取引きする際に最も重要なことは、トレンドの強さを見極めることにあります。もちろんこの見極めは簡単ではありません。そこでトレーダーの中にはADXを用いることで、現在のトレンドの強さを視覚的に予測しようとします。
トレンドフォローを主体とした取引きは、現在でも多くのトレーダーの支持を得ています。この取引方法で重要なことはトレンド転換を見極めことです。多くのトレーダーはテクニカル指標でこの転換を見極めようとしますが、トレンド転換を示す全てのテクニカル的なブレイクアウトが、実勢相場の転換を示すわけではありません。ある調査によれば、実際に明確なトレンドが発生する確率は30%未満であり、それ以外はレンジ相場取引が続くことが確認されています。レンジ相場は、上昇/下落のトレンドから大きな利益を得ようとするトレーダーにとっては魅力的な相場環境とはいえません。しかし、こうしたトレーダーは明確なトレンドが発生する局面でADXを用いることで、まずトレンドの強さを確認します。そうすることで、トレンドフォローによる利益獲得の機会を得ようとします。
ADXとは?
ADXはモメンタム指標の一種です。一般的にマイナス/プラスの方向性指数(DMI)と組み合わせることで、上昇/下落のトレンドを把握することに用いられます。
また、ADXのパラメーターは0から100までの数値で表示されます。通常、その値が25を超えるケースでは、トレンドの勢いが強く且つそれが継続すると判断します。
ADXの使い方
ADXは、通常14日間の価格レンジをベースとした移動平均に基づいています。期間は相場の状況に応じて変更することができます。ADXはトレンドの勢いを確認するためのテクニカル分析手法です。トレンド予測のための指標ではないことを覚えておいて下さい。
例えば以下のチャートは、2017年末から2018年5月末までのDAX(ドイツ 30種株価指数)を示しています。1月と2月は価格が急落しています。一方、ADXは上昇しています。これは下落トレンドが力強いことを示しています。
対照的に3月の上昇局面ではADXが下降しています。これは上昇トレンドが弱いことを示しています。ADXはトレンドを予測するのではな「トレンドの強さを測る指標である」という基本を理解していれば、ADXを上手く用いることができます。
すでに述べたとおり、ADXはDMIというラインと併用されることがあります。しかし、1番目のチャートではADXを分かりやすく説明するため、プラス/マイナスで示されるDMIを省きました。一方、2番目のチャートではADXとDMIが表示されています。
緑色の線の上についての説明
プラスの方向線(緑)がマイナスの方向線(赤)の上にあるとき、強気相場の可能性を示唆しています。しかしトレンドの強さを測る際は、ほとんどのトレーダーはADXを重視する傾向があります。
ADXチャート