FOMC議事要旨への反応は限定的 / ドル円とユーロドルの焦点
サマリー:「FOMC議事録に対する外為市場の反応は限定的。ドル円は短期サポートラインを維持するも米金利の低下基調が続く場合は下値トライを警戒したい。下落トレンドが続くユーロドルは調整の反発を意識したい。上下のチャートポイントは?」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
FOMC議事要旨への反応は限定的
米連邦準備理事会(FRB)は7日、6月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。数名のメンバーが、政策変更の条件について想定よりも早く満たされるとの見方を示した。しかし、最大雇用には程遠い労働市場の状況など経済の不確実性も指摘された。また、量的緩和の縮小(テーパリング)については、前もって周知する方針も示した。
パウエルFRBが政策転換のスタンスへシフトしたのは先月のFOMCで確認済み。今回のFOMC議事要旨に対する外為市場の反応は限定的だった。
ドル円の焦点
今日のドル円(USDJPY)だが、上値の焦点は111円のトライとなろう。一方、下値の焦点は110円台の維持および50日EMA(今日現在109.90レベル)のトライを想定したい。
昨日のドル円は、短期サポートライン(今日現在110.42レベル)の維持に成功した。しかし、米国の債券市場で金利の下げが続いていることもあり、上値は重かった。
FRBの政策変更スタンスを受けても、現在の米2年債利回りは低下基調にある。また10年債のそれは昨日、一時1.30%を割り込む局面が見られた。金利との連動性が高いドル円の特性を考えるならば、今の米金利の状況はドル円にとってネガティブである。今日も米金利の低下が続く場合は、短期サポートラインのブレイクおよび110円トライを意識したい。
110円をも下抜ける場合は、4月の下旬以降、相場をサポートしてきた50日EMAの攻防を想定したい。現在は、FRBの政策変更とそれに伴う米ドルの先高観を受け、他のドルストレートでは米ドル買い優勢の局面が見られる。この買い圧力によりドル円の下落圧力が相殺される展開を予想する。
一方、上値の焦点は111円のトライ、突破そして111円台の維持で変わらず。
昨日の日足ローソク足は十字線となった。これ以上の下値トライには市場の気迷いが感じられる。短期サポートラインを維持したことも考えるならば、米金利が反発する場合は111円トライを予想する。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点
ユーロドル(EURUSD)は昨日、1.18台を下方ブレイクした(安値1.1780)。
各EMAでのデッドクロス、10日EMA(今日現在1.1854レベル)で上値が抑制され、かつフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準1.1835レベルを完全に下方ブレイクしている状況を考えるならば、ユーロドルは新たなサポートポイントの水準を見極める局面にある。
だが、短期間で下落幅が拡大しているため、本日は調整の反発を意識したい。このケースでは、上で述べた10日EMAのトライおよび突破が焦点となろう。このEMAで上値が抑制される場合、ユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
逆に10日EMAを上方ブレイクする場合は、明日以降、1.19台への再上昇が焦点となろう。このケースでは、21日EMA(今日現在1.1921レベル)のトライが焦点となろう。
一方、下値をトライする状況が続く場合は、1.1736(4/5安値)の攻防に注目したい。この水準のブレイクは、1.17トライのシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
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