米債務上限問題、Xデーは6月5日 合意法案審議30日開始へ
米国の債務上限問題がヤマ場を迎えた。下院議事規則委員会は30日の審議開始を予定しているが、上院通過までは曲折もあり得る。
米下院議事規則委員会は30日午後、債務上限問題に関してバイデン大統領(民主党)とマッカーシー下院議長(共和党)が合意した法案の審議を始める。法案が委員会を通過すれば、本会議での採決に進む見通し。下院本会議も通過すれば、上院での審議に回される。イエレン財務長官は6月5日に米国債が債務不履行(デフォルト)に陥る恐れがあるとしており、審議が滞れば金融市場が混乱するおそれもある。
債務上限問題の合意法案の審議は30日開始予定
議事規則委員会は30日午後3時(日本時間31日午前4時)の開始が予定されている。委員会は共和党9人、民主党4人の構成。ロイター通信によると、このうち共和党の2人の議員が法案への反対を表明しているという。
反対議員の一人であるチップ・ロイ下院議員(テキサス州)はツイッターへの投稿で、「議事規則委員会は共和党議員全員が賛成していない議案は下院本会議に送らない」との見解を示した。マッカーシー氏が下院議長に選出される際、共和党内で合意があったとしている。実際に合意があったかどうかは不明だが、ロイ氏は「共和党議員の最低でも7人が賛成すること」も委員会通過の条件だとも指摘している。
米CNNは複数の共和党幹部が委員会通過について、「共和党議員の全員賛成」が条件となっていることを否定する一方、「共和党議員最低7人の賛成」の条件があったことは認めたと報じている。
米議会は下院では共和党が多数派、上院は民主党が多数派を占めている。バイデン氏とマッカーシー氏が合意した法案は債務上限の効力を2025年1月まで停止する内容。ホワイトハウスによると、2024会計年度(2023年10月-2024年9月)の国防費を除いた歳出規模を2023会計年度並みとし、2025会計年度は国防費を除いた歳出規模と国防費をそれぞれ1%増やすことなどが盛り込まれているという。
イエレン財務長官、「6月5日」の債務不履行を警告
マッカーシー氏ら下院共和党執行部は28日の声明で、法案の内容を「米国民にふさわしい勝利だ」と位置づけた。バイデン氏も「合意は妥協の結果だ」としつつ、歳出削減と重要政策を両立させるための合意であることを強調し、議会に法案可決を求めている。
イエレン氏は26日付のマッカーシー氏あての書簡で、「6月5日までに議会が債務上限を引き上げるか停止する」ことがなければ、米国債がデフォルトする可能性があるとの試算を示している。下院や上院での審議がスムーズに進まないまま5日が近づけば、一部の米国債の価格が下落して利回りが急上昇したり、株式相場が下落するといった混乱が生じる恐れがある。
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