ハイテク株 の注目 銘柄 5選
日本経済は2024年に入って以降苦戦を強いられているものの、日本のハイテク株は堅調に推移しています。ここでは、注目のハイテク株5選を紹介します。 5つの銘柄は時価総額に基づいて選出されています。
ハイテク株とは
?ハイテク株の背景知識
ハイテク株とは、半導体、ソフトウェア、AI、クラウドサービスなどの技術革新を基盤にした企業の株式を指します。近年、特に注目されているのはAI関連の需要です。エヌビディアのような半導体大手が代表例で、AIの急速な成長が彼らの業績を押し上げています。日本株は、米国のハイテク株と強く連動しており、とりわけ米フィラデルフィア半導体株価指数の動きが日経平均に影響を与えています。
2024年は、ISM製造業景況感指数の悪化により、米ハイテク株が下落し、日本市場も影響を受けました。しかし、ハイテク株の基礎であるAIや半導体需要は引き続き堅調に推移しています。今後の利下げや経済指標次第では、再び成長する可能性があります。
短期トレーダーにとって、ハイテク株は短期間での利益を狙いやすいものの、外部要因の影響を受けやすいので、リスク管理が重要となります。
ハイテク株を取引する理由
ハイテク企業は技術革新に重きを置いているため、将来的な成功や潜在的な利益が期待され、株価の上昇をもたらす可能性があります。
例えば、S&P500の主要企業であるアップル(AAPL)は、携帯電話技術の画期的な向上により、1990年代以降に株価が80,000%以上急騰しました。同様に、2011年にネットフリックス株を購入した投資家は、2022年に一時株価の下落を経験したものの、ストリーミングサービスの爆発的な人気を背景に現在3,000%を超える利益を獲得しています。
テクノロジー関連企業はS&P500の大半を占めており、そのバリュエーション(企業価値評価)の高さがうかがえます。日本でも同様の傾向が見られ、多くの大手企業がテクノロジー関連セクターに属しています。
テクノロジーが進化し続ける中、上場ハイテク企業には将来的な利益が期待できるとして、投資家の関心を集めています。特に、電気通信関連企業、電子機器メーカー、半導体企業は、投資家やトレーダーにとって魅力的だと言えます。しかし、テクノロジー関連銘柄は個人消費、投資家の資金調達、競争力の持続などに依存しているため、特に経済が不安定な時期には、市場のボラティリティの影響を受けやすいというリスクも抱えています。
それにもかかわらず、ハイテク株は将来の製品やサービスの予測に基づく収益への期待から、高めの株価評価を受けることになります。この予測が達成できない兆候が見られた場合、大幅な株価修正を余儀なくされます。
ハイテク株の取引方法
投資家はハイテク株を個別に取引したり、幅広いポートフォリオの一部として取引したり、あらかじめ決められた指標や上場投資信託(ETF)などを通じて取引したりすることができます。世界的に最も人気がある指標の一つには、米国の大手企業のメタ(旧フェイスブック)、アップル、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス、アルファベット(GOOGL)で構成されるFANG+(ファングプラス)指数があげられます。
他のセクターと同様に、テクノロジー関連企業も決算シーズンに決算発表を行います。この時期には取引が急増し、市場のボラティリティが高まる傾向があります。さらに、ハイテク株の流動性は、企業の発表や製品開発、中央銀行による金融政策に関する発表など、重要なマーケットイベントがある際にも急上昇することがあります。
注目の日本のハイテク株5選
ここでは、注目の国内ハイテク株5選を紹介します。株価やその他の数値は2024年12月9日時点の引用であり、取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。また、過去の値動きは将来の株価動向を示すものではありません。
HOYA株式会社(7741)
HOYA株式会社(7741)は、光学機器や医療機器、情報通信分野において世界的に活躍する日本のリーディング企業です。同社は、メガネレンズや眼内レンズなどのライフケア事業、内視鏡や人工骨といったメドテク事業、さらに情報通信事業など幅広い分野で高いシェアを誇ります。特にライフケア事業において、近視抑制や老眼対応のメガネレンズの開発に注力しており、グローバルな市場拡大を目指しています。
2025年3月期第2四半期の決算では、売上収益が前年同期比14%増の2,147億円となり、営業活動からの利益は656億円で前年同期比25%増加しました。ライフケア事業では、システム障害からの回復が進み、特にメガネレンズの売上成長率は6%と堅調でした。一方、税前利益は為替差損の影響により前年同期比で減少しましたが、主要事業の堅調な成長が見られます。
現在の株価は20,265円、PERは39.31倍と、割高感があるものの、同社の成長性を評価した水準となっています。特にライフケアや情報通信分野での事業の強みが市場から支持されており、今後も安定した成長が期待されています。
HOYAは、長期的な成長見込みのある分野をターゲットにした戦略が特徴です。また、ライフケア事業やメドテク分野に関するポジティブなニュースや市場動向に影響されやすいため、これらの情報に敏感なトレーダーに適しています。
キーエンス株式会社(6861)
