パウエル発言と米金利の反応 / ドル円の焦点とチャートポイント
米ドル相場は金利の動きに左右される展開が続いている。今日はパウエルFRB議長の発言と米金利の反応に注目したい。ドル円は新たなサポートポイントを見極める局面にある。目先、その候補として挙がる水準はどこか?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
パウエル発言と米金利の反応
【サマリー】
・20日の米債市場では利回りが低下した
・米実質金利は再びマイナス圏となりドルインデックスはこの動きに追随
・目先はパウエルFRB議長の言動と米金利の反応に注目
・ドル円は127.00レベルが新たなサポートポイントの候補として浮上
・米金利の低下と米ドル売り
20日の米国債券市場では、ここ最近の利回り上昇や20年債の好調な入札結果を受け、米債を買い戻す動きが見られた。長期金利(10年債利回り)をはじめとした、各年限の利回りは低下した。米金利の動向を受け、実質金利(10年)は再びマイナス圏へ逆戻りした。
これらの動きに外為市場は米ドル売りで反応した。実質金利とドルインデックス(DXY)が同じトレンドを描いている状況を考えるならば、米ドル相場は引き続き金利にらみの展開が続こう。
実質金利とドルインデックスのチャート
・パウエル発言と米金利の反応
米金利のトレンドを左右する要因として、引き続き原油先物相場の動きを注視したい。
また、本日はパウエルFRB議長の発言も重要材料となり得る。パウエル氏はこの日、国際通貨基金(IMF)主催の世界経済に関するパネル討論会に出席する。5月の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、来週からブラックアウト期間(FRBメンバーが金融政策についての発言を控える期間)に入る。パウエル氏はすでに5月の大幅利上げについて言及しているが、あらためて高インフレのリスクに対応するために金融引き締めの強化を示唆する場合、米金利がどのような反応を見せるのか?この点をチェックすることは、今後の米金利のトレンドを考える上で重要である。
パウエル氏の発言に米金利が上昇で反応する場合は、米ドル相場の反発を想定しておきたい。一方、米金利の反応が限定的、または低下基調が続く場合は、米ドル安を想定しておきたい。
ドル円の焦点とチャートポイント
・米金利にらみの展開が続く
米金利の低下を受け20日のドル円(USDJPY)は、安値127.45レベルまで下落した。米金利の上昇(日米利回り格差の拡大)を土台とした3月以降の急騰と、米金利が低下しての昨日の下落は、米金利の動きがドル円のトレンドを左右する最大の要因であることを示唆している。
・新たなサポートポイントとして127.00が候補に
よって、今日のドル円(USDJPY)も米金利にらみの展開となろう。そして目先の焦点は、新たなサポートポイントがどの水準になるのか?この点を見極めることにある。
新たなサポートポイントの候補として注目したいのが、127.00レベルである。日足チャートで直近の動きを確認するとこの水準は、レジスタンス(4月18日)としてもサポート(4月19日)としても意識された経緯がある。
現在は127.00以上で推移していることから、サポートポイントとして意識されるかどうか?を確認したい。昨日の下落は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準(127.48レベル)で止められた。このテクニカルポイントを下方ブレイクする場合は、127.00トライを想定しておきたい。
ドル円が127.00をも下方ブレイクする場合は、3月以降、サポートラインとして意識されている10日線(EMA)の維持が、次の候補として浮上しよう。
一方、ドル円が反発する場合は、129円台の回復が焦点となろう。日米金融政策スタンスの差がドル円のメインテーマである以上、129円台の回復、直近高値129.40レベルの突破、そして節目の130円トライを常に意識しておきたい。
ドル円のチャート
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