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ドル円は下落幅の拡大に要注意 / ユーロドルの焦点とチャートポイント

ドル円は円高リスクを警戒すべき局面にある。一方、ユーロドルは1.08を大きく下離れしたことで新たな局面へシフトした。目先の焦点とチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

ドル円は下落幅の拡大に要注意


【サマリー】
・再び拡大するドル円の予想変動率

・ドルプットに傾くドル円のリスクリバーサル
・ドル円のチャートポイントについて
・1.08を大きく下離れしたユーロドルは新たな局面へシフト


再び拡大するドル円の予想変動率

昨日の米債市場では、長期金利をはじめ各年限の利回りが低下した。この動きを受けドル円(USDJPY)は、安値127.52レベルまで下落する局面が見られた。
ドル円の予想変動率(1週間、インプライド・ボラティリティ)は、3月28日に125円台へ急騰した時以来の水準(13.8%)まで再び拡大している。過去の経験則では、予想変動率が上昇すると円高方向へ大きく振れるパターンが見られた。しかし現在は、円安の圧力が高まりやすい状況にある。
では、ドル円が大きく動くならば、直近の高値129.40をトライするのか?それともサポートポイントの候補である127.00のトライなのか?

ドル円と予想変動率のチャート

ドル円と予想変動率のチャート


上記の点を見極める上で重要な指標が、通貨オプション市場のリスクリバーサルである。1週間の動きを確認すると、急速にドルプットへ傾いていることがわかる。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米債市場ではその動向を見極める必要から動きづらい状況にある。また、ロックダウンに伴う中国経済の減速リスクが意識されているタイミングであることも考えるならば、米債市場では利回りの上昇が抑制される可能性があろう。
よって、現在の予想変動率の拡大は、ドル円の127.00トライを示唆する動きとして捉えておきたい。

ドル円とリスクリバーサルのチャート

ドル円とリスクリバーサルのチャート


・127.00のトライ&ブレイクが焦点に

ドル円(USDJPY)が続落する場合、目先の焦点はフィボナッチ・リトレースメント23.6%レベル(127.48レベル)の攻防である。ドル円が反落する際は、この水準前後で下値がサポートされる状況にある。
米金利の低下などで23.6%の水準を完全に下方ブレイクする場合は、サポートラインとして意識されている10日線(EMA)の維持が焦点となろう。テクニカル面で重要なこの移動平均線をも下抜ける場合は、127.00トライを意識したい。この水準は4月19日にサポートポイントとして意識された経緯がある。前日の18日にレジスタンスポイントとして意識されたことも考えるならば、127.00レベルは重要なチャートポイントとして意識される傾向にあることがわかる。現在は127.00以上で推移しているのでサポートポイントとして注目すべき局面にあるが、下方ブレイクする場合は、この水準がレジスタンスポイントとなる可能性があるため要注意。

一方、ドル円が上昇トレンドを維持する場合は、129円乗せが焦点となろう。直近の動向を確認すると、129.00がレジスタンスポイントとして意識され始めていることがわかる。
この水準をトライしても、129円乗せに失敗する状況が続けば、一度127.00トライ&ブレイクとなる展開を意識しておきたい。
逆に129円台へしっかり乗せてくる場合は、直近高値129.40のブレイクと新たなレジスタンスポイントの水準を見極める局面へシフトすると予想する。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

ユーロドルは新たな局面へシフト

・1.08を大きく下離れ 次の焦点は?

ユーロドル(EURUSD)は昨日、このレポートで重要なチャートポイントとして指摘し続けてきた1.08レベルを大きく下離れした。大陰線の示現で1.07ミドルだけでなく、1.07をもブレイクする局面が見られた状況を考えるならば、ユーロドルは新たな局面へシフトした可能性が高い。
この点を確認する上で今後注目すべき点が2つある。ひとつは、反発局面での戻り売りの水準である。1.07ミドルもしくは1.08レベルで反発が抑制される場合、新たなサポートポイントは1.06台以下になる可能性が高まろう。

もうひとつの焦点は、1.07ブレイク後にこの水準がレジスタンスポイントとして意識されるかどうか?である。
現在のユーロドルは、米欧の金融政策スタンスの差とウクライナ紛争による域内経済の減速リスクが意識される状況にある。これらファンダメンタルズ面がチャート上で確認される(1.07レベルがレジスタンスポイントとして意識される)場合、市場参加者にユーロドルの地合いの弱さをさらに印象付けるだろう。

・次の下値ポイントは?

ユーロドル(EURUSD)の下落基調が続き1.06台の攻防となる場合、目先はフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準1.0656レベルのトライ&ブレイクとなるか?この点に注目したい。このレベルで一度反転する場合は、上で述べたとおり1.07レベルの攻防が焦点となろう。
一方、1.0656レベルをもあっさりと下方ブレイクする場合は、1.06トライを予想する。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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