リスク選好相場の米ドル売りが続く / ドル円の焦点は110円台の維持 / リバウンド相場のユーロドル 短期レジスタンスラインの攻防に注目
サマリー:「リスク選好相場による米ドル売りが続いている。ドル円の焦点は110円台の維持。ユーロドルの焦点は短期レジスタンスラインの攻防。今日注目のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
リスク選好相場の米ドル売りが続く
リスク選好相場を意識した米ドル売りのトレンドが続いている。昨日の米国株式市場では、S&P500とナスダック総合が連日で過去最高値を更新した。クルーズ船やリゾート関連の銘柄が上昇している状況は、ワクチンの普及によるコロナリスクの後退を示唆している。政策期待による持続的な景気回復の期待も株高トレンドをサポートしている。
米長期金利は1.3%台へ乗せてきたが、リスク選好相場を意識したオセアニア通貨や新興国通貨(ブラジルレアル / 南アランド)を買い、米ドルが売られる状況に変化は見られない。今日も同じ状況が続けば、米ドル安優勢を想定しておきたい。
一方、明日のジャクソンホール会議を前に米株が利益確定の売りに圧され反落する場合は、米ドルの買い戻しを想定しておきたい。
米国株と米ドル相場のパフォーマンスチャート
ドル円の焦点は110円台の維持
ドル円(USDJPY)が持続的に上値をトライするには、米株と長期金利の上昇が同時に発生することが条件となる。昨日の米国市場はまさにこの展開となり、ドル円は高値110.12レベルまで上昇した。リスク選好相場による米ドル売りのトレンドが続いているが、今日も米国市場がリスク選好相場を維持する場合、ドル円の焦点は110円台の維持となろう。
ドル円が110円台へしっかり乗せる場合は、110.10-20のレジスタンスゾーンの攻防に注目したい。日足のローソク足を確認すると、このゾーンで上値が抑制され上ヒゲが連続で示現している。これら上ヒゲは、110.10-20ゾーンでの売りの強さを示唆している。なお、レジスタンスゾーンの中間110.15はフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準にあたる。
ドル円が110.20レベルの突破に成功する場合、次の焦点は短期レジスタンスラインが推移している110.45レベルのトライとなろう。すぐ下の水準110.39は、プロジェクション61.8%の水準にあたる。
一方、下値の焦点は、上で述べたとおり110円台の維持である。これに成功する場合、市場参加者に地合いの強さを印象付けよう。
逆に110円台の維持に失敗する場合は、昨日の安値109.60レベルの維持が焦点となろう。
米株が上昇トレンドを維持し、明日にジャクソンホール会議を控えていることも考えるならば、米株が調整売りに圧されても、今月24日に相場をサポートした100日EMA(今日現在109.41レベル)を下方ブレイクする可能性は低いと予想する。なお、100日線は本日、短期サポートラインとクロスしている。
ドル円のチャート
リバウンド相場のユーロドル 短期レジスタンスラインの攻防に注目
昨日のレポートで取り上げたユーロドル(EURUSD)は、米ドル安にサポートされ21日EMA(今日現在1.1765レベル)の上方ブレイクに成功している。21日線のブレイクやMACDで明確に反転のシグナルが点灯している状況も考えるならば、今日もリバウンド相場を想定したい。
本日の上値の焦点は、短期レジスタンスラインの攻防である。このラインは今日現在、1.1777レベルで推移している。ローソク足の実体ベースでレジスタンスラインを完全に突破する場合、次の焦点は直近高安の50.0%戻し1.1785レベルの突破である。
このテクニカルポイントの突破にも成功する場合は、8月13日と16日に反発を止めた1.1800レベルのトライとなろう。1.18の突破およびその水準の維持に成功する場合、明日以降、50日EMA(今日現在1.1829レベル)のトライおよびブレイクとなるか?この点に注目したい。
50日線をも突破する場合は、1.19を視野にリバウンド相場が続く可能性が高まろう。
一方、ユーロドルが下値トライとなる場合は、1.1725レベルを維持できるかどうか?この点に注目したい。今月24日と昨日は、この水準で相場がサポートされた。
ユーロドルのチャート
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