラインの突破に失敗し続ける場合は、2,610ドルの維持が焦点となろう。

・本日、米ドルの反発などで金価格が反落する場合、まずは2つのフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準の攻防に注目したい。特に12月20日の安値を基点とした38.2%戻しは、レジスタンスラインからサポートラインへ転換する可能性がある(45分足の黒矢印を参照)

・2,610ドル台の攻防では、12月24日の安値を基点とした76.4%戻しの水準2,616ドルの攻防が焦点となろう。このテクニカルラインの下方ブレイクは、12月24日安値が基点の全戻しのトライを想定したい。なお、すぐ下の水準2,608レベルは12月20日安値が基点の61.8%にあたる

・30分足のストキャスティクスとRSIで相場の過熱感を確認したい。上で取り上げたテクニカルラインを金価格がトライする局面で、ストキャスティクスとRSIが同時にゴールデンクロス(デッドクロス)へ転じる場合は、押し目買い(戻り売り)を考えたい

サポートラインまとめ

・2,628:フィボナッチ・リトレースメント38.2%(30分足)
・2,620:フィボナッチ・リトレースメント38.2%(30分足)
・2,616:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(30分足)
・2,609:全戻し、フィボナッチ・リトレースメント61.8%(30分足)


金価格のチャート

日足:24年10月の下旬以降

日足:10月の下旬以降

出所:TradingView

30分足:12月19日以降

45分足:12月19日以降

出所:TradingView


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