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SUMCOは補助金報道で急伸 日経平均株価は下落に歯止め

日本政府が多額の補助金支援をすると報じられたSUMCOの株価は上振れし、半導体セクターの評価額を高めた。一方、日経平均株価の下落には歯止めがかかった。

chart 出所:ブルームバーグ

半導体業界は引き続きニュースを独占しており、日本の株式市場への貢献度が浮き彫りとなった。11日には、SUMCO(3436)が補助金支援を受けると報じられ、同社の株価は上昇した。これは人気度の高い半導体市場を押し上げようとする日本政府の動きの一例と言える。

それを除くと、日経平均株価は落ち着きを見せたものの、33年ぶりの高値圏で推移しており、評価額の上昇を続けた。

SUMCO株が急伸

SUMCOは、スマートフォンや車、コンピュータを動かす高度な半導体チップの製造に欠かせないシリコンウェハーを扱う企業だ。人工知能(AI)の業務への導入も推進しており、これが好感されている。11日に報道が流れると、同社の株価は4.75%上昇した。2,072円で取引を終え、時価総額は7255億円となった。日本経済新聞の報道によると、同社の生産能力増強のために、日本政府が最大750億円の補助金を出すとされている。

生産能力が増強されると業務をスケールアップし、増収増益につながる可能性がある。既に同社は昨年、31.4%の増収、112.8%の増益を記録している。

同社は配当金支払いもしており、昨年の配当額は1株あたり81円であった。業務が拡大すると、配当額が増額する可能性もある。同社の評価額は年初来で17.9%上昇しており、日本のハイテク株への注目を追い風としている。

東京エレクトロン(8035)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、アドバンテスト(6857)などの会社は今年に入ってから評価額が急上昇している。例えば、Global XのJapan Semiconductor ETFは、6ヶ月間で50%以上上昇しており、日経平均株価を上回っている。

この主因としては、新型コロナウイルスが流行した際に分断されたサプライチェーンが回復していることが挙げられる。また、中国から離れようとする動きが、西側諸国と同調する日本のような国への注目へつながっている。さらに、「ChatGPT」やグーグル(GOOG)の「Bard」など、高度なチャットボットツールが牽引する、AIの爆発的な普及と技術革新の結果でもある。

半導体ウエハーの製造大手である信越化学工業(4063)は11日、0.15%安となり4,584円で取引を終えた。時価総額は9.25兆円だった。同社の株価は3月後半の株式分割以来、8%ほど上昇している。

日本の半導体市場に補助金はつきもので、今後も補助金の給付の可能性は十分あり、日本の半導体株の可能性を示唆している。

日経平均株価は下落に歯止め

SUMCOの株価が急伸した中、11日の日経平均株価は比較的落ち着いた動きを見せた。同日中には0.04%上昇し、32,203円6銭で取引を終えた。見栄えはしない動きとはなったものの、現状を考慮すると投資家やトレーダーにとっては嬉しい日となったかもしれない。日経平均株価は3日以降の1週間で4.6%下落しており、小幅高が連日安に歯止めをかけた形となった。

今年に入ってからの日経平均株価の急騰は、1989年水準まで値が戻るとの期待感を膨らませたが、7月第2週の値下がりはその夢を砕くものとなった。話題の半導体株の注目度の高まりと、日本の主な輸出企業からの需要は、日本株にとって好材料となっている。

一方、米ドル/円相場は円高傾向にあり、輸出型企業にとっては懸念材料となり得る。米国の経済状況がますます薔薇色に見える中、米ドル/円相場は5日から11日にかけて約3%下落した。

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