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円高の進行でドル円は140円を下方ブレイク、目先の下値ポイントは?

今日の東京時間にドル円は節目の140円をあっけなく下方ブレイクした。テクニカルの面では50日MAを下抜けたことになる。ドル円の下落幅が拡大する場合、注目しておきたい下値のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※6月の米消費者物価指数の焦点とポンドドルの展望についてはこちらをご覧ください


サマリー

・ドル円は節目の140.00レベルと50日MAを同時に下方ブレイクした
・通貨オプション市場ではドル円のさらなる下落を警戒する状況にある
・目先の下値の焦点は、3月上旬の上昇相場を象徴する短期サポートラインの維持である
・ドル円が138円台へ下落する場合は、2つのチャートポイントの攻防に注目したい


140円(50日MA)を下方ブレイク

ドル円(USDJPY)は連日で陰線が示現し、本日の東京時間に節目の140.00を完全に下方ブレイクした。

6月の米雇用統計の内容について筆者は、米長期金利の上昇要因と考えていた。しかし、週明けの米長期金利は4%以下の水準へ低下している。この状況で、アメリカの6月消費者物価指数(CPI)でインフレの鈍化が確認される場合は、ドル円のさらなる下値トライを想定しておきたい。

なお今日現在、140.00レベルには50日MAが推移している。ゆえに本日東京時間の140.00ブレイクは、テクニカルの面でさらにドル円の下落幅が拡大する可能性が高まったことを示唆している。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 IGチャート:22年12月以降

さらなる下落を警戒

通貨オプション市場では、一度ドルプットの傾きが止まったかに見えた1ヶ月のリスクリバーサルが、急速にドルプットへ傾いている。3ヶ月と6ヶ月のそれらも同様の展開にある(下チャートの青ゾーンを参照)。

リスクリバーサルが先に動き(ドルプットへ傾き)、その後ドル円が追随(下落)する状況にあることを考えるならば、ドル円は新たなサポートポイントが判明するまで下落幅の拡大を警戒する状況にある。

ドル円のチャート:日足

ドル円のリスクリバーサルの推移:日足 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 年初来


上昇相場を象徴する短期サポートラインの攻防

ドル円(USDJPY)は140.00(50日MA)を完全に下方ブレイクし、東京時間に安値139.36レベルまで急落している。この状況を考えるならば、ドル円のトレンド転換を意識すべき局面にある。

それを判断する材料のひとつとして、3月の安値129.64レベルを起点とした短期サポートラインの攻防に注目したい。このラインは今日現在、139.05レベルで推移している。

この短期サポートラインは、3月下旬から発生した上昇相場を象徴するトレンドラインである。そのラインの下方ブレイクは、ドル円が下落トレンドへ転換するシグナルのひとつになり得る。


138円台で注目しておきたい2つのチャートポイント

上で述べた短期サポートラインをドル円が難なく下方ブレイクする場合は、レジスタンスからサポートへの転換が確認されている138.70レベルのトライおよび維持に注目したい(下の4時間足チャートを参照)。

現在のドル円は、半値戻しの水準139.41レベルでひとまずサポートされている。ゆえに、このテクニカルポイントを下方ブレイクする場合は、139.00のブレイクと138.70レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

ドル円が138円台の攻防へシフトする場合、もうひとつ注目しておきたいチャートポイントがある。それが、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準138.25レベルである(一番上の日足テクニカルチャートを参照)。

今年の3月上旬と5月上旬に138.00レベルがレジスタンスポイントとして意識された経緯がある。また、138.07レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(下の4時間足チャートを参照)。

過去の経緯とテクニカルの観点から138.00-25をひとつのゾーンと考える場合(一番上の日足テクニカルチャートを参照)、5月下旬から6月上旬の時と同じくこのゾーンで再び “サポートへの転換” が確認される場合は、ドル円の下落相場が終わるシグナルと想定しておきたい。

ドル円のチャート:4時間足

ドル円のチャート:4時間足 IGチャート:23年5月以降

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