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ドル円と2年債利回りの関係 / 下落基調が鮮明となってきたユーロドルの焦点は?

ドル円は115円台の攻防へ。今後は米2年債利回りの動きに影響を受ける相場となるか?に注目。ユーロドルは1.12のサポートポイントを大陰線で下方ブレイク。再び下落トレンドが鮮明に。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

ドル円と2年債利回りの関係


【サマリー】

・米5年債利回りと10年債利回りの上昇が一服してもドル円は115円台の攻防へ
・今後の焦点はドル円と米2年債利回りとの相関性の復活
・ドル円のチャートポイント
・下落基調が鮮明となってきたユーロドルの焦点
・ユーロドルのチャートポイント



・ドル円と2年債利回り 相関性の復活が焦点に

27日の米国債券市場では、5年債利回りと10年債利回り(以下長期金利)の上昇が一服した。しかし、米金融政策の方向性に連動する2年債利回りは1.20%台の水準へと上昇した。

ドル円(USDJPY)は米金利との相関性が高いという特徴があるが、これは1月25日のレポートで指摘したとおり、5年債利回りと10年債利回りの話である。

しかし、昨日のドル円は115円台へ上昇し、高値115.48を付ける局面が見られた。米5年債利回りと10年債利回りの上昇が抑制されても、2年債利回りの動きに連動するようにドル円が上昇した状況は、ドル円と米2年債利回りの相関性復活が今後の焦点になり得ることを示唆している。

米2年債利回りとドル円のチャート

米2年債利回りとドル円のチャート


・ドル円のチャートポイント

10日線(SMA)と50日線(EMA)、そして115.00をも大陽線でブレイクした状況は、ドル円(USDJPY)の地合いの強さを示唆している。米国株の不安定な状況は、ドル円の反落要因として注視すべきである。しかし、FOMC後の動きを重視するならば、今はトレンドフォローを意識し新たな上値の水準を探ることが重要である。

ドル円が上昇トレンドを維持する場合、まずはフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準115.38レベルを完全に突破できるかどうか?この点に注目したい。昨日は、このテクニカルポイントで上昇が止められた(終値ベース)。

今日以降、115.38レベルの突破に成功する場合、次の焦点は昨日の高値115.48レベル、そしてフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準115.66レベルの突破となろう。後者の水準は、今月11日に相場の戻りを止めた経緯がある(この時の高値は115.67)。また、この時の日足ローソク足では、長い上ヒゲが示現した。

ドル円が115.66レベルの突破にも成功する場合は、116.00トライが焦点として浮上しよう。

一方、ドル円が反落する場合は、115円台の維持に注目したい。

114円台へ反落する場合は、10日線がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点が焦点となろう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート


下落基調が鮮明となってきたユーロドルの焦点は?

・米欧金融政策スタンスの違いとユーロドルの下落

対円だけでなく、対ユーロでも米ドル高の圧力が高まっている。ユーロドル(EURUSD)は昨日、サポートポイントの1.12だけでなく、昨年の最安値1.1184(昨年11月24日安値)をも大陰線で一気に下方ブレイクした。

FOMC後、2日連続で大陰線が示現しての1.12ブレイクは、金融政策の正常化に向かって突き進むパウエルFRBと金融緩和政策のスタンスを維持するラガルドECBという構図を意識した動きと言える。

短期金融市場では、今年の米利上げについて5回を織り込む動きが見られる。3月のFOMCでは利上げに踏み切るだろう。焦点はその幅(ペース)だが、短期金融市場では一気に50bp引き上げる確率が21%まで上昇している。

このような動きを考えると、FEDスピーカーの言動やインフレの状況により、今後は米利上げペースの加速が意識される局面が多く見られることを想定しておきたい。

今年後半(9月以降)には、ECBも中銀預金金利を引き上げてくるとの観測が出ている。しかし米利上げペースと比較すれば、その差は歴然としている。そしてその差が早期に解消される可能性は現時点で低い。よって、今年前半のユーロドルは調整の反発を挟みながら、下落トレンドを意識する展開を予想する。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

・ユーロドルのチャートポイント

目先のユーロドル(EURUSD)のチャートポイントだが、上で述べたように米欧金融政策スタンスの違いがユーロドル下落の主因であること、そしてこのスタンスの違いが短期的には解消されないことを考えるならば、今注目すべきは、新たなサポートポイントの水準を見極めることである。

目先、下値の攻防で注目したいのが1.11のトライである。昨日安値1.1130の下方ブレイクは、1.11トライのシグナルと想定しておきたい。

ユーロドルが1.11をも下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準1.0976レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。

一方、ユーロドルが反発地合い(調整相場)となる場合の焦点は、サポートポイントとして意識されてきた水準-1.1184、1.1200および1.1220-30のゾーンがレジスタンスポイントへ転換するかどうか?この点を確認したい。これらの水準でユーロドルの反発が止められる場合は、下落トレンド継続のシグナルとして意識したい。

なお、レジスタンスラインとして相場の上値を抑制している10日線(EMA)は今日現在、1.1262レベルで推移している。この移動平均線が上述したレジスタンスポイントの水準まで低下する場合、それら水準でユーロドルの戻りが止められる可能性が高まることを想定しておきたい。

ユーロドルのテクニカルチャート

ユーロドルのテクニカルチャート

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