次の焦点は5月の米国CPI / ドル円は135円を目指す動きが続く
ECBイベントを通過し次の焦点は5月の米国CPIへ。米債市場の反応に注目。ドル円の予想変動率が再び急拡大している。135円のトライそしてブレイクが焦点に。反落局面で注目すべきテクニカルポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
次の焦点は5月の米国CPI
【サマリー】
・市場の関心は5月米CPIへ
・これからのインフレの焦点は「低下しないリスク」にある
・米利回りの上昇は2つの観点からドル高の要因に
・再び急拡大するドル円の予想変動率
・ドル円の焦点は135円のトライ&ブレイクで変わらず
・次の焦点は5月の米CPI
欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で7月の0.25ポイント利上げと7月1日の量的緩和政策終了の方針を示した。また、インフレの動向次第では9月会合での大幅利上げの可能性も示唆した。今回のECBイベントにユーロ相場は下落で反応した。昨日のユーロ売りは、「タカ派のECBイベント」の期待が肩透かしに終わったことを示唆している。
一方、米国の債券市場では利回りの上昇基調が続いた。ECBが政策転換に舵を切ったことで、世界的かつ急速な金融引き締めのトレンドがより鮮明となった。
中長期のスパンで考えるならば、この動きは債券利回りの低下要因であるが、現在は上昇の圧力がかかりやすい状況にある。この圧力がさらに強まるかどうか?を見極めるため、各市場の参加者の関心は今晩の5月米消費者物価指数(CPI)の内容に集まっている。
米国CPIの推移
・インフレの焦点
今後、インフレに関する焦点はピークアウトではなく、順調に低下するかどうか?この点にある。アメリカの期待インフレ率(1年先)の動きを確認すると、再び反発基調にあり5%の水準を超えてきた。予想外に長引いている半導体の不足やロシアーウクライナ紛争による資源供給の問題により、5月の米CPIを含めたインフレ指標で「低下しないリスク」が強く意識される場合、短期的に米国債の利回りには上昇の圧力が強まることが予想される。
米国の期待インフレ率(1年)のチャート
・米利回りとドル相場
米国債利回りの中でも、特に重視されるのが長期債の利回り(10年債利回り)である。今の長期債利回りの上昇は実質金利(10年)の上昇を促している。この動きがより鮮明となれば、米国株の下落要因となろう。
一方、外為市場ではアメリカの金利(長期債利回りと実質金利)の上昇と株安(リスク回避相場)が重なることで、米ドル高優勢のトレンドが続くことが予想される。事実、アメリカの利回り、ドルインデックス(DXY)そして米国株(S&P500指数)のトレンドを確認すると利回り上昇の動きに連動し、再びドル高優勢のムードが高まる一方で、米国株は下落トレンドを形成している。
アメリカ金利、ドルインデックス、米国株(S&P500指数)のチャート
ドル円は135円を目指す動きに変化なし
・再び急上昇する予想変動率
昨日のドル円(USDJPY)は、133.18レベルまで下落する局面が見られた。しかし、米債市場で利回りの上昇基調が続いたことから、すぐに134円台を回復。昨日の反落は、ドル円の地合いの強さを印象付ける結果となった。
ドル円の予想変動率(1週間)を確認すると、15%前後まで急上昇している。3月から4月にかけて見られた急激な上昇の再来は、現在のドル円は変動幅が拡大しやすい状況にあることを示唆している。そして昨日の動きを考えるならば、今は上方向への上昇幅拡大を想定する局面にあり、最大の焦点は135円のトライ&ブレイクである。
ドル円と予想変動率(1週間)のチャート
・上下のチャートポイント
上で述べたドル円(USDJPY)の予想変動率の上昇に加えて、昨日の反落が5日移動平均線(SMA)で止められた経緯も考えるならば、135.00をブレイクする可能性が高まっている。
ドル円が難なく135円台へ上昇する場合は、136.00のトライが次の焦点として浮上しよう。実際にドル円が136円台の攻防へ一気にシフトする場合は、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準136.68レベルの攻防となるかどうか?この点に注目したい。
一方、ドル円の反落局面では、5日線を維持するかどうか?引き続きこの点を確認したい。今日現在、この移動平均線は133.40台で推移している。
ドル円のチャート
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