FOMC後も高止まりする米長期金利 / ドル円と豪ドル米ドルの焦点
今日のポイント:『米長期金利はFOMC後も1.6%台を維持。高止まりの可能性が出てきた。米株高トレンドが続いていることを考えると、ドル円は引き続き長期レジスタンスラインの攻防が焦点に。豪ドル/米ドルの動向にも注目』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
FOMC後も高止まりする米長期金利
米連邦準備理事会(FRB)は17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、今年の経済成長率を6.5%とし、昨年12月の予測(4.2)から大幅に上方修正した。
注目されたインフレ予測(コアPCE)については21年度中に2.2%まで上昇後、22年は2.0%、23年は2.1%になると予測した。
一方で、ゼロ金利政策を2023年末まで維持する方針を改めて示し、かつパウエル議長は会見で量的緩和の縮小(テーパリング)についても協議を始める時期ではないとした。
筆者は、インフレ予測の上方修正は米金利の上昇要因と考えていた。
しかし、米債市場はこの点よりもパウエルFRBの慎重姿勢の方に反応し、FOMC後に米長期金利は低下した。
この動きに連動するように、外為市場ではオセアニア通貨と新興国通貨買いの圧力が高まると同時に、米ドルが売られる展開となった。
米長期金利のチャート
FOMC後に米株の上昇幅が拡大したことも考えるならば、米国市場は今回のFOMCを『ハト派より』と受け止めたことになる。
そうであるならば長期金利は1.6%の水準を一気に下方ブレイクしてもおかしくなかった。
しかし、実際には1.62%レベルまで低下するも、その後は1.64%まで上昇している。『ハト派より』のFOMCを受けても1.6%台を維持している状況を考えるならば、米長期金利は高止まりの展開となる可能性が出てきた。
金利の上昇リスクに対する耐性が強まっている米株の動向も考えるならば、ドル円は昨日のような調整の反落を挟みながらも、緩やかな上昇トレンドの維持を予想する。
レジスタンスラインの攻防が続くドル円
ドル円は、このレポートで何度も指摘している長期レジスタンスラインの攻防が引き続き焦点となろう。このラインは今日現在109.28レベルで推移している。
米金利が上昇する場合は、このラインの突破を想定したい。
しかし、予想変動率(1週間)が低下していることを考えるならば、ドル円がレジスタンスラインを突破しても、一気に110円を目指す状況ではなくなっている。
ドル円がレジスタンスラインの突破に成功する場合、まずは昨年6月5日の戻り高値109.84をトライするかどうか?この点に注目したい。
一方、下値の焦点は108円台の維持で変わらず。
米金利が低下する局面では、今週に入り相場をサポートしている108.70台の攻防に注目したい。
この水準を下方ブレイクする場合は、先週のサポートポイント108.30台を視野に下落幅の拡大を予想する。
ドル円のチャート
豪ドル/米ドルの焦点
株式との相関性が高い豪ドル/米ドルにも注目したい。直近は、0.77レベルで長い下ヒゲが示現し底堅さを維持している。
米株高のトレンドが続いている状況や市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)が上昇基調にあることも考えるならば、目先はフィボナッチ・プロジェクション50%の水準0.7830レベルをトライするかどうか?この点に注目したい。
次の上値の焦点は61.8%の水準0.7880レベルとなろう。昨日のように『株高/金利の低下』局面では、上記のレジスタンスポイントをトライする展開を予想する。
一方、米株の反落局面では0.77台の維持が焦点となろう。米株が続落基調とならない限り、豪ドル/米ドルは0.77レベルで反転する展開を予想する。
豪ドル/米ドルのチャート
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