キーエンス株式会社(6861)は、産業用オートメーション機器を中心に高付加価値の製品とサービスを提供する世界的なリーディング企業です。同社の製品は、センサー、測定機器、視覚システム、レーザー技術など、多様な分野で利用されています。特に、製造業の効率化や品質向上に寄与するソリューションを提供しており、国内外で高い評価を得ています。
2025年3月期第2四半期の連結業績では、売上高が5,155億円で前年同期比10.6%増加し、営業利益は11.1%増の2,639億円、親会社株主に帰属する中間純利益は6.0%増の1,897億円を記録しました。この成長は、北米や国内市場での設備投資需要の堅調さによるものです。欧州やアジアでは一部慎重な動きが見られましたが、全体として高い利益率を維持し、堅調な成績を収めています。
株価は64,790円、PER(株価収益率)は42.50倍と、やや割高な水準に位置しています。しかし、高収益体質と市場での独自性を考慮すると、その評価も納得できるものと言えます。利益率が高く、製品とサービスの差別化を継続的に図ることで、中長期的な成長が期待されています。
キーエンスは、安定的な利益成長が期待される銘柄ですが、短期トレーダーにとっても魅力的です。特に、四半期決算の発表時や新製品のリリース、設備投資の動向に関するニュースが株価に影響を与えるため、これらのイベントに注目すると良いでしょう。
カシオ計算機株式会社(6952)
カシオ計算機株式会社(6952)は、時計、電卓、電子楽器など幅広い製品を提供する総合エレクトロニクスメーカーです。同社の主力商品である「G-SHOCK」シリーズは世界中で人気を博し、特に若者層やアウトドア愛好家に支持されています。また、教育分野では関数電卓の分野で高いシェアを誇り、新興市場での需要も拡大しています。
2025年3月期第2四半期の連結業績では、売上高が1,369億円で前年同期比2.5%増加しました。時計部門が北米や欧州市場で回復を見せ、営業利益は26.5%増の103億円に達しました。一方で、純利益は50.7%減の35億円となりましたが、これは一時的な特別損失の計上によるものです。全体として堅調な売上成長が見られ、特に新製品の販売が好調でした。
株価は1,252円、PER(株価収益率)は24.60倍で、比較的手頃なバリュエーションに位置しています。同社は、強いブランド力と安定した収益基盤を持ち、今後も新製品や新市場での成長が期待されています。
カシオは、製品リリースや季節ごとのセールスイベントに敏感なトレーダーに適した銘柄です。特に時計部門の新製品発表や、エドテック事業における教育市場の動向が株価に影響を与えることが多くあります。
株式会社安川電機(6506)
株式会社安川電機(6506)は、モーションコントロール、ロボット、システムエンジニアリングの分野で世界的に評価される産業オートメーション技術のリーディング企業です。ACサーボモータや産業用ロボット、インバータ技術を駆使したシステム開発を通じて、製造業の自動化や効率化を支援しています。同社の技術は、自動車、半導体、エネルギー、物流など多岐にわたる分野で使用され、グローバルに展開されています。
2025年2月期第2四半期の連結業績は、売上収益が2,615億7,300万円(前年同期比9.5%減)、営業利益は229億2,600万円(同30.7%減)と減収減益となりました。これは、モーションコントロールセグメントにおける売上減少や、中国市場の需要低迷が影響しています。一方で、ロボットセグメントでは、自動車市場での堅調な需要が見られました。減益ながらも、製品の付加価値向上やコスト削減努力が続いており、長期的な成長基盤は健在です。
株価は4,016円、PER(株価収益率)は20.71倍で、業界平均と比較して適正な水準にあります。同社の中長期的な成長可能性を評価し、投資家から安定的な支持を集めています。
安川電機は、製造業の設備投資動向に敏感な短期トレーダーに適した銘柄です。特に、四半期ごとの需要予測や中国市場の動向、自動車業界における新規受注が株価の変動要因となります。
株式会社デンソー(6902)
株式会社デンソー(6902)は、自動車部品を中心にさまざまなモビリティ関連製品を開発・製造するグローバル企業です。「環境」「安心」「共感」を理念に掲げ、クルマを通じた社会課題解決に取り組んでいます。特に、電動化や自動運転技術の分野では、業界をリードする存在として知られています。同社は日本市場を中心に、北米、欧州、アジア各地で広範な事業展開を行い、持続可能なモビリティ社会の実現に寄与しています。
2025年3月期第2四半期の連結業績では、売上収益が3兆4,749億円(前年同期比1.1%減)となったものの、営業利益は2,512億円(同18.6%増)と増益を記録しました。これは、円安の進行や合理化努力が貢献した結果です。一方で、日本国内での車両減産やアジア地域での販売不振が減収要因となりましたが、北米地域では売上高が前年同期比7.9%増加するなど、地域間での変動が見られました。
株価は2,163円、PER(株価収益率)は20.60倍で、業界平均に対してバリュエーションは適正な水準にあります。同社は収益基盤が安定しており、特に電動化や自動運転技術における成長期待が高まっています。
デンソーは、自動車業界のニュースや為替動向に敏感な短期トレーダーに適した銘柄です。特に、北米市場や新技術に関連するポジティブなニュースが株価に影響を与える傾向があります。そのため、自動車業界全体の需要予測や、四半期ごとの収益報告を基に取引を行うと良いでしょう。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。