テスラ株、6%急落 決算発表で低成長を警告 次世代車は2025年
テスラが2024年の成長が前年よりも著しく低くなると警告。2025年の次世代車投入までの過渡期に入るとしている。
電気自動車(EV)大手のテスラが24日の取引時間終了後に発表した2023年10-12月期決算は事前予想を下回る悪い結果だった。現在は次世代車投入までの過渡期にあるとして、2024年の販売台数の伸びは2023年よりも「著しく低くなる」としている。テスラの株価(TSLA)は24日の時間外取引で一時、この日の終値から6%超下落。テスラのイーロン・マスクCEOは決算会見で次世代車の投入時期は2025年後半を見込んでいると明かしたが、投資家の不安は治まっていないようだ。
テスラの10-12月期決算は総収入、EPSともに予想に届かず
テスラの10-12月期決算は総収入が前年同期比3.5%増の251.67億ドル。またテスラ決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益(EPS)は40.3%減の0.71ドルだった。LSEGによると、直前の市場予想は総収入が256.16億ドル、調整ベースの1株当たり利益が0.74ドル。発表された数字はいずれも予想を下回る結果で、悪い決算だったといえる。
テスラの総収入の伸び率は7-9月期の8.8%増から成長ペースがさらに鈍化した形。4-6月期までの4四半期は平均40%以上で推移してきたことを考えれば、テスラの成長に急ブレーキがかかっている。また、総収入に占める粗利益の割合(粗利益率)は17.63%で、7-9月期(17.89%)からわずかに低下した。
2024年の販売台数は2023年を著しく下回る見通し
投資家の失望を招いたのは10-12月期の結果だけではない。テスラの決算発表資料は2024年の見通しについて、「車両台数の伸び率は2023年の実績よりも著しく低くなる」と言及。投資家に対して2023年の販売台数の伸び率(約38%)からの落ち込みを警告した。テキサス州の生産拠点で次世代車の投入に向けた準備に力を注ぐことを理由に挙げている。現在の低成長は、モデル3とモデルYの世界的な販売拡大で始まった最初のピークと、次世代車投入で始まると予想される第2のピークの間にあたるという。
決算発表を受けた24日の時間外取引ではテスラ株が急落。一時、195.05ドル程度で取引された。24日終値(207.83ドル)との比較では6%超安となる水準だ。
イーロン・マスク氏「次世代車投入は2025年後半」
マスク氏は決算会見で次世代車の投入時期について、暫定的な目標だとしながらも「2025年後半」との見通しを明らかにした。また、自動車ローンの引き下げにつながる金利水準の低下が起きれば販売にとっては追い風になるとの見方も改めて示している。
ただ、テスラ自身が成長の過渡期入りを認めたことで、投資家の不安は今後も膨らんでいく可能性がある。LSEGのデータでは、現在のテスラ株の水準は2021年11月4日の上場来高値(409.97ドル)の半分程度にあたるが、さらに下落圧力がかかることも想定されそうだ。
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