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【NY金】米中貿易摩擦の懸念後退、金価格は想定通りの調整売り、目先の焦点とサポートライン

金価格は現在、IGコモディティレポートで指摘した調整売りに直面している。今の焦点は、新たなサポートラインの見極めにある。金価格の下落は押し目買いの好機と考えたい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

金価格が史上初めて3,500ドルへ到達したタイミングで、米中の貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感が高まっている。これまでのリスク回避相場が逆回転している。金価格の焦点は、新たなサポートラインの見極めにあろう。だが、米中交渉は紆余曲折が予想される。金価格の下落は押し目買いの好機と考えたい。


米中貿易摩擦の緩和期待で「米国売り」が“逆回転”

トランプ米大統領とベッセント財務長官の発言を受け、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感が高まっている。そしてこの期待感は市場のトレンドを一変させている。

米株式市場では主要指数の反発ムードが強まっている。特に米中対立の懸念後退を受け主要ハイテク株と半導体株が買われ、ナスダック指数は今週に入り2%超上昇している。

米株価指数の変動率:4月21日~23日

米株価指数の変動率:4月21日~23日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

一方、外為市場では米ドルのショートカバー(買い戻し)が続き、今週に入り対G10通貨で米ドル高優勢の状況にある。ドル指数(DXY)は0.5%近く反発し、節目の100ポイントが視野に入る。また、米債市場では10年債利回りの上昇が一服している。再燃が懸念された「米国売り」が一転し、今はその“逆回転”相場を意識する状況にある。

米ドル 対G10通貨の変動率:4月21日~23日

米ドル 対G10通貨の変動率:4月21日~23日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

金価格は新たなサポートラインを見極める局面に

今の米国市場と外為市場は、「逆回転相場」を意識する状況にある。ゆえに国際商品の市場では、22日の市場で一気に3,500ドルへ急騰したスポット金価格(以下では金価格)は、21日のIGコモディティレポートで指摘した「調整売り」を警戒すべき局面にある。

日足チャートで金価格のトレンドを確認すると、21日のレポートで取り上げたストキャスティクスとRSIは“買われ過ぎ”の水準からデッドクロスへ転じ低下基調にある(日足チャート、赤矢印を参照)。今年に入り一時30%を超える上昇(高安ベース)の局面が見られたことも考えるならば、さすがに相場の過熱感(買われ過ぎ)が意識されやすい状況にある。

「逆回転相場」の主因は、米中貿易摩擦の緩和期待にある。そしてこの期待は、トランプ大統領とベッセント財務長官の発言を受けて高まった。21日の市場で「米国売り」が再燃した後、トランプ米政権の要人がそろって強硬姿勢の緩和を印象付ける発言をしたことを考えるならば市場の動き、特に米金利の上昇を警戒していることがうかがえる。

これからもトランプ米政権は硬軟織り交ぜた姿勢で各国との関税交渉に臨むだろう。特に米中交渉では紆余曲折が予想され、貿易戦争の懸念がくすぶる。だが、ひとまず緩和の姿勢へ転じている今のトランプ米政権の動きを考えるならば目先の金価格は、調整売りにより、どの水準まで下落するのか、言いかえればどの水準が新たなサポートラインとなるのか?この点が焦点となろう。

金価格のチャート:日足 2025年以降

金価格のチャート:日足 2025年以降

出所:TradingView


金価格の見通しと注目のテクニカルライン

下落は押し目買いの好機、3つのサポートラインと3,160台の攻防に注目
金価格の調整売りが続く場合、目先は4月3日の高値水準3,160ドル台の維持が焦点となろう。この水準がレジスタンスラインからサポートラインへ転換する場合は、地合いの強さが続いていることを市場参加者に意識させよう。

金価格が3,160台を目指すサインとして、3つのサポートラインの攻防に注目したい。最初のラインは、直近の反落相場を止めるムードにある10日線である。次のラインが一目の基準線となろう。いずれのテクニカルラインも相場をサポートした経緯がある。
3つめのラインが20日線である。この移動平均線は今日現在、3,180ドル台と3,160台ドルの上で推移している。調整売りが続く場合は、これらテクニカルラインがサポートゾーンを形成する可能性があろう。

今は金価格の調整売りを意識する局面にある。しかし米中交渉が難航する可能性があること、また米国と対立する各国中銀のゴールド買いが続いていることも考えるならば、筆者は中長期のスパンで金価格は上昇トレンドを維持すると考えている。金価格の下落は押し目買いの好機と考えたい。

サポートライン
・3,292:10日線
・3,228:一目基準線
・3,181:20日線
・3,167:4月3日の高値水準

まずは3,400ドルへの再上昇が焦点に
一方、金価格の反発局面で目先注目したいレジスタンスラインは3,400ドルである。このラインをトライするサインとして、昨日の相場の反発を止めた3,340ドルと3,386ドルの攻防に注目したい(15分足を参照)。今日の東京時間に前者の3,340ドルをトライする局面が見られた。

金価格が3,400ドル台へ反発する場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準3,408ドルと76.4%の水準3,443ドルの攻防が焦点となろう。

金価格が3,400ドル台をしっかりと維持する展開となれば、フィボナッチ・エクステンション161.8%の水準3,500ドルを視野に上昇幅の拡大を想定したい(日足チャートを参照)。

サポートライン
・3,443:76.4%戻し
・3,408:61.8%戻し
・3,386:レジスタンスライン
・3,340:レジスタンスライン


金価格のチャート

日足:今年の2月下旬以降

日足:今年の2月下旬以降

出所:TradingView

15分足:4月22日以降

15分足:4月22日以降

出所:TradingView


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